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人材育成、講師の視点から(7)

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 こんにちは、天野勝です。

 私は、コンサルタントという職業柄、人にものを教える「講師」という仕事をすることが多いです。現場カイゼンの導入教育や、C言語でのテスト駆動開発と、かなり多岐にわたっています。

 この連載では「講師」をしていて気付いたことを私の視点で発信していきます。

■アナログvs.デジタル

 「タスクボードは、模造紙と付箋紙というアナログなツールを使わなくてはならないのですか?」

 アジャイル開発や、チームファシリテーションの研修を行なうと、よくこのような質問を受けます。この質問に対しては「ぜひ、アナログなツールから使い始めてください」と回答しています。このように回答すると、中には、「アナログなんて古くさくて、かっこ悪いから使いたくない」と言われてしまい、そのツールの裏側にある考え方まで含めて、否定されてしまうこともあります。

 最近はチケット駆動開発の認知度が向上して、バグ管理ツールが課題管理ツール、さらにはタスク管理ツールとして使われることが増えてきましたが、それでもやはり使い始めはアナログツールがおススメです。なかには、ツールに振り回されてしまっている例もあります。計画に追従していくために、タスクのリスケジュールが多発し、気がつけばリーダーがツールとずっと格闘していて、タスクをこなす時間がとれないという笑い話のような現実もあるようです。

■アナログツールのメリット

 そこまでアナログツールを推す理由は、手軽に使い始めることができて、工夫しやすいという点です。タスクボードであれば壁に貼るのが理想ですが、壁に貼れるようなスペースがなければ、工夫して机の上に置くサイズにすることもできます。

 また、運用のルールも柔軟に変えられのもメリットです。特に、チームの立ち上がり時期は、チームとしての仕事の進め方が過度期にあり、なかなか定まらないということがあります。このようなときにこそ様々な運用を試して見る必要があります。例えば、チームの中で別々のワークフローをお試しで使ってみるということもあるでしょう。このような場面では、アナログツールはとても力を発揮します。

■デジタルツールのメリット

 しかし、チームとしての仕事の進め方が固まってくると、アナログツールではオーバーヘッドを感じるようになります。例えば、毎回同じようなタスクを作らなくてはならなかったり、残時間を集計したりというのは人手ではなかなか面倒くさい作業です。このようなところにはデジタルツールの方にかなりのメリットがあります。

 アナログツールは運用ルールが柔軟なため、そのルールを守るかどうかは、それを使う人に依存します。つまり、ついうっかりをしてしまう人間の特性からすると、ある程度のことをデジタルツールで保管してもらえるというのはとても心強いのです。

 また、ネットワークを使って、遠隔地と情報を共有したりというのは、なかなかアナログツールでは現実的な解がありません。

■デジタルツールがアナログツールに寄ってきている

 「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。」[*1]という言葉が示すように、技術の進歩によって、デジタルツールの使い勝手が向上し、まるで魔法かと思うようにアナログツールに寄ってきています。

 しかし、まだまだ使うためには操作方法を覚える必要があり、お高いツールを買ったはいいが活用しきれていない人も多いようです。技術に加えて、人の努力があれば、様々なツールが魔法のような価値を生み出すことでしょう。

[*1] SF作家アーサー・C・クラークが定義した「クラークの三法則」の1つ。

 皆さまがお仕事を進める際のヒントになれば幸いです。

 この他にも、システム開発にかかわる人をイキイキさせるヒントをご紹介しております。ぜひご覧ください。

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