「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

リストラティブ・マネジメントのすすめ

»

■リストラ? いえいえ、リストアー

 先日、リストラティブ・ヨガのワークショップに行ってきた。多くの日本のビジネスパーソンにとって、「リストラ」という響きは少々マイナスなイメージを喚起させられるものだが、ここでいうリストラティブは「元気を回復させる」という意味のrestorativeだ。

 最近はメンタルヘルスがクローズアップされているとはいえ、未だに多くの職場では「元気を失わせる」、「委縮させる」、「やる気を削ぐ」、「魂を抜く」ようなマネジメントが横行している。今回は、リストラティブ・ヨガのワークショップの体験から、「元気を回復させる」マネジメントのヒントを探ってみる。

■カスタム・メイドで極楽へ

 このヨガは、まさに日頃のストレスから解放してくれる優しいヨガだ。 例えば、円筒形の固い抱き枕のようなボスルターと呼ばれるモノを、四つん這いになって抱え込み、そのまま10分間じっとしているとか。逆に、ボルスターの上に仰向けに寝転がって10分間じっとしているとか。ひとつのポーズに10分間とどまって、そうやって自分の重さでじんわりと筋肉をほぐしていく。それがこのヨガの特徴となっている。

 ところで、筋肉や関節の固さは人それぞれだ。だからインストラクターは、参加者1人1人の状態を確認しながら、たくさんのブランケットを使って身体の各部位のポジショニングを調節して、一番ラクな状態に保ってくれる。参加者は、自分の身体の中で違和感のある部位に意識をフォーカスし、心地よさを感じるポジションを探る。

 室内にはアロマと音楽が満ちている。さらにインストラクターのマッサージまで入ったりする。これはかなりヤバい。気をつけないと、よだれをたらしてぐっすり眠ってしまいそうになる。そうやって、普段は緊張しっぱなしの筋肉をゆるめたり、のばしたりして、疲れきった心身を回復させてくれるのだ。

■足してもダメなら引いてみな

 われわれは何かうまくいかない時には、ついつい、「努力が足りない」とか「気合が足りない」とか、何かが不足しているからダメなのだと思いがちだ。だから、自分にも鞭打ち、部下も叱咤激励して、これまで以上に頑張って現状を打破することばかり考えてしまう。もちろんそれが最善の方法となる場合もある。しかし、別の方法もあるということを、リストラティブ・ヨガは思い出させてくれる。そう、足してもダメなら引いてみればいいのだ。

 たまりにたまった疲労やストレスから解放し、重くのしかかるプレッシャーを取り除くことによって、心身共に回復すれば、自分が本来持っている最大限の能力を発揮できるようになる。スポーツ選手が「ゾーンに入る」ことができるのは、そうやって自分のコンディションをベストな状態に回復できるからだ。

■ゆるい管理ではなくて、ゆるめる管理が必要

 われわれの現場では、人手不足などの理由によって、管理者自身もプロジェクトにどっぷりと浸かってしまい、ついつい管理がゆるくなってしまうことも多い。

 「ゆるい」というのは「何もしない」ということだ。そうではなく、個々のメンバーをしっかりと見て、問題点とじっくり向き合って、積極的に「ゆるめる」。そんな、きめ細かいカスタムメイドな対応が必要なのではないだろうか。

 そんなリストラティブなマネジメントを、みなさんの職場でも取り入れてみてはいかがだろうか。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する