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新入社員がやってきた2009 ~講師としての5カ条~

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 やっと花粉症の季節も終わり、暖かくなってきました。ここ福島県でもTシャツを着る日が多くなり、夏を感じる毎日です。

 僕にとっては、2月から4月にかけては花粉症との戦いです。鼻炎薬を常時飲んでいるので集中力が若干落ちたり、やる気も落ちている時期です。それから開放されてこれから全力で働けそうです。

 さて今回のコラムは、「新入社員がやってきた2009」というタイトルで、ここ数年、新入社員研修担当をしている僕が感じたこと、思ったことを「講師の立場」で書きたいと思います。

■最近の若い者は……と思わないこと

 よくこの言葉を耳にしますし、僕自身使っていることがあるかもしれません。たぶん誰でも入社当時はそういったことを言われていたのでしょう。しかし、今はなるべく言わないようにしています。

 なぜなら、この「最近の……」という言葉は当てはまらないと思っているからです。僕が入社した十数年前といまでは状況が違いますし、人の趣味なども異なっていますし、世代の違いから考え方の違いもあるでしょう。誰でも年齢を重ねるごとに見るテレビや聞く音楽も変わっていきますので、話が合わないのも当たり前です。僕自身も最近はドラマより報道番組をよく見るようになり、政治や経済に興味を持ち出したのも30代を迎えてからです。

 今の自分と新入社員の彼らでは、考え方や想いが違うのは当たり前なのです。

■同じ目線で、年齢は気にするべからず

 僕は新入社員研修を担当して3年目となります。昨年から、ついに同じ干支(えと)の新入社員が入社してきました。年齢が離れているとよく「話が合わない」といったり、苦手意識を持つ方もいるでしょうが、僕は新入社員と向き合う際には年齢を気にしません。こちらが一歩引いてしまったら、新入社員とより良い関係になるどころが、どこかぎこちない関係になってしまうからです。少し腰を低くするのも大切なのかもしれません。

■講師としての責任を感じること

 入社して最初に配属になった先の先輩の影響って、とても大きいと思いませんか? 僕は今の自分があるのは、今でも当時の先輩がいたからだと思い感謝しています。

 周りを見ていても、最初に共に仕事をする先輩の影響というのは相当大きいのが分かります。ぜひ皆さんの周りの方を見てみてください。例外もあるでしょうが、仕事に対する「考え方」「取り組み方」「仕事の仕方」「プログラミングスタイル」、また「向上心」や「やる気」など、様々な影響を受けているはずです。

 そのくらい、最初の1年というのは彼ら新入社員にとって大切な1年なのです。すべてが形成されるといっても良いくらい先輩から沢山のことを学ぶでしょう。途中から人の考え(マインド)を変えることは並大抵ではありません。その大切な期間に自分の考えを伝えられるなんて、講師って素晴らしい仕事だと思います。

 新入社員の講師を務めることの大切さとは、将来彼らが社会人として必ず幸せな社会生活を送れるようになるために何が必要かを考え教えるということです。それは技術知識だけではありません。“前向きな気持ち”があれば、僕たちは暖かく見守るだけで、彼らは技術や業務知識は次々と身に付けていくでしょう。

 彼ら新入社員にとってこの1年はとても大事な時期なのです。

■仕事を楽しむことを教える

 社会人として第一歩を踏み出した彼ら、今は仕事よりもプライベートの方が優先度が高いはずです。それはそれでよいでしょう。しかし考えてみてください。社会人は22歳から始まり、60~65歳までの40年間、毎日8時間以上も働いているのです。そう、人生の大半の時間は仕事をしている時間なのです。20代の時の努力こそが、その後の30代以降の働き盛りという重要な時期にとても影響してくると思っています。

 一番、会社から必要とされ戦力にもなる30代になったときに、実力がなかったら? 必要とされなかったら? これはとても悲しいことだと思います。人生の中でとても長い社会人としての時間を楽しく過ごせるか、過ごせないかは地道な積み重ねがあってからのことです。

 今から仕事が楽しいと思い毎日が過ごせるよう、今からこつこつと“努力”をすることの大切さと、それに慣れることを教えていく必要があると感じています。

■夢と希望を持つ

 会社に入って、沢山の先輩と出会い「良い話や悪い話」を聞くことでしょう。良い話なら良いですが、“悪い話”や“会社の愚痴”などを聞くと、新入社員は不安に駆られ夢や希望どころではなくなってしまいます。“初心忘れるべからず”という言葉がある通り、新入社員の方々は夢と希望を抱いて入社してきています。講師としてその夢と希望をさらに膨らませるべきなのです。

