手っ取り早くTOEICスコアを上げる方法(2)試験の分量とスピードに立ち向かうには
筆者自身は、原則的にTOEICのスコアを上げることを目的とした勉強をしませんでした。しかし、正直に申し上げますと、最高点の990を目指した時期があります。もっとも、950を超えることはありませんでしたが...
それはさておき、一時期とはいえスコアの向上を目指した経験があるので、前回から「手っ取り早くTOEICスコアを上げる方法」を書いている次第です。
■国際ボランティアでもTOEICスコアが求められる
独立行政法人 国際協力機構(JICA)の専門家やボランティアには語学力が求められ、TOEICを含むスコアによってランク分けされています。
■前回の振り返り
前回の記事「お待ちかね(?)手っ取り早くTOEICスコアを上げる方法」では、以下の内容を書きました。必要に応じてご覧ください。
- 作戦(1)期限と目標を決める
- 作戦(2)数多く受験する
■作戦(3)試験を知る〜分量とスピードへの対策
「作戦(2)と作戦(3)の順番が逆なのではないか?」と思われたかもしれません。しかし、あえてこの順番をお勧めしています。
TOEIC試験の分量とスピードは、実際に体感してみないと分かりません。試験対策本の模擬試験は自分の意思で中断できるので、覚悟がないと本番と同じく2時間休みなしで解くのは難しいでしょう。実際、筆者の周囲には、英語は得意だが、2時間ぶっ通しではとても解けないという人があります。もちろん、筆者も途中で休憩を入れる組です。
TOEICのスコアを上げるということは、英語が上達することではありません。与えられたルールの中で効率よくスコアを上げることを第一に考えます。
語彙力強化
TOEICで求められる語彙(ごい)は英検や時事英語とは大きく異なるので、これらのボキャビル(ボキャブラリービルディング=語彙力強化)を目指す教材をやるのは非効率です。TOEICのスコアを上げるのが目的の場合は、こうした教材は勉強しないでいいというより、時間がもったいないので使うべきではありません。英検の受験準備や、ニュースや新聞を読むためのボキャビルのときに使いましょう。
私見ですが、大学受験に求められるレベルの語彙を身につけていれば、TOEIC試験の対策としてボキャビルを意識する必要はあまりないと思います。
文法
手っ取り早くスコアを上げるためには、ひとまず文法は置いておいてよいでしょう。スコアが伸びなくなってきてからでも十分だと思います。
文法対策を行う場合は、文法書を前から勉強するような非効率な方法は取らず、頻出パターンをチェックして重点的にやりましょう。たとえば、requestなどの主張を行う語が導く節では動詞の原形を使う、といった出題パターンです。
それと、文法に限りませんが、もう充分できることには時間を使わないことです。「80:20の法則」とも言われる「パレートの法則」にあるように、8割がたできることを向上させるには多大なコストを要するので、手っ取り早くスコアを上げる場合には完成度を求めすぎるのは禁物だと思います。
スラッシュリーディング
TOEIC試験の分量とスピードに立ち向かうには、受験英語で行う、漢文の「返り点方式」のような日英翻訳では歯が立ちません。英語のまま、文頭からどんどん理解していく必要があります。
返り点方式の翻訳作業で行う、意味上の区切りでスラッシュ(/)を入れていく方法は、文頭から理解していくときにも有用です。このような読み方をスラッシュリーディングと呼ぶ人もいます。
リスニングでも、スラッシュリーディングの要領で、意味上の塊を意識すると理解しやすくなります。
変なテクニックは不要
リーディング対策で、スキミングやスキャニングといった技法を紹介している人もいます。スキミングは「すくい取る」、スキャニングは問題に関連のありそうなところだけ読むというやり方です。しかし、スラッシュリーディングで文章を読んで行けば充分こなせるはずです。
このとき注意したいのが、頭の中で音読しないことと、後戻りしないことです。とくに注意したいのは、後戻りです。やみくもに速く読もうとすると理解が浅くなってしまい、読み直すことになりがちです。そうなると、少しスピードが落ちても後戻りしない読み方より、却って遅くなってしまいます。
■イベントのご案内(再掲)
先日お知らせしたコラム連動イベントの開催が今週の木曜日に迫ってきましたので、改めてご案内させていただきます。平日夜の開催ですが、ご興味とお時間のある方はご参加いただければ幸いです。
タイトル:ガジェットひとつで、いつでもどこでも英語を勉強する方法
日時:2014年10月23日(木)19:00 - 20:30(開場 18:30)
場所:アイティメディア株式会社 子卯会議室
東京都港区赤坂8-1-22 赤坂王子ビル 7F
(東京メトロ/都営地下鉄 青山一丁目駅 徒歩4分)
料金:無料(申し込みが必要です)
定員:28名
申込:http://gadgetaidedstudy.doorkeeper.jp/events/16097