データ移行のプレッシャーに負けるな!
データ移行作業の緊張とストレスについて書いたコラムは意外に少ないので、今回はデータ移行について扱ってみます。事前検証は十分に必要ですが、時間がかかる作業です。やはり移行中、移行後のトラブルはつきものですよね。
■サーバ仮想化は、データ移行という観点からも有利だ
マシンの保守期限終了、ソフトのバージョンアップ、新システムへの移行などの理由で、「旧マシンから新マシンへのデータ移行」というやっかいな課題が必然的にやってきます。この課題は、
- 移行前のデータと移行後のデータで、データの狂いあるいは取りこぼしがあってはならない
- 移行の間、ユーザーはシステムが使えないので、移行および移行後の検証は、決められた時間内に終わらせなければならない
- 移行がうまくいっても、新システムで運用を始めると不具合が生じる可能性が高い
という非常にシビアな制約があります。特に移行後の不具合については、新しいバージョンのソフトのバグによる不具合もありえます。
データ移行を行ううえでは、手順書を書き、事前に検証を行い、ソフトウェアの製造元とのコミュニケーションを密にとりましょう。データ移行の検証はとても時間がかかるので、本番移行に見切り発車してしまうことがありがちです。
Windowsのファイルサーバの移行程度なら、移行ツールを用いなくても、バックアップテープからリストアすることでデータ移行できます。ここで注意しなければならないのが、バックアップソフトがアクセス権までリストアすることができるかどうか。Windowsには、アクセス権制御にセキュリティと共有というものがあります。セキュリティについてはリストアできても、共有についてはリストアできないものがあります。共有の設定を短時間で行うには、net shareコマンドの利用やリソースパックの利用する方法もあるそうです。
SQL Serverの移行はバックアップからリストアするほうが好きなんですが、古いDBサーバからデータベースファイルをアタッチする方法もありだと思います。データベースの数が数十以上になると、リストアで移行するにはTransact SQLで処理しないとしんどいです。
仮想サーバ上でサーバ構築をしているならば、マシンの保守期限切れの場合は、イメージバックアップから新マシンにリストアすればよいので、リスクは少ないでしょう。仮想マシンは実機に比べ、すべて同じ手法で仮想マシンの移行ができるという点でも優位です。管理コストだけでなく、データ移行という観点からも、仮想サーバの導入は望ましいことです。
■気苦労が多いデータ移行
新しいシステムを構築するなら多少の苦労は気になりませんが、現状のサーバスペックは十分に余裕がありますから、ちょっとしたレスポンス向上以外の投資効果しか望めないといったことが多いです。それなのに、データ移行で苦労するなんて馬鹿げてますよね。それでも、失敗したら企業の業務に大きな支障をきたすので、状況は深刻です。ユーザーから見ると完全にできて当たり前、システム屋さんからするとユーザー業務に影響を与えないように細心の注意が必要。本当に割に合わない作業です。でも、それを乗り切らないと、障害が起きた場合にハードウェアやソフトウェアのサポートがなくなるので、深刻な事態になるわけです。
プレッシャーに負けないように、日ごろから適度な運動をしたり、自分なりのストレス解消法を持ったりすることも大切だと思います。何らかのメンタルヘルス法を実践してみるのもありだと思います。でも失敗するかもしれないという恐ろしい悲観から逃れるには、アルコールが一番かな?