ヒットコラボ代表。地頭力にて、IFRSを業務視点より考察する。

まとめ:グローバル製造企業の業務プロセスと情報基盤構築(1)

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 これから数回にかけて、本連載のまとめに入る。アジェンダは以下のとおり。

  • グローバル企業の取り巻く環境
  • 変動の時代に即応するマネイジメント
  • 業務改革ビジネスモデリングについて

 IFRSの話題や手法とかけ離れていると思われるかもしれないが、本質のところでは一致している。本連載で、そのことを感じていただければ幸いだ。

 上記の図は、ボリュームゾーンでの現地化、ファブレス化を進めて海外展開を行っている図だ。数年前と異なり、マーケットが日系企業向の製品であっても、現地の競業他社との価格競争しなければならない状況にある。また、現地のローカル会社へも販売しなければ生き残れない状況だ。

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 TPPも含め、為替変動やそれぞれの国のカントリーリスクなども考慮しなければならない。また、原材料高はしばらく続くため、原材料が取れる国に工場を作り、付加価値をつけた中間品を主要工場へ供給する動きがますます進むのではないかと思う。 

 上記のような状況においては、日本への留学経験者などのローカル人材が、重要な役割を担うことになる。

■変動の時代に即応するマネジメント

 グローバル企業は、同一事業セグメントの工場が各国にあることが特徴だ。

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 ここで、工場間の巧拙を比較し、業務プロセスやノウハウを共有化して、学ぶべきところを自国へ適用することになる。また、自動車業界に始まっている水平分業と同様、仕組みも水平分業と水平展開を繰り返す時代だ。

 なぜなら、日本国内で方針などを決めていく垂直統合的な発想では、スピードが出ないばかりか、現地のニーズを素早く反映できない結果となる。

 ここで、改革指標である同一のKPIを工場間、地域セグメント間で共有化する事が大前提となる。 さもなければ、同一目線のグローバルな会議体が生まれない。ここから、IFRSと共通する事項であるが、原価集計またデータの粒度などのビジネスロジック標準化が必要になってくる。

 別の言い方をすれば、「原始データの品質が同一であること」、これに尽きる。例えば、設備の稼働率を算出する原始データの捉え方が地域で異なっていては、比較以前の問題となる。

 従って、現地ニーズに合ったものづくりを推進している中で、標準化プロセスのスタンスは、明確な定義とその合意形成をしておく必要がある。無理な標準化を行うと運用が回らない結果となり、現場と乖離して反発を受ける、もしくはまったく使われない仕組みとなる。

 下記の図にあるように、グローバルで標準化すべき基準や地域、事業間で共通なもの、そしてローカルルールのものを定義しておく作業が必要になる。

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 ベターなローカルルールをそれぞれのセグメント間で共有化(ノウハウを吸収する)すれば、よりよい水平展開が生まれる。

 また、改革を推進するために、共通な仕組みからローカルルールとして実施し、それが成功すれば、仕組みを共通化(水平展開)する流れが繰り返され、仕組みが進化してゆく。以上の前提として、基盤となる部品表などの基準情報が一元管理されていることが必要だ。

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