言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

正しいウォーターフォールとは

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開発手法について語るのはいいですが、プロジェクトの進捗はどうやって管理していますか?私が携わったプロジェクトのほとんどが、Excelで課題管表を作って、一つの課題に対して一行のデータで管理していました。最新の手法を熱く語るのはいいですが、大半の人が二十年前の手法で課題管理しています。レビューをするにしても、時間内で終了できなかったり、ドキュメントの構成の工夫も一切しません。こんな状態で手法を検討しても、プロジェクトが上手くいくはずがありません。

日本のITは全体をどうするかの戦術の部分だけではなく、個人レベルの戦法が貧弱なように思います。どこのプロジェクトも、実作業を行うエンジニアより取り巻きの人が多すぎます。親会社のマネージャ、子会社のマネージャ、元受けのマネージャ、しかも全員が技術に明るくなかったりします。説明義務や報告義務の負荷が高すぎです。マネージャの大半はミーティングに奔走しているだけで無為無策です。マネージャとしての存在意義がありません。

あと、何でもかんでも最初から決めるやり方とウォーターフォールの手法は相性が悪いです。筋道に沿わすための労力が半端なくかかります。あと、フェーズの切り方もセンスがありません。よく「要件定義」- 「設計」-「構築」-「テスト」というフェーズを見かけます。ただ実際は、「構築」の段階ですべてのテストを通る状態にしないと成り立たない段取りになっています。「構築」のフェーズで全部テストは通しています。なので、「テスト」フェーズの存在意義が未だによく分かりません。

一つのフェーズを終わらせてから次のフェーズに移るのがウォーターフォールですが、現場で見るウォーターフォールは、フェーズが終わらなくてもスケジュールの都合で次のフェーズに移ります。実質、手法として成り立っているかも怪しいところです。個人的な感想としては、ウォーターフォールというより、ファイアーライズ(炎上確定)です。ウォーターフォールっぽい道筋だけ引いて丸腰で突っ走るだけなので、もはや手法と呼べるのかも怪しいです。

日本のIT業界は、手法を語る以前に手法を実践できる状況ではないです。まず、報告義務と説明義務でマネージャが忙殺されています。言った通りにやることばかりがもとめられ、何かを工夫する余地がほとんどありません。現場に裁量を割り振った上で説明義務、報告義務を減らすべきかと思います。ああして欲しい、これして欲しいばかりぶつけられては、どんな手法を用いても対応しきれません。つまり、素人は黙っていてくれということです。

Comment(1)

コメント

ちゃとらん

> 素人は黙っていてくれということです。

そんなことを言ったら、大半のSEも黙ってしまいますよ。 (^^)

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