言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

大事なことはただ読んだだけじゃ分からない

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仕事でドキュメントを作っていて「このドキュメントを読んでもきっと分からないだろうなぁ」と、よく思います。PMやお客さんの言うことを忠実に作成すれば質の高いドキュメントができるとされていますが、どうみても「ぼくの考えた最強どきゅめんと」でしかありません。こと細かくアレを書け、これを書けと指示は出るが、いつも肝心な技術的根拠に関しては言及されません。技術的な根拠を洗い出して記述するにはスキルが要ります。PMやお客さんは、そういった内容に触れたがらないものです。

ただ、エンジニアとして一番大事なのはこの技術的な根拠です。どんなにドキュメントがそろっていたとしても、書く側の視点と読む人の視点に差があると必要な内容が網羅されません。この視点の差については、PMやお客さんでなくとも、エンジニア同士でも発生します。また、過去に自分の書いたコードを読み直してみて、自分で書いたはずなのに読み解けずにがっくりした経験をお持ちの方も多いと思います。視点の差は、過去の自分自身にも発生します。

ドキュメントを読むときは、まず書いた人とは視点が違うと想定しておいた方がいいでしょう。自分が「これなら伝わる」と確信があっても、相手にそれが通じるかは未知数です。この未知数の部分を埋めるためには、コミュニケーションが必須です。それができないなら、未知数の部分を読んだ人に考えてもらうしかありません。ただ字面をなぞるだけで必要な情報が意図通りに伝わるようなことは稀です。足りない情報は、自分の頭で考えて補完していくしかありません。それが普通です。

仕事で作るドキュメントと同様に、Web上の技術情報にも同様の視点の差は発生します。よく、「ITの技術はWebの情報だけで十分さ!」という声を聴きますが、どうにかなるのは初心者を脱するくらいのレベルかと思います。Web上の技術情報は、初級者用の情報が異様に多く、上級者用の情報が点在しています。中級者向けの情報がかなり少ないです。中級者向けの情報は、初心者には難しく、上級者には読んでつまらない内容です。ここら辺の情報がどこで網羅されているかというと、書籍です。

ブラウザを開けば無数のWebページにアクセスでき、書店に行けば山のように書籍があります。しかし、その大量の情報をどう捌いていけばいいかは、自分で考える必要があります。仕事のドキュメントにせよ、Webの情報にせよ、書籍にせよ、考えて読まないと何も知見は得られません。単に疲れて終わりです。結局のところ、何が大事なことなのかは自分で考えて試すしか知る方法はありません。ショートカットしたければ、すでに知った人から聞くのがベストです。

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