町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その17 仕事は段取りが7割

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なんでこれだけしか学べなかったんだろう?って思うんだけど、答えは簡単で勉強しなかったから。技術職って会社でやってることだけでは進歩しない。例えば、スポーツなんかでもそうですけど、周りと同じような練習、練習量をこなしていても強くはなれないのと一緒です。5社目にお世話になった派遣先で、開発のエリートと一緒に仕事をする機会があったのですが、この方は専門書を1週間で2~3冊読んでしまうとおっしゃっていました。しかも会社ではなく家に帰ってからです。そういった見えない努力が花を咲かせるんでしょうね。

話を戻すが私がヤル気なしで嫌々仕事をしているとき同じ係の30代後半の先輩が話しかけてきた。「ここは勉強しないと付いていけねえよ」、この先輩、元々は現場の流れ作業工程の作業者であったのだが何故かこの部署に移籍になったということであった。「俺だって最初はまったくわからかったし、だから自分で勉強したもんなあ・・」とタバコをふかしながら語り始めた。「毎日、資料を家に持ち帰って勉強してたよ、それに俺は30歳でここに移籍してきたからさ、とにかく大変だったよ」。まったくやる気のない私を気遣ってくれたのだ。ちなみにこの先輩、私が辞めて数年後には係長に昇格している。今思うと、この先輩の言葉はほんとにその通りだったと技術者の自分には突き刺さる。

「メザシの土光さん」と呼ばれて親しまれた元経団連会長の土光敏夫氏は「朝の通勤電車で新聞を読んでいるようでは落第社員だ!」「社員は3倍頭を使え!幹部は10倍身体を使え!俺はそれ以上に頭も体も使う!」などの名言を残している。この「朝の通勤電車で新聞を読んでいるようでは落第社員だ!」っていう言葉は、次の会社へ転職してしみじみと実感した。技術職、技能職、全ての仕事において開始前の段取りが大事ということですね。ある和菓子職人が「朝の15分は仕事中の1時間に匹敵する」とテレビで言ってましたけど、全くその通りです!

例えば、私は現在、設計の仕事をしていますが一つの案件を完成させるのに客先から100ページ近い資料が送られてきます。その内から設計に必要な箇所だけを拾い上げて凝縮したものだけをコピーして自分のファイルに保管します。ここまでが仕事前の段取りですが、この段取りをちょっとでも間違うと最初から資料の集め直しになってしまうこともありますし、更に客先に電話で確認などの無駄な仕事が出てきてしまうのです。ですから段取りを間違うだけで1時間や2時間を無駄にしてしまうのです。3社目の派遣社員時代、客先の係長が「仕事は段取りが7割だ」と言っていました。

※30年前の新入社員なりたての写真が見つかりましたので載せます。これは先輩の送別会のときです。無理やり参加させられて目が死んでる(笑)表示

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