私にとっての「勉強会」
リーディング・エッジ社の山田です。
今回、私は「私にとっての勉強会」をテーマにお話をさせていただきます。
私は昨年の春ごろから、このIT業界で働いています。社会経験が浅かった私にとって、勉強会は多くのことを学び、また多くの方々との交流を通してさまざまな経験ができる貴重な場となりました。仕事を始めてから1年半は、私自身の成長に必要不可欠だったと思っています。そのため、今回は「勉強会」をコラムのテーマにしました。この業界では当たり前のことも含まれてしまうかもしれませんが、お付き合いください。
■勉強会とは?
「今さら?」と思う方もいるかもしれませんが、まず「勉強会」にはどういった種類があるのか軽く説明しておきます。
「発表者がプレゼンテーションを行い、それを参加者が聞く」というタイプです。
昨今では、開催側があらかじめ講演を依頼していた講演者の方による講演と、希望者によるライトニングトーク(LT)の2つでセッションが構成されていることが多いです。中には希望者のライトニングトークのみを数時間行うものもあったりします。
基本的に講演を聴きながらの座りっぱなしなので、眠くなってしまうこともたまにあります。そういうときはペンを持ってメモを取りながら(Evernote等でも当然OK)聞くのがいいかもしれません。
別名ハンズオンとも呼ばれます。
「講師の方に教わりながら、参加者同士で協力してモノを作る」というのが基本的なコンセプトです。前述のセミナーと異なるところは「自分で手を動かしてモノを作る」という点です。
分からないことがあっても講師の方に聞けるので、勉強会への参加に抵抗があるという方にもオススメです。ここで同じ技術に興味を持った仲間に出会えれば、以後のモチベーションUPにも繋がります。
ローマ字で書くと「Hackathon」。これは「Hack(ハック)」と「Marathon(マラソン)」を組み合わた造語で、2000年ころからアメリカで使われ始めたといわれています。
やることは基本的にワークショップと同じ「モノ作り」です。参加者1人1人、または数人のチームに分かれて、1日という時間制限の中で作業を行い、最後に発表をするという流れです。
ワークショップと違うところは
- 講師がいないことがほとんど。
- 競争の要素が含まれている。
の2点が大きいかと思います。
講師の方に教わりながら作業するという形式ではないので、参加の敷居が若干高いイメージを持っている方も多いかもしれません(実際、私自身がそうでした)。 ですが、ここで勇気を出して挑戦するのも一興ではないかと個人的には思います。
競争の要素があるのは確かですが、「周りと競争する」ということは決して悪いことではありません。すべての人がそうではないかもしれませんが、私は競争があった方が適度な緊張感や刺激が得られて良いと思います。
別に上位に入れなかったからといって、罰ゲームのようなペナルティがあるわけでもないですから、めいっぱい楽しんだ方が得です。 分からないことは周りの方に聞けば教えてもらえるかもしれませんし、同じチームに高い技術力を持った人がいればその人からいろいろ習える機会もあるかもしれません。
頑張って頭を使い、手を動かせば、それだけの知識と経験が身につくので、二の足を踏んでいる方はぜひ参加をオススメいたします。
余談ですが、ハッカソンには「賞金」や「景品」が設定されている場合もあります。
私は賞金が出るハッカソンに参加したことはないですが、先日の『Google I/O 2012』の直後に米国でそういったハッカソンが開催されたという話は耳にしたことがあります。
勉強会の種類を片っ端から説明していくと、かなりの長さになってしまうので今回の説明はこのあたりでやめておきます。ここからが今回のコラムの本題です。
■勉強会に参加する意味とは?
