LE社のエンジニアたちの風がふくまま気の向くまま本音コラム

日本企業に元気がないぞ! あなたはこの先どうする? パート3 ~いいエンジニアって?~

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 リーディング・エッジ社 教育サービスマネージャの満岡です。

 日本のエンジニアの今後について、経験と考えを交えて連載を書いています。今回は第3回目です。企業・社会が求めるという視点ではなく、エンジニアという職業において理想像を触れたいと思います。

そもそも、なぜ働くの?

 私は、それぞれが自分なりのこの質問の答えを持つべきだと考えています。「遊ぶため」「お金のため」「生活するため」「人生を豊かにするため」など答えはいろいろだと思います。

 1960年代の米国の心理学者で「マズロー」という人が、『欲求5段階説』を唱えています。人間の欲望を階層別に表したもので、「生理的欲求」から「自己実現欲求」の5段階で定義化しています。人間は、満たされるとさらに上の階層の欲求を満たしたくなるのです。

 ちなみに、働くことが経済的安定である場合、2段階目の「安全欲求」に当たります。個人的には、各欲求の大小は、グラスの大きさのように人それぞれな気がしています。例えば、年収300万円でも満たされている方は、次の「社会的欲求」(集団に属したい、仲間がほしいなど)に来ているはずです。

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(引用:Wikipedia

エンジニアってどんな人?

 自らのエンジニア経験から、私は以下の2つに常に関心・欲求がある方がエンジニアの定義だと感じています。

  • 最新の技術
  • 速いマシン(コンパイルが速いPC など)

 逆に、それ以外は「エンジニア」ではないとも考えています。

 恐らく誰もが書籍やPCに自らのお金を投じ、手に入れていると思います。これは、個々の行なっている業務内容にかかわらず「興味」が原動力になっていると思っています。

会社に所属・就職する意味

 上場家電メーカーが次々とリストラを行い、M&A化が加速するなどエンジニアにとっての就労環境は厳しさを増しています。一方で、SNS系サービスプロバイダは、事業拡大と人材不足で目覚しいスピードで進化を遂げています。

 エンジニアが企業に所属し給料を得るのはなぜでしょうか? 私はその理由の1つに「仕事を取れない(興味がない)」ことがあると思っています。企業では、一般的に営業部署が仕事を取ってきて、エンジニアが開発を行います。仮に、自分自身の仕事が取れれば、所属企業に自分の時間を提供する必要がなくなるため、より自由に行動できます。

「ツナガル」先にあるもの

 SNSがネットインフラとなってから、個人が発信源となり、さまざまな人とつながれるようになりました。と同時に、グループ・サークルが存在し、個が容易に集団を形成するようになり、盛んに活動できるようになりました。

 ところが、最近の周りに「SNS面倒くさい、疲れた」的な方が多く出てきています。1つの国家よりも多いユーザーを抱えるといわれるFacebookでさえ、マネタイズが難しくカジノを始めたように(※)SNSの実アクティブ数とユーザー数との乖離(かいり)が始まってきているように感じます。

 5大欲求の「社会的欲求」での「所属」は、会社だけを意味しているわけではありません。今や、コミュニティやSNSのグループでも「所属」は可能です。SNS内での距離感の取り方や単にツールとして使いこなして、情報を発信しつながることを「楽しい」「面白い」と思えている人は、今後のエンジニアにとっても必要なスキルだと思います。

※参考:FBがカジノを開始

http://www.onlinecasinofan.com/Facebook_olinegambleapp-10Aug12.php

最後に

 私が考える「働く理由」は、「楽しみたい」からです。よくある「遊ぶために、働く」的な考えは、「楽しい遊びのためにつらいけど働く」ような印象を受けます。私は、むしろ「楽しく働く」ことを意識しています。(※楽(らく)な労働という意味ではありません。)『速いPCを使って、最新技術の書籍・勉強会でみんなとツナガリ、楽しんで働けるエンジニア』が、「いいエンジニア」だと考えています。

 また、5大欲求の第5階層「自己実現欲求」をコミュニティでの「貢献」という形で自分の満足(リターン)につなげられたら、次世代エンジニア像として新しいツナガリを生み、「楽しんで」社会を変えられる「いいエンジニア」になると思っています。

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