町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その19 新入社員の研修③ 正直者が馬鹿を見た!

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私と豊田先輩を含めてここの職場からは6人が新人研修を受けたのだった。そして無事にレポートを提出して仕事開始、その日も順調で夜勤で出社してきた石上先輩に好調なことを報告して昼勤は終了、ここの会社は昼勤が終了したときも夕礼がある。終了のチャイムが鳴るとみんな一斉に指定の場所に整列する。そして社歌が流れる。夕礼の時は合唱はせず歌が流れている間はみんな直立不動。そして歌が終わると班長が前え出てきて「今日も一日お疲れさまでした!」といって帰りになるのだ。とにかく仕事は好調であった。

そして次の日、藤田班長が私のとこへやってきた。「田中、あのレポートいいな」。わざわざ言いに来てくれたのだ。「ありがとうございます!」「出すのもはえーし、期日を守ることって大事なことだからさ。頑張れよ!」って言ってくれたのだ。聞けばまだ誰も提出していないということだった。そして夜勤の引継ぎ時間になり石上先輩が来た、好調なことを告げて石上先輩に装置を引き継ぐ。すると石上先輩が「レポートはいい書き方してたな」「え?」「けっこう評判がいいぞ」って、そこへ甘利先輩も私のとこへきて「おまえのレポート見たよ、すげーな」って、周りの先輩たちから次々と褒められてしまったのだ。藤田班長が見せたのだろう。

そして次の日、再び藤田班長が私のとこへやってきて「豊部がさ、レポートの書き方がさっぱりわからないって言ってきたから田中のレポートを参考にさせてもらったからよ」って、まあ私のレポートが見本になるのだから悪い気はしない。そして夜勤の時間がやってきた。いつものように装置は絶好調だ、そこへ夜勤の豊部先輩がレポートのお礼を言いに来たのだ。

と思ったら、次々と私のとこへ新人の先輩がお礼に来たのだ。「いやあ お前のレポートのおかげで助かったよ。藤田さんがさ、これがレポートの見本だ!ってお前のレポートを貸してくれたんだよ」って。。。私は愕然とした。要するにみんな何もせずに私のレポートを丸写しにして提出したのだ。さすがにこれは頭にきた。こっちは眠いの我慢してメモとって、そして完成させたレポートを、研修のときに何も聞かずに寝ていた連中に使いまわしさせたんだもん。正直者が馬鹿を見るなんて言うけれど、まさか自分が張本人になるなんてね。続く

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