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Windows技術者がLinuxを学ぶ 後編

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 前回のコラムの後編です。

 「ORACLE MASTER Expert(Linux)」を目指したところまでお伝えしましたが、その後のお話をしたいと思います。

 さて、どうやって勉強しようかな……。

 今回の目標は、資格取得ではなく、あくまでLinuxの知識取得であることを忘れてはいけません。まずは何から手をつければよいのか考えましたが、やはり実際に触って体で感じるのが一番の近道です。実際にLinuxをインストールしてまずは使ってみることにしました。

■Linuxディストリビューション

 Linuxの概要や主要なディストリビューションは日々のニュースからある程度は理解していました。どのLinuxを選ぶと考えたとき、僕は「Oracle Enterprise Linux」を選択しました。Oracleが提供するLinuxディストリビューションだったからです。Red Hat Enterprise Linux互換であったのも選択した決め手の1つでした。

 以前の日記でも書きましたが、僕は既婚者であるため家より会社で勉強する時間が圧倒的に多いこと、また自宅のPCは5年前のノートPCのためデータベースの構築は難しいという理由から、会社での勉強というスタンスで今回は勉強することにしました。

 会社では余分なPCを準備することもできないので、今回は「Virtual PC」を利用しました。ここからは、初音玲さんのページがとても参考になりました。「Oracle Enterprise Linux」のインストールから「Oracle」のインストールまで丁寧に解説されています。このページがなかったら僕は途中で挫折していたかもしれません。

 また、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営する、「Linux標準教科書」も基礎を学ぶのに役立ちました。その他にもLinuxのコマンドリファレンスなどを購入し、まずはコマンドや仕組みを体で覚えることにしました。仕事が終わってからこつこつと準備していったので、環境を構築するまでに2カ月近くかかってしまいました。

■Windowsとの違いに戸惑う

 それから2カ月、定時後の時間を利用し黙々と実機とテキストを利用して勉強しました。1日平均3~4時間は勉強したと思います。少しづつではありますがLinuxの何かが見えてきたような気がしました。

 Windowsの優秀なGUIの管理ツールに頼っていた僕にとって、コマンドベースの管理はとても難しく感じました。しかしコマンドをパシパシ打ち込むのも楽しいものですし、何度も何度も同じ練習をすることで、自然に体に染み込んでいきます。そして教科書を見ないでできるようになる自分の成長、ITの面白さや努力することでの成長を肌で感じ幸せになります。

 少しずつではありますがLinuxを勉強して感じたことは、目的(今回はデータベース)に応じてOSをカスタマイズできるということでした。Windowsでもある程度チューニングはできるかもしれませんが、レジストリを変更したりするまでは通常することもなかったので、Linuxの自由度の高さはとても良いなと思いました。

 しかし、データベースを運用するとなると障害やエラーは付き物です。現在の僕(初心者)にはエラーの原因を調べるにもコマンドを調べながらになってしまい、時間がかかってしまいます。これでは緊急時の障害に困ります。まだまだお客様に納品するには自分自身のLinuxの知識をもっと付けなければなりません。Windowsの良い部分は直感的にGUIで原因を調べることでき、お客様にもちょっとした事を調べてもらえるということにつきるでしょう。

■勉強とは練習である

 35歳にもなると、Linuxの様々なコマンドは、そのオプションを覚えるのに時間がかかりますし、すぐさま忘れていきます(笑)。そう感じた頃からでしょうか、次第に勉強法が変化していきました。

 「頭で記憶するのではなく、体で習得する」

 まさしくスポーツと同じ感覚で、勉強というよりは練習です。

 何度も何度も同じ事を練習をすることで、自然に体に染み込ませていきます。そして教科書を見ないでできるようになる自分の成長、ITの面白さや努力することでの成長を肌で感じ幸せになります。これが快感だったりします。

 「好きな事を勉強することはスポーツと同じである」

 僕にとってITの勉強は楽しくもあり辛くもあります。寝る間を惜しんで勉強するとき、テレビやアルコールを断って勉強する期間などは、マラソンと同じく辛く感じるときがありますが、ゴールした瞬間とやり遂げた充実感が自分自身を成長させてくれます。

■結果

 そして運命の試験日。さっぱり分からない問題が多数あり焦りましたが、気持ちを落ち着かせて問題を解いていきました。問題を3回見直した結果、正答率65%でぎりぎりセーフで合格しました。このときばかりは嬉しくてガッツポーズが出ました。

 まだまだLinux初心者ですが、地道に道を歩んで行きたいと思っています。WindowsもLinuxも日々比較され、競合する場合もありますが、僕にとっては同じITという1つの線で繋がっています。それぞれ良い部分を活かしつつ発展していって欲しいし、お互いがあるから進化しているのだと思います。

 「努力は必ず報われる」

 あたり前のことではありますが、この言葉を信じて1人前のエンジニアになれるよう勉強の日々を送っています。

 次回は、僕なりの勉強方法をお話ししたいと思います。

Comment(2)

コメント

こんにちは、初音です。
Oracle Enterprise LinuxのVirtual PCへの導入方法がお役に立ったようで良かったです。
技術を学ぶのは見知らぬ土地を旅したり探検したりに似ています。そのときに少しでも道しるべになるコンテンツが残せたらと思っています。
お互いがんばっていきましょー。

大久保仁

コメントありがとうございます。

初音玲さんの書籍、実は持っています。
「VB2005+Oracle10g システム構築最強スタートガイド」
VisualBasic+Oracleの組み合わせは僕も大好きで、僕もいずれ本を書きたいなという夢を持っていたりします。

今回のLinuxのインストールとデータベース構築の内容はとても役立ちました。僕も技術コンテンツを自信を持って書けるくらいになるよう日々勉強の毎日です。
実は僕もわんくまメンバーだったりするのですが、活動はあまりできていませんので今後がんばります!

いづれ東北で勉強会など開催できたらよいなーって思っていますので、お会いできる日を楽しみにしています。

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