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2020年5月の読書メモ:文系エンジニアのための統計学入門

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みなさま、おはようございます。Kyonです。

毎日コロナウイルスに関するデータをたくさん目にするようになりました。発症率、陽性率、死亡率、外出自粛率等など・・・。その数字は何を意味しているのか、何と何を割ったものなのか、元データはどういう取り方をされたのか、どれぐらい有効な数字なのか。

昨年ぐらいから、そういったデータやそれらの分析手法が面白いなと感じるようになり、統計学を勉強し始めていました。このような事態になって、数字を読み理解するための知識の必要性を痛感しております。

ということで、統計学どころか数学がさっぱりな私が統計学の入り口に立つために読んでみて良かった本をまとめて4冊と資格1つを紹介してみます。

目指すゴールと対象読者

目指すゴールは、統計学と銘打った本に書いてあることが理解できる状態、もしくは書いてあることはすぐにはわからないけど調べたら理解できる状態です。

全く統計のことを知らない状態では、書いてあることが理解できないだけでなく、調べようと思ってもどうやって調べたらいいのかわからないと思うので、調べられて理解できる状態も含んでいます。

対象読者は、それぞれの項目で書いている通りです。付け足しておくと、高校までは数学の勉強してきた(科目として履修はしてきた)けど、今となっては数学はさっぱりという私みたいな方。または、昔はちゃんと数学の勉強してきたけど、最近は遠のいているような方。

タイトルに"文系エンジニア"と書いていますが、文系でなくてもいいですし、エンジニアでなくてもいいです。

数式はいいから統計分析の手法を知りたいアナタへ

『新版 文系でもわかる統計分析』(須藤康介/古市憲寿/本田由紀)

私はまず、この本をさらっと読みました。

この本は難しい数式はすっ飛ばして、調査結果を見た上で、「こんな分析がしたい」「○○と△△の関係を数値化したい」という分析のニーズに応えていくというスタイルです。

使用しているソフトは統計用のSPSSというソフトですが、これは無くても支障はありません。「SPSSで操作するなら、こうします。」程度なので、そこはさらっと流して、本文を読み進めることができます。

この本で、統計分析の手法を体感してもらえると思います。

細かいことはいいから、ざっくり統計学をつかみたいアナタへ

『大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる』(倉田博史)

『新版 文系でもわかる統計分析』を読んで、「統計分析ってこんなことするんだ」となんとなーくわかったところで、もう少し範囲を広げて、統計学の全体をざっくり見てみます。

見開き1ページで1つのトピックを扱っているので、通勤時間やお昼休み等、ちょっとの時間にテンポよく読み進められます。

データの読み方から始まり、相関、推定、回帰分析まで、とりあえずの統計学を把握することができます。

同じシリーズで、『[図解]大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる』(倉田博史)もあるので、こちらも参考になるかもしれません。

標準偏差とか相関とか理解したいけど、数学難しくてわからんというアナタへ

『この1冊で腑に落ちる 統計学のための数学教室』(永野裕之/岡田謙介)

統計の本を読むだけでもある程度の知識は身につくと思います。でも、もっと深く理解したいと思ったら、数学の知識の補強は避けては通れない道です。手っ取り早く、統計に関係する分野の数学の知識だけを補うことができるのが、この手の本です。

私がこの本を選んだ理由は、統計のトピックに対して、数学のどの項目を理解していないといけないかを明らかにしてから、数学の解説が始まるところが気に入ったためです。「なぜそれを勉強するのか」を知った上でないと、定着しにくいという私の仕様にマッチしたから。

この本でようやく平方完成の意味が理解できて、2次方程式の解の公式を証明できた時は感動しました。数学ができなすぎて文系選択した高校生の私に教えてあげたい。。。

おまけ情報ですが、現在の高校数学の数学Ⅰに「データの分析」という単元があって、四分位数や標準偏差の計算があるので、高校数学Ⅰの参考書でも入り口ぐらいまでなら参考になります。中古で問題集を買って解いているのは私です、今さら数学たのしい。

勉強したという客観的な証明がほしいアナタへ

『改訂版日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析』(日本統計学会)

統計検定という試験があります(詳しくはコチラ)。

レベルは、4級から準1級、1級までと、統計調査士、専門統計調査士、データサイエンス基礎、データサイエンス発展及びエキスパートと種類は豊富です。大学で基礎的な統計の講義を履修して勉強するレベルが2級らしいので、そのあたりまで取得できていたら、「統計を勉強しました」と自信持って言えるんじゃないかと思います(Kyon調べ)。

私みたいな統計ビギナーは、4級のテキストをさらっと読んで、3級を受けてみるのが最善かつ迷子にならないルートです。

公式のテキストはシンプルであっさりした書き方なので、上記で紹介した書籍や他の書籍を使うともっと理解しやすくなります。

・・・とこんな感じで、統計学入門のルートのようなものを書いてみました。誰かの参考になりますように。

また、新しいことをしてみたくなったあなたへ、統計学を学んでみませんか。

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