エンジニアでいかに稼ぐか?学校や会社では知ることができなった体験、経験を綴ります

【47】長時間の残業で得られる数少ないメリット

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こんにちは、手塚規雄です。

最初に断っておきますが、私は長時間の残業は否定派でこの世から消え去って欲しいと心から願っています。そして私自身は今では可能な限り残業しないようにしています。

 

最近改めてよく感じる事が「人間万事塞翁が馬」です。人生における幸不幸は本当にわかりません。

・仕事で失敗したと思えば、1ヶ月後に大失敗する前に気がついた小さな失敗で良かった。

・思わぬ成功がありあぶく銭を稼げた!と思って調子に乗って半年後に大損をした

・大失敗をして人生どん底だったけど、数年後にはその経験が笑いのネタになる

などなど色々な事があります。その中でももっとも大きく感じたものが残業です。

 

残業月100時間はやっぱり異常な状態

私はサラリーマン時代、かなり残業が多かった方です。もっともひどかった時で月平均の残業が100時間、その状態が1年間も続いていました。もちろん私より残業していた人もいますし、それを自慢したいわけでもありません。

当時の事はハッキリ言ってあまり覚えていません。本能的に思い出させてくれないようです。覚えているのは割と本気で「隕石でも落ちて会社休みになってくれねーかなあ」「お金払うから休みください」とか言っていた事ぐらいです。とにかくひどい状態だったので、身体を壊す人、精神的に病んでしまった人、会社を辞める人もかなりいました。そんな中でもプロジェクトの完遂と締切厳守が絶対だったので、気が狂ったように毎日働いていました。もちろんこんなプロジェクトではリリース後もバグが大量に発生し、納品後に安息の日々が訪れるまで数ヶ月かかりました。さらに安息の日々が訪れた後に聞いた噂は、多くの人がこの業界を様々な理由で去ったという嫌な話ばかりでした。

炎上したプロジェクトなんてどこにでもありますが、想像どおり、噂通り、いいコトなんてありません。

 

残業地獄が終わった後に個人的に得たもの

残業代が最初に思いつきますが、もちろんそれも得たものの1つです。お金より価値のあるものを得ました。それが経験です。

通常、1日の勤務時間は残業なしで7.5時間~8時間。そのため月の勤務時間は150~160時間になります。月残業100時間。これは残業ゼロの人に比べて1.5倍以上働いている状態です。そんな状態が1年間も続くと経験も1.5倍得られます。しかも私は入社2年目に経験してしまいまいした。そうなると他の同期にくらべて仕事ができるようになっていました。同じ職場の同期同士では差はありません。しかし他の職場、他の会社の方と比べるとそのように評価をされていたようです。

また炎上したプロジェクトを1度でも経験した人は炎上しそうなプロジェクトかどうかを雰囲気でわかります。炎上する要因は大きく2つ。仕様が不明確、もしくは見積もり(受注額)と開発規模の差が大きすぎる、そのどちらかです。それを雰囲気だけでわかるようになりました。あとそんな話を振られるという事は自分に「火消し役」になってくれ!とう依頼の前ふりでしかありません。「火消し役」になる人は過去にその経験がある人。良く言えば頼られる存在、悪く言えば火消し役をやり続ける負のスパイラルに陥っている。迷惑な話ですが、おかげ様で炎上プロジェクトは何回も経験し、経験値だけは本当に多く得られました。

 

経験をどこに活用するのか?

フリーになってからは案件選びの時にこの経験が活きていると感じています。まず炎上しそう、もしくはそんな雰囲気のプロジェクトには近づきません。

また炎上したプロジェクトを経験して無茶ぶり対応能力が身につきました。例えば今週のコラム「ハローサマー、グッドバイ(11)探知不能」最後は笑えるけど笑えない。炎上したプロジェクトに求められるのは

「出来るかどうかでなく、やれ!そしてなんとかしろ。」

そんなの出来るか!と思いつつ、何とかして、出来てしまった日々を思い出します。炎上したプロジェクトのソースなんてしょうもないバグばかりから。リーベルGさん自身もそんな経験をしてきたのではないかと推測してしまいます。今までのコラムを読んでいてもそう思います。

あと、人生の崖っぷちに強くなったようです。これは実感がまだありませんが、ある友人に言わせれば

「多くの人は人生の危機、または土俵際に追い込まれてしまうと意外なほど簡単に諦めてしまう。諦めずに最後の最後まで踏ん張れる人はあまりいないよ。」

そんな事を言っていました。

 

多くの経験が得られる残業ですが、やはり推奨できません

残業することで単純に仕事をする時間が増える。そのおかげで多くの経験を得られる。しょせんキレイ事に過ぎません。残業しないほうがライフワークバランス的に良いし、長時間の残業は身心に悪影響しか与えません。残業100時間を数ヶ月続けてできる人は私も含めて頭に必要なネジが何個もぶっ飛んでいるような人だからです。

ただ、「人間万事塞翁が馬」なのでその瞬間は悪いと思っても後々になってメリットに転じることもあるという事です。もし運悪く長時間の残業をする事になっても前向きにとらえましょう。そのまま仕事をやり続けて経験を得るもよし。それをキッカケに会社を辞め、「逆にやめるキッカケを貰えてよかった」と思うもよし。

何事も馬鹿正直に前向きにとらえたほうが人生が楽しい、運がいいとか思えるようになります。

Comment(7)

コメント

elcaminoreal255

そう思います。決して推奨はできないのですが、あらゆる自体に対処する能力を身につけるためには若いうちに1、2回経験しておくのは悪いこととは限らないとおもいます。

fuga

人を使う立場から言わせてもらうと、残業を厭わない人間は「便利」なんだけど
無能の割合が高い。
どこかに有能で従順な人はいないものかw

みー

15年ほど前にYマダ電機にいた頃は9時出勤23時退社。残業代は一切支払われず22~23歳で交通費込み手取り15万ちょい。地下鉄の最終を逃す事もままあり、深夜料金のタクシーで8000円払って帰宅。一日あたりの給料は帰りのタクシー代で赤字でした。みんな辞めて行きましたねぇ。

shidanko

残業は百害あって一利なしです。メリットがあることに同意しないです。

こちらは先々月、月残業時間130時間を超えた代価は
視神経乳頭陥凹拡大になってしまいます。
それは視野(見える範囲)が狭くなったり、物を見る力が障害されたりする病気ということです。
治療をうけても元の視野に戻れないそうです。
酷くなれば、目が見えなくなりますよ。

どうなメリットの経験を得たとしても健康にまさることがないと思います。

ばしくし

残業自体は、決して悪いものではありません。
過剰な残業、不当な残業、ストレスを加える残業こそが問題です。

心身が壊れず、プライベートも壊れず、ストレスにもならず、有用な技術やスキルが身につく残業であれば
その残業は、当人にとって貴重な財産になると思います。

派遣技術者

時給制で働いてる人間からすれば
収入増やすには残業時間増やすのと、契約更新時の時給値上げ交渉しかないので
残業やれることは案件選びの大事な指標のうちの1つですね。

『定時で仕事上がれ』だなんて案件では、家賃が払えない。

残業代は大事です。

Jitta

残業が増える→利益が下がる→評価が下がる→給料が上がらない
主任から「残業少ないから評価低いで」と言われた次の日、課長から「残業すると利益下がって評価も下がるから、残業しないでね」。どうしろと…

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