電子書籍リーダーGALAPAGOSを持ってモテてみたかった
◆はじまり
ひょんなことから電子書籍リーダー「GALAPAGOS」を手に入れました。
これぞ、まさしくモテアイテムです。スマートフォンよりも大きく目立つタブレット。背面には美しく輝くGALAPAGOSのロゴ。
これを手に入れて、やりたいことがありました。
GALAPAGOSをもって山手線4周です。
iPadよりも大きなこれをもっていたら、きっと誰かが声をかけてくれるに違いない。
そんなわけでさっそく、GALAPAGOSに保護シールを貼って緑色の電車に乗りました。
◆1周目
スタート地点は新宿。目に入りやすいドア付近の席にすわりさっそくGALAPAGOSのスイッチをオン。
記念すべき1周目は、雑誌をチョイスしてみました。周囲の反応や、いかに。選んだ雑誌はこちら。
『EDGE STYLE』5月号
ちなみに、オンラインで購入すると付録のトートバックは付属しません。
雑誌を読むこと数分。
わずかながらですが、視線を感じました。高田馬場あたりでは学生がこちらをじっとみつめている気持ちにもなりました。
話しかけてほしい。
「それってGALAPAGOSですか?」でもいいから、話しかけてほしい。
しかし、雑誌の内容も気になります。実験で読んでいるとはいえ、最新コスメなどの情報は乙女には魅惑のスイーツ(なんだそれ)なので。
やっぱり春はピンクのアイシャドウあたりが適切よね。と、思いながらも春ということで電車内もほどよくあたたかく。そういえば、昨日はどの雑誌を読むのかということを厳選に厳選をかさねていたのであまり寝てないような。
海外ブロガー風ファッションもいいなぁ……。
……。
……。
「次はー、東京ー。東京ー」
アナウンスの声がかすかに頭に残ります。人の視線も少しあるような、ないような。
「次はー、新宿ー。新宿ー」
しんじゅく?
というところではっ! とわれに返りました。
目をぱちりとあけると、そこは代々木でした。さっきまで高田馬場にいたような気がするのですが。
組まれた両腕の中にはしっかりとGALAPAGOSがありました。いつのまにかスリープ状態に。
もしかして:寝てた?
そうです。車内があまりにもあたたかくてついつい寝てしまったのです。口をあけっぱなしで。
恥ずかしくてその場でうずくまりそうになりました。その昔、眠ったまま山手線を何周もした友人を笑ったことがありますが、私もさして変わらず。
おきた私は代わりに眠ってしまったGALAPAGOSを抱えて電車をおりました。
「恥ずかしい!!」
◆やっぱりカフェがいいよね
「でも良く考えたら電車の中で声をかけるのって勇気がいるし、駅がきちゃったら降りないといけないからナンパなんてできないわよねぇ……」
新宿の街をあるきながらそう考え付いた私は、近くのコーヒーショップにたどり着きました。
ここでGALAPAGOSを広げたら絶対にモテる!!
駅からほどよく離れ、人からも良く見える場所のコーヒーショップで小粋にコーヒーを飲みながら、再び実験をすることにしました。
次は本で攻めることにしました。
活字が多いものを読んでいれば知的っぽくみえるはず(森姫調べ)。
選んだのはこちら。
岡本太郎『今日の芸術』
話しかけられても「岡本太郎の本を読んでいた」なら、芸術にも興味がある知的かつ芸術肌の教養深い女の子としてみられるはず。
さっそく実験開始。
まぁ、せっかくなので話題のためにも本を読んでおこう。というわけで今日の芸術を読み進めました。
岡本太郎さんといえば、「芸術は爆発だ!!」というせりふと大阪にそびえたつ太陽の塔ぐらいかしか知らなかったのですが、この人は本もだしていたのですね。
きっと絵の描き方やモデルの選び方がかいてあるにちがいないと思ったのですが、そうではなく、岡本太郎さんによる「芸術が世間に認知されることの難しさ」が書かれていました。
新しいものを生み出すということはどういうことなのかということが本人によって書かれているという本は思えばめずらしいことです。
世間から「なにを生意気を」や「お前は芸術がわかっていない」といわれながらも新しいものを生み出すその姿勢。
200ページほど読んで、気がつきました。
もしかして:本の内容に没頭しすぎた?
