ヒットコラボ代表。地頭力にて、IFRSを業務視点より考察する。

第2回 IFRSは業務改革とシンクロできるか?

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 グローバル化する中で、PLMSCMなどの領域の業務改革が緊急課題となっている企業が多く存在する。

 この業務改革とIFRSはセットで検討すべきと考える。業務システムから自動仕訳で作成される仕訳データ内のセグメントや摘要が、最終的に連結財務諸表につながっていくからだ。

 一方、各業務システムで可視化されるべきマネジメントは、マネジメントにおける指標とIFRSがシンクロしていなければ、業務改革の目的と経営が乖離(かいり)してしまうことになる。

 IFRSは、基盤情報管理システムの構築として捉えた方がベクトルが合うのではないかと考えている。一言でいうと、「マネジメントアプローチ」である。

 第1回「直接的なメリットを享受しない企業のIFRSとは」の締めとして、「各業務の可視化を取り上げて、マネジメント力を問い直すべき」と書いた。ここで、マネジメント力について、私なりの考えをまとめてみる。

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 まず、組織運営を支援する情報基盤の確立を目指す。そして、IFRSを基本的な理念として位置付ける。こうすることによって、IFRSを遠い存在から身近な存在として捉え直せばいい。そうすれば、モチベーションアップにもつながるはずだ。

 少し話は変わるが、BIツールを考えてみよう。流通業などの業種に比べて、製造業の多くはBIツールを使いこなしていないと思われる。在庫などの資産が正確に捉えられていないため、使えるデータがないと言った方が分かりやすい。

 例えば、自動車サプライヤーの場合、日々の引き取り量のn日分の製品流動在庫をコントロールすれば、中間在庫や部品在庫などはどんぶり勘定で回っている。在庫の停滞期間や生産リードタイムなどを正確に把握している企業は少ない。

 分かりやすく言えば、繰り返し受注が来る生産形態の場合、数値データに対して甘い傾向がある。なお、流通業や個別受注生産の場合、過剰在庫=膠着(こうちゃく)在庫となる。かつ、欠品は致命的な納期問題となるため、在庫管理には目を配る。

 昔、TQC活動が盛んだったころは、現場長、係長が必至で現場を分析して改善活動に結び付けていたが、昨今は仕組みの問題として放置されている気がしてならない。

 生産管理や生産技術、設計の各スタッフは、IFRSという「会社としてのやるべきこと」に同期して、業務改革を推進すべきである。IFRSが2015年までに義務化される前提なら、少なくともIFRSを2013年度決算にてテストし、次年度で従来と比較して完成している必要があるだろう。ここで、業務改革プロジェクトを同期させなければ、重複投資になりかねない。未検討であれば早急に検討すべきである。

 ここには、IFRSを運用維持するために、データの組み換え作業をスタッフがしなければならない事態を避ける目的がある。あるいは、マネジメントに必要なKPIが得られることをプロジェクト目標として、シンプルに定義してもよいと思う。さらに、海外も含む各拠点の業務プロセス標準化を考えるなど、「グローバル最適」を目指すグローバルオペレーションへつながるキッカケにもなる。これは、 「横串のクロスファンクショナル活動」にもシンクロする。

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