町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その17 新入社員の研修① 礼に始まり礼に収め礼に終わる

»

入社して3週間目くらいであろうか、新入社員の研修ということで土曜日に休日出勤になった。私と同時期に入った人たちを対象に開催された研修なのだが50人位居たと思う。みんな胸のとこに黄色の初心者ワッペンを付けている。大企業って中途採用するときの人数も半端ではない。まあ、この頃はとにかく景気が良かった。私が配属された工場は約500~600人位の規模であったのだが、私たちの部署は30人前後、その私たちの部署だけでも一か月7億円の利益を出していたのだ。ちなみに工場全体では一か月で50億円以上の利益を出していると課長から聞いた。なので本社からもここの工場はかなり重宝されていたし、待遇(給料)なども本社と同じだったのだ。

話を戻すがこの新入社員の研修、何をやるのかというと、会社の歴史やスローガン、社訓、社歌などの詳細を説明してくれるものであった。睡魔との戦いなのであるが、ウトウトしていると司会進行役である人事課の加賀さんから伸縮する鉄の棒で軽く肩を叩かれる。しかしこの加賀さんが凄く美人なのだ。社歌などをみんなで合唱していても「声が小さい!」などと叱責が飛んでくる。口調は厳しいのだがルックスは満点。だから寝たくても寝れない。講義の種類ごとに講師が代わって説明などをするのだが、この加賀さんは司会進行役みたいな立場でずっと後ろで監視していたのである。

大企業だけあってとにかく社訓や哲学などがたくさんあって聞いてるだけで飽きてきてしまうのだが、役に立つ教えもあった。仕事の始まりは「礼に始まり、礼に収め、礼に終わる」。この教訓は今でも私のバイブルとなっている。とにかく挨拶だよ、これは仕事だけでなくすべての生活において大事なことですよね。それをわかりやすく、しかも哲学的な文章で短く簡潔に纏めてあるのだからすごい!前の会社の研修などに比べたら役に立つことがたくさんあったのだ。そして、前にも書いたが「物を作る前に人を作る」。これも今でも私のバイブルになっている。

まあ、この会社の創業者の本が一般書店でもかなり売られていますからね。それらの内容をかなり削って1日で終わるようにまとめたものが今回の新人研修で講義されている。そして、その内容を各グループに分かれて討議して、グループ内の代表が一人ずつ前に出てみんなでまとめたことを説明するというものであった。私のグループは同期入社で同じ職場の豊部先輩も一緒だったのでやりやすかった。そして気が付けば私がグループを代表して前で説明させられることになってしまったのだ。無事に発表を終えて講義も終了というときに司会進行役の加賀さんが「来週中にレポートを提出してもらいますので」と一言。室内がざわつき始めた。続く

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する