 新入社員に対して、会社の不満や愚痴を言ってはいけません。

■最後に

 どうでしたか? みなさんの参考になりましたでしょうか。今回のコラムでは僕自身の考えで書きましたので、違う意見もあるでしょうが、少しでも役に立つことができれば僕もうれしいです。僕自身まだまだ未熟者であり、新入社員の方々に対して誠心誠意向き合えている場合とそうでない場合があります。研修の段階では全然この業界に向いていないなと感じることもあるでしょう。しかし、“投げ出さず”に最後まで向き合い、彼らの成長のため全力を尽くしましょう。

 それが彼らのためであり、会社、そして最終的には自分のためでもあるのですから。

Comment(9)

コメント

あずK

はじめまして。

自分も新人研修を何日か担当していた(今年は出来ませんでしたが)ので、
興味深く読ませて頂きました。

同じような点を自分も気をつけて講師をしていたので、共感しました。
ただ年齢を気にしないという点は、自分には足りていなかったかもしれないです…。
その年その年で新人さん全体の性格が違うのもありますが、
去年の新人さん達のノリについていけなかったので…。

来年は、また講師を担当できるかもしれないので、色々と注意して指導したいです。

ビガー

はじめまして、ビガーと申します。

「仕事を楽しむ」とか「夢や希望をもつ」というのは、講師とか先輩から教えて
もらうものではなく、自身で構築するものだと思います。
それには「現実を知る」ことが第一歩であり、会社への不満等は積極的に開示すべき。
まぁ、見込みのある人向けかもしれませんが。

私が考える講師等の役割は、「如何に自立への気づきを与えられるか」にあると考えています。

組長

こんにちは。

私は新人研修を担当できるほどの社員ではありませんが、今年は新人ヘルプデスクの研修に少しだけ臨時アシスタントとしてもぐりこんでました。いずれは講師をしたいと希望していますので、講習を担当される皆さんの記事はとても参考になります。

講師の説明に、少し実際の現場での活用例を挙げて補足説明をした際の、「ああ、なるほど!」と、緊張気味で強張っていた研修生の顔がパっと輝いた瞬間は非常に嬉しいものでした。講師としてではなくても、現場で自分より若い社員に仕事を教える機会はありますので、良き先輩になれるよう頑張ります!

ADA

>ビガーさん
私は全く反対の見方です。会社への不平不満ですが、この点に関してだけはどんなにダメな社員でもレクチャーなしで一人前になれるからです。そんなことを、期待に胸膨らませる新人に教える必要は全くない。

ビガー

ビガーです。

>ADAさん
開示の仕方次第だと。受講者のスキルや考え方を講師なりが正確に見抜かないとね。
どの道、講師なり諸先輩方の立ち居振舞いで開示しなくても感じ取るものと思いますが、
にぶい受講者は、わからないものなのかな。
最近見込みのある人しか相手にしていなので一般論がわからなくなってきている。。

あずK

言葉の問題であるように感じました。
「不平不満」というのは「会社・社会の厳しい点」ということなのではないかと。
確かに配属前に「こういうこともある」という厳しい側面を伝えるのは
新人さんのためになるかもしれない、と、そう思いました。

個人的に、「不平不満」だと「愚痴」と紙一重なように感じたものですから
失礼を承知で横からコメントさせて頂きました。
さすがに「愚痴」だと、会社に対しても、先輩方に対してもイメージが悪くなると思うので…。

ADA

>ビガーさん
>最近見込みのある人しか相手にしていなので

優秀な人材にかこまれてそうで羨ましいです。どうやらわたし自身が愚痴ってたようで。

はじめまして。コラムニストの中越と申します。

私もこの5年ほどずっと新人研修案件を担当していますが、全く同感です。
素敵な5箇条ですね。

ベビーブーム時代の自分たちと、いわゆる「ゆとり世代」ってかなりマインドの違いがあるんじゃないかと思えるんですが、接してみると思ったほどの違いは感じなかったりしますよね。

最近の若者は・・・などと言いたくなる子も意外と少ないような気がします。

お互い頑張りましょう。

大久保仁

みなさんコメントありがとうございます。

私は何よりも新入社員に対して、良い方向に「手を差し伸べる」「道を作るすべを教える」というのが大切だと感じています。技術だけではなく、この業界が好きと思えるような研修方法を模索しています。そういった気持ちが企業の成長=業界の活性に繋がっていくのだと思います。

頑張っていきましょう!

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