言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

知識と経験の差

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例えばあなたが、流行りのフレームワークの使い方を覚えたとしましょう。ここをスタートとして、伸びる人と伸びない人の決定的な差は、その覚えた知識を使うかどうかです。知識というのは、覚えただけではただの知識です。実際に使うと経験になります。もし、エンジニアを面談する機会があったら、知識と経験について話を聞いてみましょう。知識を重点的に語る人を避けると、経験が豊富なエンジニアを見分けることができると思います。

エンジニアとして活躍できるかどうかは、知識を元にした経験をどれだけ積んだかで決まると思っています。知識を元にしない経験を積んだ人は、経験則が通用する現状でなら活躍できる見込みがあります。しかし、何らかの変化が起きて経験則が通じなくなったとき、動けなくなってしまいます。大企業しかしらない人にこういうタイプの方は多いです。知識を元にしない経験は、土台がもろい経験になります。

知識と経験は、煉瓦とセメントの関係だと思っています。二つをうまく組み合わせると、強固な建造物を建てることができます。どちらが優れているとかではなく、性質が違うものです。覚えたら使う、このサイクルを繰り返すことで、エンジニアとして強固なスキルを築くことができるはずです。手を動かすのが好きな人は、たまには本を読んでみるといいでしょう。逆に、本ばかり読んでいる人は、たまには手を動かしてみてはどうでしょう。きっと、良いひらめきがあるはずです。

さて、理想的なスキルの築きかたについて書きましたが、実際の仕事ではどうでしょうか。仕事となると、どちらかに偏りやすい傾向があります。経験上、停滞しやすい現場は知識編重型の人が多く、炎上する現場には経験編重の人が多くなる傾向があります。知識に編重すると、新しい発想より既存の知識を重んじるようになります。なので現場は停滞します。プロジェクトが炎上すると、知識を積む余裕がなくなり、経験則が優先されます。その結果として、経験編重型の人が増えます。

業務では、経験と知識をバランスよく積み重ねることが難しいです。ただ、自助努力で、現場で欠けているどちらかを補えば、効果的にスキルを伸ばすことができます。こういうちょっとしたポイントを押さえてみると、驚くほど学習の成果が出やすくなります。手を動かすか、本を読むか、ちょっと踏み込んで考えてみてはいかがでしょうか。自分の傾向を知り、欠点を埋めていくことができるはずです。

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