エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

【90】データを鵜呑みにするエンジニアは騙されやすい

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こんにちは手塚規雄です。

ITのエンジニアは論理的思考が得意と言われています。自覚がない人が多いのですが、他の職業の方に比べて職業病のように論理的思考を行っています。だからこそITエンジニアは論理の裏付けとなるデータを欲しがる人、根拠にする人が多い気がします。

しかし世の中には都市伝説のようなデータが存在します。でもそのデータはどこから出てきたものなのか?それを信用していいのか?そんな話についてです。

 

企業の生存率、つまり設立して1年後に生き残っている割合は知っていますか?

1年後には4割の会社が解散・倒産しているようです。そんな話を聞いた事ありませんか?だから独立したり、起業するのは難しいなどと言われている原因のデータです。弊社は現在4期目にいたり、3年後の生存率は38%でだいたい3社に2社は無くなってしまうのですが、残りの1社側になれて嬉しい限りです。でも、この手のデータや話は有名なのですが、誰が調べたのか?という出典元を知っていますか?

 

Google先生に聞いてみるとどうなるのか?

ネットで会社の生存率について検索するとデータの話はあっても、また聞きのような話もあれば出典元も出している人もいます。先ほどの企業の生存率に関するデータは3つありました。

・1996年日本経済新聞調べ(1年後:60%、3年後:38%、5年後:15%、10年後:5%)

・2005年の国税庁調査(5年後:15%、10年後:6.3%)

・帝国データバンク(10年後:70%、20年後:50%)

それぞれで調べ方が異なっているので違う結果になっていました。ちゃんとした調査があるデータでも調査方法が違えば結果も変わるので、自分が得たい内容と合致しているかどうかは違う可能性があるかもしれません。ちなみにこの手のデータは他にもあるので色々と調べてみるとぜんぜん違う一面が見えてくるかもしれません。

 

中立的なデータというのがない理由

データを元に話を展開する人は、自分の話にあったデータを探して提示しているのでそもそも中立的なデータというのは難しいです。調査方法、調査結果は中立なのかもしれませんが、使う人によって印象が捻じ曲げられてしまう事なんていくらでもあります。

例えばさっき私がやった会社を作って3年以上経った話。一応、凄いでしょという形で話しましたが、帝国データバンクの方のデータを使うと全然凄くないのです。それを隠して話を展開しているなんてどこにでもある話。

そんな風にデータがあるから、思考停止になって信じてしまうというのは話し手にとって非常に都合のよい聞き手になってしまいます。

 

実はITエンジニアは騙されやすい?

データとか過去の事例を求める人が多いIT業界ではありますが、逆に言えばデータや過去事例を適当に持ってきて、話し手の都合の良い論理展開で簡単に騙されてしまう人が多い気がします。

・そんなデータがあるなら信用しても良いだろう

・過去に事例があるなら安心だ

・公的機関からの裏付けがあるなら自信を持ってやろう

そんな風に見せかけの証拠だけで信用してしまい、それで失敗してしまう人が多い。そしてそんな失敗に気がついていない人が多い。そんな気がしています。

個人的な経験で言えば投資での失敗の原因はこんなものばかりでした。過去の実績やデータを何も考えず信用してしまい、最終的に大損してしまったという本当にどこにでもあるような失敗です。他人の話だと「あいつが単に馬鹿なだけ」で片付けられますが、自分自身の失敗をきちんと反省してみると、こんな失敗も出てくると思います。

 

だからこそ、データや実績、事例こそ裏をとって確認しよう。そうしないと様々なビジネスシーンで失敗してしまいますよという話です。ビジネスシーンというのは会社での仕事だけでなく、就職、転職、独立、投資など意外なほど個人の決断ごとのほうが多いからこそ、気をつけていきましょう。

 

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