第16回 もう、サービス残業はしない
今回はサービス残業について考えてみようと思います。
この業界でサービス残業をするということは、ソフトウェアの価値がどんどん下がって適正価格ではなくなり、さらに新規案件を取ってくるときに値切られ、ますます予算がなくなり、サービス残業を強いられるという負のスパイラルではないでしょうか。
それに、わたしの感覚としてですが、業務系のソリューションってそもそも儲からないような気がしてならない。
そう思っていた矢先に先輩とぶつかってしまった。原因は、勉強会。
定時後に、偉い人が召集をかけてやっている勉強会が開催されます。はっきり強制とは言われていないが、緊急な業務以外での不参加はありえない。つまり暗黙の強制参加である。
当然残業申請したのですが、工数管理している先輩に「勉強会は自己研鑽だから残業は出ない」と突き返されました。勉強会の主催者に確認すると「まぁ、残業つけてもつけなくても……」という返事らしい。
先輩はいまどき珍しいくらいの熱血タイプ。「自己研鑽するのは当たり前で、費用なんてつくもんか!」という考え方の持ち主。
最初はわたしの信念だけを頼りにおかしいと主張していましたがあまりに埒があかないので労働基準法まで調べて挑むことにしました。
「強制である、または参加しないことで評価に響く研修は労働時間とみなされ賃金支払いの義務がある」
という根拠を元に先輩を説得しようとしましたが、もっと上の上司が「SARAの言ってることが正しい」と一言発言し、この問題は解決しました。わたしが発言しなければ残業はつかないままだったでしょう。
わたしはこのことでその先輩との関係が悪くならないように挨拶をきちんとしたり、意識的に話しかけていました。しかし、抗議中は「仕事は仲良しサークルじゃないんだ!」と心を鬼にしていましたけれどもね。
おかげで議論をした分、前より関係がよくなった気がします。なんというか、信頼感が芽生えました。ものを言わない後輩って操作はしやすいでしょうけど、頼りがいはないんじゃないかなぁとわたしは思います。
仕事をしていく上で誰かと意見が合わないのは当然のことと思います。そこをどうすり合わせていくのかが仕事の醍醐味のような気がします。同じ人間ばかりの会社なんて新しいものが生まれる気がしないし、第一面白くもなんともないとわたしは思う。感情的にならずに、「わたしはこの件についてはこう思う」と率直に話したのがよかったのかもしれません。
「空気を読む」なんてちょっと前からよく言われてますけど、空気を読むことでプロジェクトの方向性がおかしくなり、デスマーチに陥ったり、職場の環境がおかしくなったりしませんか? 友達関係なら空気を読むことはとても重要ですが仕事であえて空気を読む必要はあんまりないんじゃないかなぁと最近思います。
欲しいものは欲しいといわなければ手に入りませんよね。以前うつになりかかったことがありますが、うつになる人は、他者に評価を預けてしまう人が多いそうです。今回の件でやっと依存体質から抜け出せたかな?なんて思ってます。
それにしても組織に属していると何を考えているにせよ、発言権がないと自分の思っていることってなかなか認められませんね。いままで出世したいなんて思ったこともなかったけど今回のことで「早く出世して発言権を手に入れたい」なんて思ってしまったり。
まぁ、権限がないから好き放題言いたいことが言えるわけでもありますが(笑)。
余談ですが、わたしの知り合いにもいますよ~。休日出勤が月に6日、毎日12時超え、頻繁に徹夜、なんて仕事をしているのに(しかも女性で)給与明細に残業が30時間しかつかない部署の人が。
「ありえない!!」なんてどんなに言っても、「うちではみんなそうだし……」なんてそれが当たり前でなんとも思ってないような顔をしています。
実際彼女から愚痴を聞いたことはありません。わたしには理解できません。もし総務がそういう人をわざわざ選んで入社させて配属しているとすればかなりやり手な人事でしょうね。