パソコンを使わない夏の日の過ごし方
◆暑い暑い、夏の日
毎日暑い日々が続いてますね。かき氷を食べて頭が「キーン」となっている森姫です。クーラーという文明の利器を使おうと思うのですが、リモコンをなくしてしまいました。仕方がないので扇風機と冷たいもので涼を取っています。
そんなことはともかく今月(先月?)のお題は「エンジニアならではの節電対策」とのことです。PCを使うお仕事である以上、節電はむずかしいですね。ちなみに、私はPCのディスプレイは常に最も明るくして使っています。良くないですね…。
◆パソコン、スイッチオフ
こまめに、使うときだけディスプレイの電源を入れるようにするのももちろん良いと思いますが、大幅に節電をしなければならないのなら、「思い切ってPCを使わない」とするのはどうでしょう。「ノー残業デー」ならぬ、「ノーパソコンデー」。PCを使わずに何をするのか。用意するものはこちらです。
- 大きな紙(文房具店などで丸まって売っているぐらいの大きな模造紙)
- 水性ペン(色移りしないタイプ)
- 付箋(大きいタイプ)
- DVDが視聴可能なテレビ
- DVD
- 羊羹やわらび餅などのお菓子
- 麦茶
- 風鈴
- 蚊取り線香
おそらく大半が安く手に入るもの、もしくは家の中にあるものです。さて、ここから下準備をはじめます。まずは10人1組くらいのグループを作り、大きな紙を壁に張ります。ホワイトボードでは代用にならないので気を付けてください。
あとは、窓を開けて風鈴をぶら下げ、お菓子と麦茶を用意すれば準備完了です。窓を開けて風鈴を下げるのは、エアコンを使わずに涼を取るためです。さらに、お菓子と麦茶を用意することで、気楽な雰囲気を演出します。準備ができたら、全員が輪になって座ります。そして付箋3枚を目の前に置きます。
◆「あなたを教えてください」
進行役の人を決めたら、その人はみなさんに向かって言いましょう。
「あなたにとっての映画ベスト3を書いてください」
これでスタートです。この言葉は「感動した映画ベスト3」「嫌いな映画ワースト3」「笑える映画ベスト3」「見たい映画ベスト3」…のように自由に決めてください。
もちろん、正解はありません。自由に書いてください。制限時間は5分。時間を決めておくと、パッと浮かんだものを書いてくれることが多いので、なるべく短めの時間にするのがよいでしょう。
5分たったら、1人ずつ「1分でプレゼン」してもらいます。1分にしておくと、1位に挙げた映画のことに長い時間を割いて、熱く語ってくれます。それでいいのです。その人がどれだけその映画に思い入れがあるのか、それを聞くだけでいいのです。
全員の回答が出揃ったら、壁に張った大きな紙に付箋を貼ります。そして投票で「これからみるとしたらどの映画?」を投票してもらうのです。
◆全員で全力で鑑賞
開票して、1位になった映画のDVDをレンタルショップで借りてきましょう。そして1台のテレビでみんなで観ましょう。なぜ1台のテレビで? と、思うでしょう。節電です。ということで、ここは小さなテレビで観ることが重要です。あとはお菓子を食べながら、映画を観ましょう。
◆レッツディスカッション
映画を観終わったら、ディスカッションです。気になったシーンや感想などを付箋に書いていきます。付箋1枚につき1つのことを書くようにして下さい。進行役の人は参加者からどんどん付箋を集めて貼っていきましょう。
このとき、大きな紙をいくつかの領域に分けると後で整理しやすくなります。例えば大きく2つの領域に分けて、左側にはポジティブな感想(おもしろかった、とか)、右側にはネガティブな感想(つまらなかった、とか)を貼るという具合です。思いつくことをどんどん書いていきましょう。一人ブレインストーミングのような感じですね。
一人ブレインストーミングが終わったら、付箋の偏りでまとめていきます。ポジティブな感想が多かったから、面白かったよね、という感じです。
しかし、ここでネガティブな感想も忘れてはいけません。なぜ、面白くなかったのかを聞かなければなりません。そして、面白くないと思っている人たちに、どうしたら「面白い」と思ってもらえるかを考えるのです。
◆ネガティブな感想をポジティブな感想に。ただし、世界観は崩さない
たとえば…「途中まではよかったんだけど、最終的に主人公が戻ってきてからがつまらなかった」というような感想だったら。「じゃあ、主人公が戻らなかったらどう?」と「こうなってたらどうする?」と言ってみましょう。そこからどんどん映画には存在しないストーリーを作っていきます。ただし、作ると言っても元の映画の世界は壊さないように。
こうやって言葉で説明するのは簡単ですが、やってみると案外難しいものです。議論していたら5時間ぐらいはあっという間です。放っておいたら24時間経ってしまうので、そこは進行役の人がうまく時間を区切って終了としましょう。例えば、蚊取り線香が燃え尽きたら終わり、とか。中途半端な時間で終わってしまったら、また次回…というように。
◆好きです
さて、このゲームが節電に関係あるのか? ということなのですが、ポイントは「1つの部屋にみんなが集まる」ことにあります。「1つの部屋で皆が集まって、1つのテレビを共有して、議論する」ということは、昔からある当たり前のことですが、最近はこういう時間を過ごすことが少なくなっていませんか?
これは映画に限った話ではありません。「食卓」を思い出してください。家族が思い思いの時間で食事をとって、1つの場所に集まらない。当然コミュニケーションも少なくなる。これはとても寂しいことですよね。
というわけで、節電をきっかけに「だんらん」を思い出して、楽しんでみるというのはいかがかな? と思います。特にエンジニアさんは忙しい人が多いので。
◆おまけに
最後になりましたが、私の「映画ベスト3」を書いて終わりにしたいと思います。
1位 メメント
2位 ユーガットメール
3位 座頭市
少しマニアックですね。これは「私に影響を与えた映画ベスト3」でございます。特にメメントはあまり注目を集められませんでしたが、とても考えさせられる映画です。10分しか記憶が残せない男が、殺されてしまった妻の復讐のためにとった記憶の工夫が描かれています。
主人公の工夫はもちろんですが、この映画のすごいところは「結末から始まって、最後は『最初』に戻ってしまう」ところにあります。最初は「結果としての事実」を描いているのですが、10分ごとに「なぜ、こうなってしまったのか」という謎に迫っていきます。映像がパズルのようにつながるのも、記憶に関しての無数の思考を与えてくれますね。