エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

【53】IT企業なのに紙ばかり、ペーパーレス化はどこへ?

»

こんにちは、手塚規雄です。

私が社会人になって思った事の1つがこれでした。今から10年以上前でしたが、交通費精算が紙に記入してハンコを推して、総務へ提出する。ITを駆使してこういった面倒くさい事を無くしていくのが仕事なのに、なぜ自社はこれなのか?自社も改善しようよ。

こんな事を新人ながら思っていました。そして今はどうなのか?

 

IT化できない企業、IT化しない企業

今でもワークフローシステムなどは無く、紙を使った書類提出というのはごく普通のことです。さらに給与も振込でなく現金支払いというところもあるそうです。どうしても中小企業はこの傾向が強くなります。

身も蓋もないのですが、やっぱりお金が原因です。お金が無いからシステムを作れずに電子化できないのでなく、システム化するより紙のままのほうが安いことが多いからです。何もかも大量な処理や書類を必要とする大企業の場合、システム化してしまうと多分数年で元をとれるのだと思いますが、中小企業の場合はどうでしょうか?

システム化した分のもとをとるには多分10年以上かかってしまう。システム化して10年経つとどうなるのか?もちろんシステムは陳腐化したりOSのソフトウエアのサポート切れになったりして、システムのリプレースが必要になります。それを繰り替えていくといつまで経ってもシステム化の度に損してしまいます。私のような一人法人や家族法人の場合に至ってはどうやっても損しかありません。

つまり費用対効果が良いかどうかでなく、トータルで損してしまうので電子化が進みません。

 

書類の電子化も高い?

個人事業主でも法人でも変わらないのですが、独立すると「請求書」や「領収書」などを作成する機会が発生します。ITエンジニアの場合、月1ぐらいしか書類を作成しません。となるとどうなるのか?

請求書の電子化もできるのですが、電子署名が必要になります。これには電子証明書が必要になるのですが、期間が3ヶ月の手数料が2500円かかります。3ヶ月を超える場合には3ヶ月毎に1800円加算した額になります。1ヶ月833円の費用がかかるのですが、10通以上の郵送がなければ紙で郵送したほうがやすい計算になります。そのためどうしても、紙で郵送という選択肢を選んでしまいます。

物凄く細かい金額でケチっていると思われるかもしれません。でも労力がほとんど変わらなければ安いものを選んでしまうのは必然です。

 

IT化できないために根強く残る文化は他にもある

法人化して固定電話の次によく聞かれるのはFAXでした。固定電話は諸事情により設置したのですが、FAXはどうしても必要性がありませんでした。そのためいまだ設置していません。しかし何かと法人会員など登録しようとすると「FAX有無」を聞かれ、無いと答えると嫌な顔や雰囲気になります。フォーム上で必須とされている場合には諦めています。これも逆に考えてみるとメールをしない方々にとってはFAXほど楽で安いものはないのでしょう。

そしてFAXといえば電子化された書類をわざわざFAXにして送るサービスも数多く存在します。本当はメールで送りたいけど、相手がFAXしか持っていない。またはIT音痴である。だから仕方なくこのようなサービスを使う企業も中小企業などでは多いようです。

 

日本企業のIT化が遅れているのはエンジニアが原因?

IT業界にいると、ほとんどの企業はIT化なんて完了している。そんな風に思っている人も多いかもしれません。でも現実には会社の業務をIT化している企業なんてまだまだ一握り企業のみです。

企業のほとんどがIT化しないのは理由、それはシステム構築には大金で、費用対効果が得られないから。でもその原因はITエンジニアの給与が高額だからとも言えます。ブラック企業問題や長時間残業の問題などはありますが、やはりITエンジニアの給与は平均より高いです。

 

その恩恵を受けている私はシステム化が進まないのは自分たちの給与、報酬のせいかと思うと、複雑な思いになります。もちろん安価なクラウドサービスなどを展開している企業に関わっている方々は逆に推進しているのですが。これもどちらが良いというより一長一短の話ですけどね。

Comment(3)

コメント

仲澤@失業者

老人プログラマの仲澤です。
「かみを見放せず」ですか。書類の保管場所のコスト(地代)を考えると、
地価の高いところだと結構な金食い虫のような気もしますね。
もっともこういった隠れたコストは算定外なのかもしれません。
自分的にはペーパーレス化はじみに進んでます。
最近は新聞も漫画もスマホやタブレットで読みますし、
そういえば、カラーレーザープリンタも(結構高価だったのに)
とんと使ってませんねぇ(笑)。

ところで自分の名刺は、メールアドレスだけ記載して、電話番号も住所も
入れてません。連絡はメールのみでお願いしますってこともありますが、
始めた当時はメールぐらいは持っててくださいという無言の圧力の意味もありました。
もっとも、前世紀の終盤頃はアドレスをお持ちでない方も結構いて、
そういった方には名刺に(当時は珍しかった)携帯の番号を手書きで
渡すという「とほほ」なこともやってました(とほい目)。
努力の結果ではありませんが、最近はけげんな顔をされなくなり、
ほっとしているしだいです(vv;)。

h

私の勤め先はコスト面ではなく意識的?個人的?な理由で紙が残っています。
建設業なのですが、給与が低いせいか知りませんが社内の交際接待費使用についてはおおらかな雰囲気があります。
それらの経費申請時にIT化されていると、以前の申請データを再利用してポチポチで済んでしまうというのを避けたいらしく、
自分で使った分はちゃんと意識して紙に一から書けという意味で残しているそうです。

IT化されたワークフロー自体は既に存在しているのですが上記の理由で紙が残り、
個人に関係しない月次請求や支払等ではワークフローが利用されています。

arachan

請求書発行、納品書発行のWebサービスがあるようです。
べらぼうに高い構築費用が掛かるわけでもなく、
中小企業でも使いやすいと思いますが、
そういったWebサービスを活用するのも一つの手なのかもしれません。

相手が移行してくれないというのも結構ありますよね。
FAXを殺してやりたいのですが、
なかなかそうもいかず、FAXサーバーのエラーログを眺めております。

コメントを投稿する