福島県から発信するということ
エンジニアにとって「地方で働くということ」とは、について考えてみたい。
■地方とは
僕自信、福島県で働くエンジニアである。
20歳でこの業界に飛び込み、東京という日本のIT業界の中心で働きたいという想いがずっとずっとあった。今でも、仕事や研修で東京に行くというだけで、高揚感に満ち溢れてくる。僕にとっては永遠の憧れの場所である。
地方の定義とは、東京や大阪などの大都市以外の都道府県と思われるかもしれないが、福島県という視点から見れば仙台、札幌、名古屋などの都市は「地方ではない」と感じてしまう。なぜなら、僕たちエンジニアにとって、学ぶ機会や充実した仕事が満ち溢れているからだ。
■福島県からみたIT業界
僕の住む福島県は、ある意味、エンジニアにとって安らぎを感じるものであるかもしれない。なぜなら、IT業界の激しい波にさらされないからだ。首都圏では、技術の進化するスピードが速く、そして、そんな新技術に対する企業やエンジニアの取り組みも早い、というのが僕の印象である。実際に身をおいたわけではないが、日々流れてくるニュース見ているとそう感じる。しかし福島県はどうかというと、進みは遅い、というかあまり進まない。
首都圏の仕事を請け負っている企業であれば、決してそうではないかもしれないが、地元の仕事を自社だけで請け負っている企業においては、新しい技術を用いるより、安定し、ノウハウのある技術を使うケースが圧倒的だ。
首都圏で働くあるエンジニアに会ったとき、この問題について話をした。その時の言葉がとても心に残っている。
「提供する側が前に進まなければ、提供される顧客は利便性も、ユーザーインタフェイスもずっと変わらない、だからこそ新しいIT技術を活用する意味がある」
その言葉を聞いたときに、一番重要なことを忘れていた自分に気づかされた。一番大切なのは、利用者側の視点で、より良いサービス・製品を提供すること。それこそが、IT技術の本来ある目的なんだということ。IT技術は、人々の生活スタイルさえ変えてしまう程の夢と希望が詰まっている。
ITエンジニアは、それを決して忘れてはいけない。
■地元から何かを生み出し、活性化へつなげる
研修や勉強会の開催、仕事では案件の規模・内容など、ITエンジニアにとって、大都市に身を置くというのはとても恵まれていると思う。こんなことを言っていると愚痴にしか聞こえないかもしれないが、実際「羨ましい」と思う。しかし僕はあるとき1つの目標を立てた。
「この福島県をIT業界でも活力のある場所、そして元気のある場所にする。そして、福島県からみんなの役に立つようなサービスを生み出していきたい」
という、一見すると馬鹿げていると言われそうなことをまじめに考えている。
大都市に憧れをもつばかりではなく、自分たちの住む場所を、自分たちで、理想の環境にすればよいのではないか、と考えたわけである。
そのために何をすべきか……。
僕個人の力だけでは何もできない。ただし、同じ想いを持った仲間が集まれば力が増していく。今、僕の勤めている会社で仲間を集めている。身近な人を元気にできなければ、福島県全体のことを考えるなんて到底無理なはず。このエンジニアライフでコラムを書こうと思ったのもそういった想いからである。
まずは小さなことから地道に……間違いなく、少しずつ動き始めている。
どのくらいかかるかは誰にもわからないが、はじめなければ変わらない。
僕は、この福島県からこれからも発信していきたい。
みなさんも地方という場所から、何かをはじめてみませんか?
コメント
ken
福島県出身で都内でITコンサルタントをしている者です。
地元に帰省するたびに「ITで地元を活性化できないものか」と思う気持ちが強くなっており、そんな中、福島県で活躍されている大久保さんの記事を読ませていただき、共感しコメントさせていただきました。
具体的にまだ何ができるということはありませんが、影ながら応援しております。
大久保仁
コメントありがとうございます。
僕も、非力ながら地元をITで活性化できればと考えております。
新しい技術やサービスを生み出すことだけが活性化ではないと思っています。なにより元気なエンジニアが育っていくことがまずは大事なんだと考えております。
そういったエンジニアが新しい何かを作ってくれるはず!
応援ありがとうございます、がんばります。
私は仕事は大阪ですが、自宅は奈良県です。
自分の住んでいる周りを見渡してみると、意外とITの導入が進んでいるようでも活用されていないような気がしています。
ここ数年ずっとそんな気がしていたところ大久保さんの記事を読ませていただき、
『ITで地元を活性化させる』思いにはすごく共感できました。
お互い地方は異なりますが、その思いが実現できるように頑張りましょう!!
大久保仁
aro30さん
コメントありがとうございます!
何が出来るかわからない、けどやらなきゃ始まらない。
実践することが大事なんだと思います。
お互いがんばりましょう!