「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

われても末に、あわむとぞ思ふ

»

■世界は2つ

 ヒトは二元論が好きだ。そういうヒトは、とかく世界を2つに分けて考えたがる。白か黒か。善か悪か。敵か味方か。好きか嫌いか。

 ましてや日頃からビットに親しんでいるエンジニアときたら、ホントに何でも分けるのが好きだ。onかoffか。あるいはyesかnoか。またはtrueかfalseか。もしくはフラグが立っているか立っていないか。

 エンジニアの日常は、さまざまなフラグのon/offの集積の上に成り立っていると言えるだろう。夕方になれば残業フラグが立ち、夜になれば徹夜フラグが立ち、それが3日も続けばデスマフラグが立つ。まぁ、そういう話は置いておいて……。

 それでは、今日はエンジニアを二元論的に分割してみよう。

■エンジニアを2つに分けてみる

 エンジニアには2つのタイプがある。なんやかやと理由をつけて新しいことに尻込みするタイプと、なんやかやと理由をつけて、なんでもやろうとするタイプだ。

 言い換えると、石橋を叩いたあげくに渡らないタイプと、石橋を渡れるかどうか調査するために叩いているウチに、気が付いたら橋の向こう側に着いてしまうタイプだ。彼らは、見た目は同じように川の向こう岸に行こうとして橋を調べているように思えるが、実はそうではない。前者は最初から川を渡る気はないし、後者は最初から渡ると決めている。

 みなさんの周りにもいるだろう。技術的な未成熟さを理由に新しい技術の導入に反対するヒトと、面白そうだからと率先して研究検証して周囲にも情報を開示し、導入推進のために走り回るヒト。

■エンジニアに向いているのはどっちだ?

 この様な2つのタイプを並べると、おそらく多くのヒトは、わたしがどちらか一方、それもたぶん後者の方をエンジニアに向いているタイプだと結論づけると考えたのではないだろうか。しかし、話はそれほど単純ではない。

 ビットでもフラグでもいいのだが、on/offについてもう一度考えてみよう。onとoffは、お互いがお互いを必要としている。onだけでは何も表せないし、offだけでも何も表せない。両方の概念を対比させることによって、はじめて価値が生まれるのだ。

 0と1は、どちらか一方だけでは不完全なのであって、両方が整然と並んでそれぞれの役割をこなすからこそ、0と1だけで世界のすべてを表現することが可能となる。お互いの存在が相互補完的に絶妙なバランスで支え合っていると考えることができる。

■二元論は対立軸ではない

 つまり、2つに分けたタイプをそれぞれが対立するものと考えるのではなく、協力しあって完全なものを目指すべきパートナーだと考えなければならない。onとoffがペアで完全体となるように、プロジェクト内の保守派と革新派は、両者が議論を戦わせながらも協力しあうからこそ、より良いシステムを創り出すことが可能となるのだ。聖徳太子以来の、日本の古き良き伝統。「和を以て貴しと為す」だ。

■世界は2つで1つ

 この様に、敵を作るために分けるのではなく、相互補完しあうパートナーを作るために分けるのだという意識を持とう。0だけではダメ。1だけでもダメ。世界は2つで1つなのだ。

 すべてのプロジェクトメンバーは、同じ目的を達成するためのパートナーなのだから、途中で意見が割れても、最後には手を取り合ってゴールしたいではないか。

Comment(5)

コメント

あたしゃ「命綱を腰に巻き、とりあえず(叩きもせんと)渡ってみる」
安全を確保した上で無茶をやるです^^;

onoT

おぉ、なるほど!
それは安心してスリルを味わえる理想的な渡り方ですね!!

がると申します。

個人的には…まず「その石橋から落ちたときの損害状況」を把握します。
それが軽微なら(高さが低くて、その下には浅い下流の川が流れていておぼれる心配も皆無な、夏日)、ずかずかとわたります。
危なそうなら…「他人をフォローできる程度の危険度」なら、誰か弟子を一人二人一緒に巻き添えにして、色々と「体で理解する」教育をします(笑
本気でやばい危険度なら、単身全力で特攻します。

あとは「石橋を渡ったときに得られるメリット」と「無事にわたれる確率予想」あたりから、そろばんを弾く感じですかねぇ。

仲澤@失業者

目をつぶれ、息を止めろ、鼻をつまめ。
ここが橋だ。ここから飛べ。
・・・ってな感じだったかもしれませんねぇ。

どっちかというと渡っちゃうほうなんですけど、
いつも誰かにどづかれ続けてた感があるのはなぜだろうね。
・・・主体性ぜろ? orz.

onoT

>がるさん

「本気でやばい危険度なら、単身全力で特攻します。」に、思わず吹いてしまいました。まぁ、いずれにしてもそろばんをはじくためにしっかりリサーチすることが肝心ですよね。

>仲澤さん

なるほど、そのパターンも確かにありますね。その場合は、腹を決めて渡るか、逃亡するかの二択になりますか(^^;

コメントを投稿する