「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

知的エンジニアライフの方法 (1)生き方

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■知的エンジニアライフとは?

 中学生の頃、父親の書棚から「知的生活の方法」という新書版の本を借りて読んだことがある。そしてその本は、その後のわたしの行動規範に大きな影響を及ぼすことになった。

 「知的生活」というと、研究に明け暮れる学者や思索に没入する哲学者などを思い浮かべてしまいがちだが、この本のテーマはもっと親しみやすいもので、「知的好奇心を満たすことを最優先させるライフスタイル」というようなものだった。

 わたしたちエンジニアにとって、これはなんとも魅惑的な響きではないか!

 そこで、わたしはエンジニアにとっての知的生活、つまり「知的エンジニアライフの方法」をテーマに書いてみようと思い立った。いつもの通り思いつきのままに書くので、どのくらいの頻度で書いて、全体がどのくらいのボリュームになるかは自分でも見当もつかないが、気長にお付き合いいただければありがたい。

■それは「好奇心駆動」なライフスタイル

 さて、わたしが「知的エンジニアライフ」という時、それは知的好奇心を満たすことにもっとも重きを置くエンジニアのライフスタイルということになるわけだが、これをもう少しエンジニア的な表現で言い直してみよう。

 「好奇心駆動」というのはどうだろう。Curiosity-Driven。好奇心はネコを殺すそうだが、エンジニアは好奇心を失うと死んでしまう生き物だ。

 死んでしまうというのは大げさだが、少なくともエンジニアとしての輝きを失うのは確かだ。そんな例をわたしはいくつも見て来た。そういう意味では、「好奇心駆動」はエンジニアにとってもっとも重要な行動規範の1つと言えるだろう。

 わたし自身は、その行動規範を中学生の頃に、ITとはまったく関係のない書籍を読むことで得た。思えば、わたしのエンジニア的な素養の出発点は、そこだったのかもしれない。

■「働く」のではなく「生きる」

 ところで、ここでわたしが「生活」や「ライフ」という言葉を使っていることに注意して欲しい。エンジニアとしてどう働くかではなく、どう生きるか。それが問題なのだ。

 職業を選ぶとき、多くの人はそれを単に、収入を得る手段を選択しているだけだと考える。しかし、それは非常にもったいない話だ。本当は、それは自分の人生を選択していると考えるべきなのだ。

 学校を出てから定年退職まで約40年もの年月。24時間を仕事とプライベートと睡眠を三等分したとして、月曜から金曜までの平日の1/3もの時間を収入のためと割り切って過ごすのは、あまりにも不毛ではないか。実際には、残業や通勤時間も含めると1/3以上になるだろう。

 仕事の時間と眠る時間は自分のコントロールが効かないものとしてあきらめてしまったら、残りの時間は、たった1/3だ。それとも、楽しみは定年退職後の第2の人生までお預けということか。それにしたって犠牲にするものが大きすぎるのではないか。

■エンジニア的に生きる

 何よりも、単なる収入の手段と割り切って働いていては、そこからプロ意識というものは生まれて来ない。結局それは、自分の時間を売って金に換えているだけなのだ。

 それに対して、プロあるいは職人と呼ばれる人たちは、自分の人生をスキルの向上に捧げている。すべての時間はそのために使われる。そうやって手に入れたスキルが生活の糧となるのだ。

 とは言え、本当に100%の人生を自分が選んだ職業に捧げられる人はあまりいないだろう。わたしだって、そんな完璧な状態からは程遠い。しかしこのIT業界は、わたしの知的好奇心を刺激するものが次から次へと現れて、わたしを楽しませてくれる。ここが重要なところだ。

 ストイックに道を追究するのは難しいが、楽しむことなら簡単にできる。せっかくエンジニアを職業に選んだのであれば、エンジニアとしての人生を少しでも楽しく過ごしたいではないか。

 では、わたしたちエンジニアがエンジニアとしての生活を楽しむためには、いったいどうすればいいのだろうか。エンジニアとして起床し、エンジニアとして食事をし、エンジニアとして歩き、エンジニアとして電車に乗る。生活の中に、エンジニア的なエッセンスを取り入れるには、どうすればいいのか。

 次回からは、そういったエンジニア的な生き方について、具体的に考えてみよう。

Comment(3)

コメント

仲澤@失業者

自分もエンジニアなのですが、あんま意識したことないですね、
「エンジニア」的セイカツってやつは。
台所とコタツと枕元にPCがあるとか、廊下なんかに普通にチップ抵抗が
転がってるとかでしょうか(痛いし)。ど~なんでしょう。

いずれにせよ、
「セイカツ イチバン ITニバン」と、どうおりあいをつけるのか。
うぅむ。早く続きが読みたいっ。

onoT

台所にPCってスゴいですねw
そういう方向を期待していらっしゃるとしたら、ごめんなさい、ちょっと期待はずれな内容になるかもです。。。

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