前述で勉強会について軽く説明させていただきましたが、そもそも勉強会に参加することの意味とは何でしょうか。
仕事で必要なことを勉強しなければいけないからでしょうか? 個人的にその分野に興味を持っていて勉強したいからでしょうか? それとも、なんとなくでしょうか? まあ、人それぞれ理由はあると思います。
私も、もちろん勉強のために参加しています。ですが、それと同じくらい大事だなと思っているのが、他の参加者の方と話をして交流を持つことだと思っています。
「勉強する」と一言でいっても、ペンを持ち、本を持って机に向かうだけが「勉強」ではない、と私は考えます。Webの学習ページや本を読むだけではなかなか得難い知識や経験があるのも事実です。そうなると、やはり自分の身の周り以外の人々と交流を持ち、環境に触れることも大事になってくるのではないでしょうか。
ちなみに私が初めて勉強会というものに参加したのが去年の4月頃でした。それ以降の1年間、積極的に勉強会に参加し、参加者の方々と交流を持つことで多くの知識を吸収し、さまざまな経験をさせてもらいました。今の会社に入ろうと考えたのも、勉強会でこの会社の存在を知ったことがきっかけだったりします。
■私が勉強会に参加する際に心がけていること
ここまで長々と勉強会について語ってきました。最後に、私自身が勉強会に参加するにあたって心がけていることをお話させていただきます。
主に私が心がけていることは2つ。それは「復習」と「勘違い」です。それぞれについて、以下に説明します。
今さらいうことでもない気がしますが、勉強する上で「復習」は基本中の基本です。私は「予習」よりも「復習」にウエイトを置いています。
ここで皆さん、自分が学生であったころのことを少し思い返してみてください。
学校の授業で先生の説明をちゃんと聞いて、自分の中では分かっているつもりでいた。しかし、いざ試験に望んでみると大した点数が取れない。「わかったつもりになっていて、実は分かっていなかった」というやつです。
いかがでしょうか?見に覚えのある方が意外と多いのではないかと思います。
要するに何が言いたいのかというと「人の話をただ聞いただけでは、聞いた内容はなかなか頭に定着しない」ということです。 自分で手を動かして、聞いた内容を反芻することで自分の記憶に定着していき、自分のモノにしていけるのだと私は考えています。
人間である以上、ものごとを徐々に忘れていくのは仕方のないことです。ですが、わざわざ勉強会に参加して学んで来た内容を1週間後にはほとんど忘れてしまった、というのではあまりにもったいないです。
せっかくの自分の時間を割いて勉強会に参加するのです。どうせなら、学んだ内容をできる限り自分のモノにすることを心がけた方がお得だと私は考えます。
いきなり「勘違い」と言われても意味が分からないと思うので説明します。
知っている方もいらっしゃるかとは思いますが、勉強会の後には懇親会が設けられていることが多いです。そこは参加者の交流の場です。セミナー形式の勉強会でしたら、登壇された講演者の方々と交流できる貴重な機会となることもあるでしょう。
登壇者の方々ならもちろんのこと、参加者の中にも1分野に長けた方々が多くいらっしゃいます。少し嫌な話をしますが、そういった方々と交流を持っている、もしくは知り合いであるというだけで「自分は能力のある人間なんだ」と勘違いしてしまう人が少なくないということです。
先程、私が言った「勘違い」とはそういう意味です。
その「勘違い」はハリボテの自信となり、やがて驕りに繋がります。「驕りを持つ」ということは「謙虚さをなくす」ということであり、物事を学んでいく上でこれ以上ないマイナス要素となりえます。
自らのつまらないプライドに邪魔され、「自分が分からないことを他人に聞く」という単純なことさえできなくなってしまうかもしれません。
本人が気付かない内に、その人の進歩はそこで止まってしまう。考えただけでも笑えない話です。
私がここで言いたいことは「謙虚さを忘れてはいけない」ということです。簡単なことのようでいて、実はなかなか難しいことだと私自身も分かってはいるのですが、これはすべての基本だと私は考えています。
■まとめ
ここまで私自身の勉強会について思うことをつらつらとお話してきましたが、結局私が言いたいことは「もっと勉強しよう」ということです。
別に強制するつもりは毛頭ありません。「勉強は気が進まない」という気持ちも大変よく分かります。このコラムを書いている私自身、正直言って勉強はあまり好きではないです。ですが、勉強をサボって後で苦労するのも自分だということも分かっています。
どうせ勉強しなきゃいけないなら、勉強会に顔を出して、同じ分野を学ぶ仲間やライバルを作った方が勉強にもハリが生まれていいのではないかと私は思います。
このコラムが「自分も勉強会に参加してみようかな?」と思っている方の参考になれば幸いです。