今日の芸術も何も、今日はあと数時間でおしまい。GALAPAGOSを閉じて私はまた街に飛び出しました。
◆夢見るぐらい素敵に
「もう、なんていうか……疲れた」
いつもの出現スポットであるルノアールにて反省会。
いやいや、こういう場所こそ声をかけてくる知的なお兄さんがいるはず。コーヒーを飲みながら、最後の本を読むことにしました。
このときの本はこちら。
『ヘンな間取り 2』
実は私、大の間取り好き。今のアパートも実は間取りの良さで決めてしまいました(間取りにはロフトが2つありました)。
もしかしたら、おなじマドラー(間取りが好きな人の総称として勝手に使ってます)に出会えるかもしれない。
ぱらぱらと間取りをみながら、ツッコミどころの多さに声を殺して笑いました。特にデッパリが気になります。そして窓がない間取りなどなど。
「お客様」
ウェイトレスのお姉さんに話しかけられました。
「あぁ? はい」
「ラストオーダーでございますが」
気がついたら、閉店前。
「あー、いいです」
もう開き直って閉店まで本を読むことにしました。
それにしても、間取りをみていると妄想がつきません。忍者屋敷のような少しだけ変な間取りの家に住んで、彼と室内かくれんぼとかしてみたいな。
「もう、あなたったらまた掛け軸の後ろにかくれていたの?」
「きみこそ、床下収納はもう飽きただろ」
「でもぉ、押入れの奥のスペースはもう知ってるでしょ?」
「せっかくだから、今日は忍者屋敷の見学に行こうか?」
もしかして:マイホーム?
いいえ、ただの妄想です。
◆好きです。
とてもむなしくなりながら、私は帰りの電車に乗りました。
今日わかったことがあります。電子書籍リーダーではモテない。
でも本は読みやすかった。
コメント
KEN
くだらない。
これではいかにも時代後れの日本人らしい行動だと思う。
電子機器を使うほとんどの一般人は、その機器が持った本質を使いこなして愉しむと言うより、
表面的な軽い部分までしか扱えないのだろう。とくに女性においてはそれが顕著だ。
だから日本でiPhoneなどといったものが生まれない。
ツイッターやアンドロイドにフェイスブック。これらも日本人が開発に関与したものではない。
ワンテンポ遅れて輸入し、まるでそれを自分が発見して作ったように言いふらす人は多くても、
これらと並ぶようなサービスや製品を作る能力は、いまの日本人にはないことは、このコラムを見るとよく解る。
所詮、多くの日本人にとってはITツールもファッションでありブームでしかないのだ。
そしてそのことについての批判をするメディアもない。
だからいつでも横並び。
発想も横並びで、せっかくのスマフォにもワンセグなどゴテゴテした機能を載っけられ、日本流のケータイにされて、すでにガラパゴスの道を歩み始めている。
頼むからもっとまともな大人が増えてくれないと、日本はもうお終いだ。
いつだって見た目や表面ばかりを気にしてるから、本質をどんどん見失い、他人に言われるがままに必要でもないものを買って歓び、そして捨てるだけだ。
こんなお遊びコラムなど載せず、恥ずかしい日本人として特集した方がよほど今後の日本にとって有益なことだろう。
そして女性に言いたいのは、本当に社会に進出して男性を見返すつもりなら、このコラムニストのような軽い頭を根本から改造し、
「**女子」などといった年齢詐称の表現を使ってごまかすことなく、自らを全てサラした本番勝負をして欲しい。
だから日本社会においては、有能な女性起業家や経営者が出てこないのだろう。
そもそも新しいIT機器を女性が作り出したことがあろうか?
所詮、i-modeのように内向きで外に出る気概のない、ガラパゴス推進サービスしか開発できないのではないか?(これは中年男性においても言えることだが)
再度言う。
日本人よ、早く大人になり、大人の眼を持って物事を見、行動してくれ。
そうでないと未来の日本社会は暗い。
そして女性優位の社会など、永遠に訪れないだろうし、この有様で訪れたらそれこそ日本は終わりだ。
森姫
>KENさま
はじめまして。コラムニストの森姫と申します。
表面的な部分までしか扱えないのはあなたも同じではないでしょうか?
なぜならば、あなたは私のコラムを表面しかみていないからです。
それ以前に、ITは「使う人あっての技術」です。
使われない技術になんの意味がございますか?
どんな使い道があるか、
そしてどのように応用していくか、発展させるか
ということを考えない技術はすぐに廃れます。
たしかに「新しいもの」を生み出すことは大切です。
日本人にそれができていないのもわかります。
ですが、日本人以上に「技術を独特の感性で使用する」かたはいらっしゃいますか?
