言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

みんなが素晴らしいと思うアイディアほど実はくだらないという法則

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みんなが思いつく手段をとれば、みんなが思いつくような結果しかでません。まず、これを基準に考えます。人が素晴らしいと思う条件に、何らか予想以上の結果が含まれることがあります。その結果、素晴らしいアイディアを募ると、みんなが思いつく手段でみんなが思いつく結果以上のものを求めるようになります。一般的にこのような考え方は「都合のいい話」と言われています。それができれば苦労をしないからです。

都合のいい話というのは夢が膨らんで楽しいです。しかし、話していて楽しいだけで現実性は低いです。しかも困ったことに、話していて楽しいせいでモチベーションが上がってしまいます。よく巷のビジネス書に「お客さんの共感させる」という話がありますが、実はこういう都合のいい話で共感しているだけです。そこには技術もデータもありません。あるのはただの「信頼」と言う名の仲良し関係だけです。これで仕事が成功すると考える方がおかしいです。

普通の人は身の丈に合った行動と判断をしていた方が、結果として幸せになります。普通の人の結果で終わりたくなければ、積み重ねを続けて凡人を越えればいいです。ただし、技術を身につけると普通の人から発想が離れていってしまい、成功できるが難解な話になりやすいです。みんなが素晴らしいと思うような話にするには、かなり多くの部分をカットして脚色を加える必要があります。

誰もが聞いて素晴らしいと思うのは、実際に成功してからの話です。最初は誰もが言葉を疑うようなアイディアでも、成功すれば美談となって聞いて素晴らしいものになってしまいます。だから、聞いて素晴らしいアイディアなら自分たちも同じ成功を収めることができると思ってしまうのです。無意識に美談を聞いたときの高揚感や納得感を求めてしまい、そういう基準でアイディアを判断してしまいます。

問題解決をしていると「え、こんな方法でできたのか!」「こんなふうになっていたのか!」と想定を覆されることが多いです。実際に成功する方法は、常に私たちの斜め上をいっています。アイディアとは事実を突き詰めるための博打です。みんなが素晴らしいと思うアイディアの実態は、だいたいがローリスク・ローリターンな牌です。そこにローリスク・ハイリターンを求めるので、現実味が無い「都合のいい話」になってしまうのです。

Comment(1)

コメント

abekkan

同感です。このことについては私も書いてみたいと思います。

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