疲れた身体と心に響く書籍をご紹介

書籍「沼にはまる人々」を読んでみた。入った世界は沼でした【第53回】

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平岡麻奈です。本年も宜しくお願い致します。年末年始の雰囲気も落ち着き、2023年はどのように過ごそうか?新しいことを始めたり、継続して取り組むことに専念したり。はたまた、やってみたいことは色々あるんだけどなー、と思いつつ月日が経過するというのも日常です。

昨年から【はまっている】ランニングは継続中です。【はまる】という言葉には、【飽きる】がついて回る気がする。どうせ飽きるだろうと思われていると察し、かなり意地になっている傾向あり!最近は早朝に走るようにしていますが、毎度思っています、【あー、今日は走るのやめとこうか。。眠いし、昨日走ったし、休むのも大事だよね】。と、頭上の天使と悪魔を戦わせながら布団をガッと自ら剥ぎ取り、外に出て(寒い、、)走っています。走り出せば、瞬く間に気分爽快。楽しくなって足が前に進みます。嗚呼このまま、はまっていたい。

「なにか、はまってるものはありますか?」

初対面の人だけでなくても、久しぶりに会った人も然り。「最近なにかはまってたりするー?」という会話。個人的にかなり!はまってるものがあったとしても、相手が必ずしも受け入れてくれるかわからなかったりする時、やっぱり躊躇してしまう。そういう時は、至ってオーソドックスなことを言ってみたりする。けど、本当の自分じゃない!!!と、心が騒いでいる。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第53回は、自分には嘘をつきたくない、はまることは美しく、至福であることを確信させる書籍をご紹介します。

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沼にはまる人々
【著】沢木 文

https://www.amazon.co.jp/dp/4591175405/

本書は、沼にはまった人々の実例を紹介しています。【沼にはまる】という言葉が使われるようになったのはいつからでしょう。グルメ沼、買い物沼、推し沼、さまざまな【沼】が存在します。読み進めているうちに、自らが【沼】にはまっていることに気づいてしまうかもしれません。

まず、【沼】とはなにか?
【人肌より少し低い程度の水温で、柔らかい藻が茂っており、体にまとうような柔らかい泥の中に心地よく沈んでいくような情景】と示されており、イメージして頂ければ、抜け出せなくなる至福の時間がそこには在ることが解ります。では、依存症となにが違うのでしょう?依存症とは、「幸福で充足している」と感じておらず、「やってはダメだ」と思い深みにはまる、これが依存状態を表すと説いています。

『それぞれの沼を見てきたが、この「推し活」に共通するのが、はまっている人がすべて「幸せ」を感じていることだ。そこには微塵の罪悪感も背徳感もない。「推しがいるから生きていられる」のだ。』(第3章 はまるのが難しいだけに、抜け出しにくい沼 P,167)

モーニング娘。のカードを必死に集めていた小学生時代を思い出しました。あの頃には【推し】という表し方に馴染みはなかったけれど、立派な「活動」だったはず。私の周りでは【推し活】は至って日常。【推し沼】にはまる人達はキラキラした瞳をしているんやよね。この章で【推し活】の深さを知ることが出来たように思えました。

『深い愛情と想像力は現状を打破する力になる。勉強も仕事もそうだが、ひとつの物事に取り組み、場数を踏み続けると、事象を俯瞰する視点が生まれ、他者を圧倒するほどの能力が育まれる。』(第4章 沼にはまったことで人生を切り拓いた人たち P,206)

知識×経験を積み続ける【沼】だからこそ、【沼にはまった経験が、人生を好転させる武器になる】と同時に、【情熱のまま進むと苦い思い出になる】可能性も忘れてはいけない。私なんて、色々はまっては飽きての繰り返し。「いっちょかみ(何にでも首を突っ込みたがる)」だなんて言われてますから。ちなみに「いっちょかみ」、調べてみたら大阪弁!

『調査し実行する、仮説を立てて検証する、記録して分析する...これらは思考し体系化する訓練を積まないとなかなかできない。』(終章 沼を追い求めて見えてきたもの P,263)

「物事を有機的に体系化する」訓練をしている人々は、沼にはまりやすい。実際に時間とお金を費やせば尚深まる。筆者が魅了された、まばゆい光を放ちながら、無鉄砲さや先の見えない昏さを持つ、依存ではなく、日常を維持する中で、なにかに夢中になることが出来る【沼】を知る人。『沼にはまる』を深めることは、人生の充足であり、幸福である。

この書籍を読もうと決めた時点で、自身が沼にはまる人に憧れていたことに気付きました。何をしても中途半端(いっちょかみ、、)、だからこそ、はまっている人の生活って気になる。ランニングにはまって、アスリート気取りを笑われたってもいいじゃない!はて、これは【沼】なのか?


『沼を知ることで、人間は自らの限界を突破する。それは人生において幸福をもたらすのか、災厄であるのかは、本人にもわからない。』(まえがき P,3)

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