「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

ミニマム・チーム開発

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 オンラインゲームといえば、パーティーを組んでさまざまなミッションをクリアするという、スタンドアローンのゲームでは味わえないチームプレイが醍醐味だ。私も以前は毎晩のように夜遅くまで遊んだものだ。。。

 ところが、GDC Expo 2011(サンフランシスコで3月2日から4日までの3日間行われた、ゲーム開発者をターゲットとしたイベント)では、MMOをソロでプレイするヒトをテーマにしたセッションがあった。

 どうやらそういう人々が最近は増えていて、ゲームをデザインする際にも、広告する際にも無視できないポイントになっているらしい。

 一人で遊ぶならわざわざオンラインでやる必要などなさそうなものだが、現実社会の一部であるネットの中には現実が投影される。だから現実社会と同じように、周囲から距離を置く人々が一定数いても不思議ではないというのが私の感想だ。

 距離を置くというのが、実は彼らの社会との関わり方で、だからこそ社会学者の研究の対象にもなるし、GDC Expoのセッションのテーマにもなるし、ニュースとなってお茶の間の話題になり、私のコラムネタにもなるわけだ。

 おっと。いきなり脇道にそれてしまった。今回のネタはこれではなく、チーム開発の話を書こうと思っていたのだった。では、気を取り直して

 MMOをソロでプレイできるように、実はひとりでもチーム開発はできる。

 というか、ひとりで作っているときでさえ、実はチーム開発をしているのだ。

 というのが今回言いたかったことだ。

つまり、どんな小さなツール開発でも、それを利用するユーザーと開発者とのコミュニケーションが必要であって、それは立派なプロジェクトチームなのだ。

 違う、違う!

 そんなことが言いたいわけじゃない。

 私が言いたいのは、文字通り、ひとりでもチームは組まれているということだ。

 我々は常に、最低3人のチームで開発をしているのだ。メンバーを紹介しよう。

  1. 過去の自分
  2. 現在の自分
  3. 未来の自分

 ほら。3人いた。

 半年前に書いた自分のソースが理解できないヒトは、過去の自分と現在の自分とのチームプレイがうまくできていないってことだ。コメントは後で書こう、と思いつつ、結局書くのを忘れるヒトは、未来の自分への報告を怠っているわけだ。ソースコードやコメントに限ったことではない。ドキュメント全般についてもそうだし、技術調査についてもそうだし、ブックマークひとつとって見てもそうだ。

 ほんのひと手間かけてタグをつけておけば後で楽なのにそれをしなかったばかりに、必要な情報を探すのに一苦労してしまったり。そんなに苦労するならブックマークする必要などなくて、後でgoogleで探した方が早かったと嘆いたり。あぁ、それは私のことだ……

 普段は自分の中にいる3人のメンバーを意識することはあまりない。だからメンバーとのコミュニケーションの必要性も意識できない。

 しかし、まずは自分の中に3人のメンバーがいることを意識してみよう。

 過去の自分は、未来の自分に分かりやすく伝えることに注意して、現在の自分は、過去の自分の成果物をレビューして、未来の自分の為により一層ブラッシュアップして……

 中国の古典、『大学』でも、「国を治めるにはまず家族を、家族を治めるにはまず自分を……」みたいなことが説かれている。

 同じように、チーム開発の本質も自分の中にある。まずは自分の中で、ミニマム・チーム開発を心がけるところから始めてみよう。

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