日本企業に元気がないぞ! あなたはこの先どうする? パート2 ~今のオフショア開発~
リーディング・エッジ社 教育サービスマネージャの満岡です。
日本のエンジニアの今後について、経験と考えを交えて連載を書いています。今回は第2回目です。私は、Android開発案件に関わることが多いため現場で多く見られるオフショア開発に触れたいと思います。
・ベトナムオフショア開発
最近、Androidアプリのオフショア開発が活発化してきています。これは、「短納期(2〜3カ月)・低価格化」が背景にあります。Androidアプリケーション単体でのビジネスが難しくなっているため開発予算が捻出できないことが原因の1つになっています。アジアの中でも、特にベトナムでの開発事例をよく聞くようになりました。
実は、過去に中国オフショアを数件経験していますが、全敗に近い散々たる結果で、毎回何かの重大なトラブルが発生していました。
ところが、ベトナムでのオフショアでは、すべてがうまくいっています。何が違うのでしょうか?
・国民性
私の印象としては「勤勉・親日」が最も強いです。以前の日本で、シリコンパレーから米国エンジニアを迎えるような眼差しに近いものを感じます。それは、日本人と働きたいという気持ちが表れているのかもしれません。
・若いエンジニアパワー
大卒平均初任給が1万5000円くらいに対し、IT系では2〜3万円前後のようで、人気な職業として活気に満ちている若手エンジニアが多くいます。ステータスである車や、家を持ちたいという購買意欲が高く、日本の同世代エンジニアとは異なるパワーを感じます。
・勉強熱心
スキル向上に関する意欲が高いと感じます。特に、IT系は優秀な人材が集まるせいか、日本語・技術などの業務に関連した勉強を熱心に取り組む姿勢が見受けられます。
ただし、仕様書の行間を読まない(これは日本以外はどこも同じですが……)、真面目がゆえに打たれ弱い、他社への人材流動など問題もあるようです。
・これから
中国・ベトナムの物価上昇を考えても費用対効果で考えても、今後、日本から単純なプログラマの仕事は、どんどん減っていくことは間違いないと考えています。
発注側として日本国内でのエンジニアに求められることがあります。それは、「企画・設計・試験(検証)」です。企画をすることで、顧客のイメージを具現化し、基本設計をしっかりできるかどうかで、全体の構成と工数に大きく影響します。また、日本製品の品質の高さを担ってきた試験・検証は、品質向上を重視する案件では、必ず強みを持つと思います。
単に誰でも書けるレベルのプログラムスキルだけのエンジニアでは、職業としてはますます厳しくなっていくような気がしています。
次回は、SNS活用・勉強会などを活用してツナガルことの重要さと、求められるエンジニアについてお伝えします。