髪盛ってるから森姫

コラムができあがるまで - 森姫さんの場合

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◆文章ができるまでを文章化してみる、ちょっと変わった趣旨。

 どうも。お久しぶりとなってしまいました。森姫です。気が付いたら9月。夏も終わってすっかりと秋に近づいているはずなのですが、東京は相変わらず暑いです。

 さて、ちょっと前にけいいちっくさんが「コラムができるまで ~執筆プロセスを可視化する~」というコラムを書かれていました。面白そうと思ったので、私も書いてみることにしました。

◆下準備として環境を整える

 私の場合はまずは身支度を整えます。人に会うときは気合いを入れておしゃれをするのですが、知っている人に会わないときはかなり適当な格好をしています。そして、コラムを書くときも適当な格好をしています。いや、あえてここは適当ではなく、リラックスできる格好というべきですね。

 部屋着とは違う、自分で決めているリラックスウェア(コラムニスト制服)を着用して身支度します。かばんの中に愛用のノートパソコンと本、そしてかんざしを入れて家を出ます。家で書かないのか。ということですが、書けません。布団の誘惑に勝てる気がしません。

 私の家の近所には喫茶店がないので、最寄りの喫茶店に行くにも電車に乗るか、自転車をこいで出かけないといけません。その道中で、何を書こうかとぼんやりと考えます。

 喫茶店に着いたら、かばんの中からおもむろにかんざしを取り出して装着。そしてウォークマンを取り出して、これから書くコラムのテーマに合ったBGMを選びます。こういうときのためにウォークマンの中はポップ音楽からクラシック、はたまた電車の発進音など、各種様々なものをとりそろえておきます。

◆下準備の最終段階としてイメージする

 環境をそろえ、次はイメージします。コラムができあがって、実際に掲載されている画面を。自分のパソコンに映し出したとして、どれぐらいスクロールすれば全部読めるか。もちろん、読者の方々の環境にある程度は依存しますが、基準として自分だったらどれぐらいのスピードで読めるか。そして画面にぱっと映し出したときに引き付ける文字があるかを考えます。

 引き付ける文字というのは読み手に伝えたい気持ちによって異なります。伝えたい気持ちというのは、読んだことによって相手に与えたい影響と考えています。この影響は、細かければ細かいほど言葉に落としやすいのですが、そこまでイメージができないときは「だいたい黄色い感じで」という自分にしか伝わらないようなものでも大丈夫です。

◆頭の中にテキストボックスと検索ボタンを用意する

 さて、準備ができたらいよいよ執筆に入ります。執筆作業中に割り込み作業が入らないように、とにかく集中。喫茶店のオーダーはすませて、手元にコーヒーがある状態にします。頭の中をひたすらテーマと感情でいっぱいにします。今日の晩ご飯などのどうでもいいことは頭から除外します。考えません。

 いっぱいにしたら、頭の中に検索ワード入力テキストボックスを設置します。そしてそのテキストボックスにワードを入れて、検索ボタンを押します。検索対象は頭の中、自分の経験、これまで見てきたものです。この過程はGoogleの検索と同じような画面が頭の中で浮かんでいるとイメージしてもらうと分かりやすいかもしれませんね。

◆検索結果を並べ替える

 検索の表示順に4つほど、ワードをならべます。だいたいですが、これらが段落になります。4つを縦に書いて、あとは1つのワードに対して関連する単語をならべます。その単語が文章として成り立つように間に接続詞をいれたり、動詞にしたり、文字を強調させるように、周りの言葉の意味を弱くしたりします。弱くというのは関連性の低い語句を並べることです。もちろんですが、Wordなどのソフトに落としたときに波線が入るものは論外です。

 基本的に私の文章の書き方はクロスワードやジクソーパズルと同じようなものなので、ロジックでできあがっています。想像の部分はおもいきり想像にする。架空にするなど。知っているところは真実のみを記述するなどして文章内にメリハリをつけると少し面白くなってきます。

 コラムは、ほかの文字媒体の記事とは少し性質が異なり、主観的です。自分の意見を主張したものや体験を書いたりするものが多いので、あえて客観的な視点は外します。

◆オプションをつけてみる

 一とおり文章ができたら、次は味付けです。文字を並べて文字の関係を羅列したただけでは、印象を上下できません。相手に自分を強く印象付けたいなら、自分らしさの出ている文章にしなくてはいけません。というわけなので、読んでいる姿をイメージして、文章を改編します。

 難しい言葉を易しい言葉に変換したり、言い回しを変えたり。このように文章を変えていくと全体像が崩れてしまうので、全体像も少し変えて、アレンジしていきます。基本的にこの作業の地味な繰り返し。

 とはいえ、私の場合はこれらの作業を全部頭の中でやっています。細部まで見えてきたらようやく書き出すので、書いたときにはすでにできあがっています。ので、「ここの文節が気に入らないから全部変更!」ということはあまりしませんが。
ツッコミどころをつけて、自分らしさを出したいので文章は8割ぐらいにしています。完成できない完成らしさを目指しているように。

◆最終的には脳内音声再生を行う

 仕上げとして最初から最後まで一度読みます。目を通すだけでなくて、頭の中で音声再生します。すると、言葉として明らかに間違っている部分はおかしな音の響きになるので変更するようになります。

 この脳内音声再生の作業が実は一番大切です。おそらくこの作業がなければ私の文章は広島弁ベースになっていることでしょう。標準語に近い音声で再生してみてなまっているところは標準語に変換します。音としておかしいところがなければようやく完了です。こうして文章にしてみると大変そうに見えますが、無意識にやっていることなのでそんなに大変ではないです。

◆言葉はパズルなんですよね

 私はあまり文章を書くのも感情表現もうまい方ではないので、大げさなことは言えませんが、言葉は無の場所からなにかを生み出す動作とは少し異なる気がします。

 どちらかというと、頭にあるものを組み立てていくパズルのようなものなので日々の訓練が必要じゃないかなと思います。

 具体的にどうすればいいのかということですが、やっぱり情報を持っていないといけないのでざっとニュースは読む。気になった言い回しや言葉はメモしておく。トレンドの話題や言葉は自分の中での優先順位を上げておく。

 と偉そうに書いてみましたが、まだまだ修行が足りないことは明白なのでもっとレベルを上げるにはどうしたらいいのかと試行錯誤しています。

 思えば、この作業はプログラミングに似ています。プログラミングの修行をすればいいのではないのだろうかと読み終わった後に思いました。日々修行ですね。

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