疲れた身体と心に響く書籍をご紹介

書籍「まんが「火の鳥」に学ぶ ネガティブな世界からの羽ばたき方」を読んでみた。「生きる」中で「生きがい」を見つけられるか?【第22回】

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ありがとうございます、平岡麻奈です。「仕事があって当たり前」の気持ちに疑いの目を持ちながら、波に逆らわないように過ごす。今の状況がよくなった時の為に「話し合う」ことの重要性を求めながらも、ほんの数ヶ月前には想像がつかなかった現状を目の当たりにしています。

人は、誰かとの関わりに多くの対価を支払っていることを改めて実感します。現状は難しい部分もありますが、送別会や歓迎会。同じ時間を共有する喜びは、行くまでは「面倒だ」と感じていても、いざ参加すれば人との関わりの大切さを知ることが出来ます。昔、長年勤められた方の退職に合わせた連日の送別会を見て、その方がいかに周りから愛されていたのか、そういったところで顕著に表れるのかと感じました。また、物を購入するにしても、その物を持ち合わせていることを誰かに伝えたかったり、見せたかったりします。価値を見出す部分も人それぞれ、自らの価値観は、自分の中でしか分かり得ません。

「自分の価値観を大切にしてきた」からこそ、最近では「こだわり続けていたことの反対を行う」ことを始めるようになりました。敢えて習慣を崩して行くことは、意外と楽しいものです。読書であれば、「運動しなければ痩せません!」という本を読んだかと思いきや、次に読む本は、「ダイエットは食事が全て」という内容。全てが正解であり、争う部分ではありません。両方を知ることで視野を広げる、そういう考え方もあるよねと寛大になれる、どちらを選ぶかは、全体を知った上で自分が決めればいいだけです。

私の生活の中で身近な反対の選択として、「髪の分け目を反対にする」「休日こそ早起きする」「ジムで走らず、外を走る」など。片方でしか自分の幸せを見出せなかったこだわりを敢えて選択せずに逆を選ぶ。意外としっくりきて、悩みがすんなり消えることもあります。毎日せっせと頑張っていたことの反対をしてみると、そちらのほうが自分に合っていたということ。最初に選択したことを意地になって守り抜かなくてもいいのかもしれません。

価値観のひとつとして、私は口癖のように、「漫画が苦手」と言ってきました。本が好きだとしても、元々から活字が並んでいる本しか読まない、という変なこだわりを持ち続けていました。これは価値観ではなく、単に「頑固」だったのかもしれません。活字がずらりと並んでいるページをめくることが好きだけれど、これもそろそろ「逆」を知っていくべきかと感じました。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第22回は、「漫画」の力を知ることの出来る1冊を紹介します。


火の鳥.jpg


まんが「火の鳥」に学ぶ

ネガティブな世界からの羽ばたき方

【著】手塚 治虫
https://www.amazon.co.jp/dp/4833423537


いつか必ず、生きているうちには「火の鳥」は読みたいと心の奥底にありました。具体的なことは思い出せないのですか、過去に私に対して「火の鳥は絶対読んでおいた方が良い」と誰かが話して頂いたことを記憶しています。

「その血を飲めば、永遠の命が手に入るとされた火の鳥は、『死にたくない』『権力がほしい』『認められたい』など、さまざまな煩悩を抱く人々の前に時代を超えて現れ続けます。」(はじめに P.2)

どの世界、どの時代に生きていたとしても、上記のような気持ちは現れます。いかにその気持ちを受け入れて向かい合うか、色々なことに成功したり、失敗しても、「結局はただの人間」だということを再認識させてくれます。

今回ご紹介する書籍は、「『火の鳥』を読むきっかけ」となる解説本です。「『火の鳥』の名シーンとともに、尽きることのない欲望や、心を惑わす怒り・憎しみとうまく向き合い、ネガティブな世界から羽ばたくためのヒント」が紹介されています。ダイレクトに心に記憶される理由は、「漫画」を通して、視覚で訴えられる明確さ、「人間に限らず、動植物の世界から想像の世界のものたちまでもユーモアたっぷりにキャラクター化されている」ことが挙げられます。この「ネガティブな世界からの羽ばたき方」の中から、私が心に刻まれたヒントを何点かご紹介します。

・「永遠」に執着すると、人生は辛い。
・進化はない。変化しているだけ。
・緩やかな退化が、1番怖い。
・組織の力を、自分の力と勘違いしない。

まだまだ書き足らないくらいですが、この4点だけでも、立ち止まる感覚を覚えました。「火の鳥」は、とても昔の時代から、人類滅亡の危機に至る時代までを舞台としている為、「これからこんなことが起こるかもしれない」「昔も今も変わらない」と、時代を越えた視野が広がるように思いました。中でも、3404年、電子頭脳「ハレルヤ」の命令には必ず従わないといけない、『人間が、自分のつくった機械のために規制される』時代の場面は、「データ任せの判断をすることにより、自分で考えることを放棄して、楽をする」ことに対して警告しています。現在は、沢山のデータから最適な情報を選びたいという、「情報が溢れた世界」にいるからこその願望ですが、まさにこの「反対」側から物事を見ている、とても興味深い内容でした。

新しく発売されるもの、本に限らず、最新には弱い自分がいますが、読み続けられているもの、受け継がれているものには必ず「理由」があるのだと感じました。「漫画」も立派な「読書」であり、このことに今更ながら気づいた自分が恥ずかしく感じました。今回は「解説本」のご紹介てしたが、今後は「漫画」の紹介もしていくことが出来ればと思います。

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