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書籍「情報の強者」を読んでみた。溢れる『情報』と正しく向き合う方法とは?【第24回】

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ありがとうございます。平岡麻奈です。家にいる時間が多くなると、今までの時間の使い方の見直しをするようになりました。私の時間の使い方は『不要不急』でまかなわれていたのかと思うと、『不要不急』にこそ人生に彩りが生まれるのかとも感じますが、流れに身を任せることも大事です。個人的には楽しみにしていた音楽コンサートが中止になりましたが、歴史的にも伝染病に限らず、色々なことが起こったとしても、『音楽』は無くなっていません。そう考えると、今後の楽しみがひとつ増えたという気持ちに変わりましたが、時間が『余っている』という感覚を覚えることにもなりました。「いつもなら19時にレストランを予約してるのにな」なんて思いながらも、家で本を読む自分。人生は意外とゆっくり進んでいるのかもしれないとさえ、感じています。

家にいる合間に、テレビも多く見るようになりました。何気なく朝のニュース番組を見て、いつものようにネットニュースで色々な記事を読んだり、そしてお昼もニュース番組、夜寝る前にもニュース番組を見た日がありました。そしてふと感じたこと。「同じような『情報』が多くないか?」ということです。ましてや、同じ映像が使われていたり、「あれ?この内容って朝も見たような気がする」というニュースの重複。今ではコロナウイルス関連のニュースが多く取り上げられている為、このように感じている方も多いのではないでしょうか。大切なことは何度も伝える、それは重要です。しかし、同じような『情報』に1日の中で何度も触れていることに気づくと、本当に求めている「大切なこと」が埋もれてしまう可能性もあります。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第24回は、もっとスマートに『情報』を取り入れる為の1冊を紹介します。

情報の強者.jpg情報の強者
【著】伊藤 洋一
https://www.amazon.co.jp/dp/B01FRVHJBO/


・「世の中の動きは統計や新聞記事等で後から確かめられるが、その前に『兆し』をつかむことが大切である。また実感が伴うと、その後の情報の受け取り方も変化してくる。」(1.情報の拾い方 P.45)

・「静寂だって情報だ。いつもは賑やかな街が異常に静かだったら、何かおかしな事が起きていると思わないといけない。」(1.情報の拾い方 P.49)

実際にニュースで取り上げられる「結果報告」は、「どうして防げなかったのか?」「何故そうなったのか?」という論点になったりします。良くも悪くも、事前に『兆し』が現れるもの。本書では「結局情報を生み出しているのも、運んでいるのも人間」であると示し、その『兆し』に気づく為にも、人間から得られる「生きた情報」の必要性を説いています。今であれば、電車等を利用する人が減っていることは、特別情報を取り入れていなくても「感覚」で解ります。「なんだかおかしい」という変化に対して敏感になることも、危機管理として必要です。また、知りたい情報を「検索する」と、求めている何十倍・何百倍もの知識に触れることが出来ます。そして、自分に必要な情報はどれなのだろう?と考えた時にも、身近な「生きた情報」にも触れてみる。住んでいる地域や環境により、『情報』の選択は変化します。「対面での情報交換」が難しい場合でも、オンラインを活用すれば、「生きた情報」の効果も失われずに済む。結果、正しい『情報』が届きやすくなり、「大切なこと」を見逃さなくなるのではないでしょうか。

・「日本以外の国では、何が話題となり、報じられているのか。そして同じ事件がどう報じられて、どう理解されているのか。繰り返され、陳腐化するニュースや情報との戦いには、日本の情報源から離れ、ニュース・ソースを世界に求めてみるのが一つの手だ。」(2.情報の読み方 P.70)

・「より平たく言えば、新しい情報を得た際に、『そういうことがあったのか』という感想でとどまるのではなく、『それはあの件とどう関連するのか』『それは、この前のあの情報と矛盾しないか』『それによって、こうなるのではないか』と常に考えられるようにする。」(3.情報のつなげ方 P.104)

・「必要なのは、『新しい情報の価値を認めて、古い情報を捨てる覚悟』である。」(3.情報のつなげ方 P.119)

何が正しいかを判断する前に、多様な見方を自分の中に取り入れることにより、『情報』を「相対化」出来ると示されています。 また、情報は収集し、役立たせることが大切です。日本で報道されているニュースが、他の国ではどのように伝えられているのか、今まではあまり気に留めることはありませんでした。本書では、「自分にとって価値のあるものにするには、それまでに集めた様々な情報とリンクさせる」ことが必要とされ、これを『ループ(思考の輪)作り』と表現しています。このループ作りは、「情報は単体で持っていても意味がない」とし、情報をループにつなげる『自分の頭で仮説をつくる力』が勝負であると説いています。思考に沢山の引き出しを持ち合わせておくことは、想像力を増やすことにもなります。関係性の見えなかった単体の『情報』につながりを発見できれば、多くの『仮説』を生み出すことが出来る。これを先ほどの「生きた情報」と照らし合わせ、常々『情報』を更新したのちに補完し、新しいループをも作成出来る力が必要とされます。

「情報は受け手の意識によって、いくらでも新鮮で刺激的になる。」(おわりに P.186)

第22回では「火の鳥」に関して書かせて頂きましたが、ほんの数週間前では漫画に興味を持ち始めるとは予測していませんでした。どうして今「火の鳥」を読むのか、何故興味を惹かれたのか。それは私にとって、得られる情報や感性が「新鮮」だったからです。今触れている『情報』が自分にとって今後も必要な情報か、その場ではわかりません。また、昔になんとなく誰かが話していたことを覚えていて、ふとした時に役に立つことがあります。世に出てくる新しいアイディアさえも、「既存のアイディアの組み合わせという場合がほとんど」と本書で示されています。そんな中、今の自分に「必要なことだけ仕入れる」ことは、なんだか勿体ない気がします。例えば、昔憧れていた職業、勉強してみたかった語学、行ってみたかった場所。今の生活には「必要ない」、寧ろ「必要としていない」けれど、『情報』を取りに行くのは自分です。今の状況を「チャンスだ」と捉えて、やりたかったことをやってみる、目指してみる、勉強してみる。素敵な『おうち時間』を過ごせるよう、私も努力していきます。

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