言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

下克上、された話とした話。

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新卒から一年、二年くらいの人と話していると、「私はまだまミスも多いけど・・・(云々)」という言葉を耳にします。これを聞いて、私はモヤっとします。確かに経験不足はあるが、歴が浅いからといってそんなにミスを頻発している訳でもあありません。むしろ、経験不足の中での奮闘を称えたいくらいです。それよりも、成功したら先輩が凄い、失敗したら自分のせいだという思考に大きな違和感を感じます。こういう人が成長して先輩の立場になると、変に我慢した反動で自分の間違いを認めない人になりそうです。そうならないために、自分の下についた人には、できるだけこまめに実績を称えるようにしています。

チーム内の責任というのは、意識していないと特定の人に偏り易いです。ある人はどんなにミスをしても咎められないし、ある人はちょっとしたミスでも追及される、そういう状況に覚えはないでしょうか。自分のチームを冷静に見ることは難しいですが、人のチームを見ていると、けっこうみんな均等にミスをしています。そこにあるのは権力の偏りだけです。よく見るのが、相手にプレッシャーをかけることによりマネージメントをしている手法です。これをやられると、下についた人は「私はまだミスも多いけど・・・」という思考になります。

日本人は、学校にいる頃からプレッシャーでマネージメントされてきています。大学を卒業するあたりで、かなり鬱憤がたまっているようです。たまに見る「意識高い系」の人は、こういう鬱憤が変な形で漏れ出した人なのかもしれません。溜まりに溜まった鬱憤のぶつけどころが分からないので、一気に頂点を目指そうとするのではないでしょうか。私にも何人か下に人が付いたことがあります。プレッシャーをかけずに伸び伸びとやらせてみました。結果、彼らが何をしたかというと「下克上」でした。まぁ、技術力でものを言わせて返り討ちにしましたが。こういう経験をすると、部下を力で抑えつける人の気持ちが分かります。

社会人経験が二~三年の人に問いたいのですが、「私のミスでした」口では言ってるけど内心、ガンガン野心を燃やしてるんではないですか?プレッシャーを緩めると、みんな遠慮も無しに下克上してきます。しかも、下克上する時の表情がみんなイキイキとしていました。あんまりにもイキイキするので、私も思わずほくそ笑んでしまいました。そもそも、下の人が適切に下克上しないと上の人がダレます。従順に従うのは、自分が上に立った時に同じことをしたいからじゃないでしょうか。もしそうなら、既に中身はダレきって腑抜けな先輩方と同じです。

私もいっぱい下剋上をやってきました。下克上をやった人でないとやられた時の返し方が分からないです。下克上したことで、下克上してくる人の気持ちが分かるようになりました。下克上というのは真剣勝負なので、下手な報連相よりも濃密にコミュニケーションが取れます。お互いの欠点を突きあうだけでなく、ちゃんと相手の長所も指摘していけば、本気で言い合ったとしても、後々ギスギスしないものです。普段から人との和を大事にするにしても、野心をむき出しにするにしても、それぞれのスタイルです。どちらもありだと考えています。ただ、お互いを上手く理解するのに必要なのは、表面的なふるまいではなく、相手の長所や努力を認める姿勢かと思います。

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