あと、
> そして女性優位の社会など、永遠に訪れないだろうし、この有様で訪れたらそれこそ日本は終わりだ。
この一文のみでなく
すべてのコメントにおいて女性を侮辱している箇所が多く見受けられます。
あなたはそうおもうかもしれませんが、歴史はいつ、どのように変わるのかは誰にもわからないことですよ。
電子書籍リーダーでモテないというのは時期早々だと思います。
モテるレベルがどれくらいかどうかは、個人の意見によりますが、
私はモテました。
私も同様に世間一般とは価値観がパラレルワールドに転移しているので、わからないかもしれません。
私が愛しているコミュニティでは、iPadやKindle、iPhoneやその他電子書籍リーダーは新鮮だったこともあり、話のネタになりました。それでも、キッカケ程度ですね。
初見で、そういう風になったこともありますが、継続して使っていくことで、成果が生みやすくなります。
私の恋愛観は、森姫さんとは大きく異なるので、そちらについては言及できませんが、人に気に入られる、気にかけてもらうためには、無条件にアプローチを継続していくことですね。やっている最中は、楽しみに没頭していることです。
何かに集中している時にその人のオーラというか、潜在的な雰囲気というものがにじみ出てきます。
電子書籍リーダーを人に気に入られるツールとして利用するアイデアとしては、
試し読みでもなんでも良いので、貸したり、一緒に見ることですね。
テレビでオススメの番組を見せる感覚にするということですね。
例えば、
私は、最初Kindleを購入しましたが、洋書好きの家族が持っていたSONYリーダーと交換する事にしました。家族にとって、洋書が読みたかったので、私が持っていたKindleのほうが相性が良かったわけです。
それ以前から、ちょくちょく貸していたので、それで家族がKindleの味を楽しみ、トレードに応じたのだと思います。
継続が、愛用が成果を生みます。
ガブリエル
森姫さん
イノベーターやアーリーアダプターとマジョリティーの区別の付かないITオタクに真面目につきあっているとバカを見ますよ。
ああいう輩はマジョリティーを見下して自己満足しているのですから。(KENなる人が女性を見下しているように見えるのはアーリーアダプター層程度まではたいていが男性ですからね)
だいたい成功しているITサービスがキャズムを超えるためにいかにして女性に受け入れられるサービスにするか注力していることが理解できないKENなる人物には何十年かかってもiPhoneのようなサービスを作ることは不可能なのですから彼の言っていることはただの負け犬の遠吠えでしかありませんから。
森姫
>itarusさま
はじめまして。コラムニストの森姫です。
そうですね、まだ決断を下すには時期尚早だったかとおもいます。
(といっても、コラムは修正ができないので・・・)
やはり話のネタとしては、電子書籍リーダーはとっつきやすいですよね。
まだまだ愛用には遠いので、継続してつかっていくことで
自分なりにアプローチしていければと思っています。
Kindleはたしかフィードバック(コメントの共有?)機能があったかとおもいます。
そちらもコミュニケーションとして楽しそうですよね。
継続と愛用。
素敵な言葉をありがとうございます。
森姫
>ガブリエルさま
はじめまして。コラムニストの森姫です。
KENさまのコメントはたしかに好意的ではなかったですが、そこまでおっしゃらなくてもお気持ちは伝わります。
ITサービスが女性をとりこむように努力している姿というものはたしかにありますね。ですが、男性にも女性にも受け入れられなくてはいけないだろうな~とおもいます。
そう思うと、サービスと言うものは1つ1つ違うものでなくてはいけないのですが、
そのあたりはジレンマがでますよね。
Jitta
森姫さんが IT 戦士化している(驚)
GALAPAGOSTUFF
森姫様
とても楽しい記事でした。
さて、MediaTabletの方のGALAPAGOS自体があまり知られていないのかもしれませんね。多くの方はiPadとの区別がつかないのかもしれません。さすがにiPadをお持ちの方は違いに気づきますが、今のところ書籍しか出来ないといっても過言でないGALAPAGOSには興味をあまり持たないでしょう。ということで、"あ、電子書籍のGALAPAGOSだっ!"と言ってくれる人は少ないと思います。
販売方法が基本的に通販のみで現金やポイントカードを使った店頭販売なし(ビックカメラの特定店舗など一部店舗渡しは行っているがそれでも5.5インチのみ)という特殊性やちょっと高めの値段などで、興味はあるものの、踏ん切れない本好きはいるはずです。そういった方からの"使い心地はどう?"という声かけされたらいいですね。
本好きが来そうな電車やWiFiがつながるMacやスタバはいかがでしょうか。あと、意外なところで、電気屋さんのGALAPAGOS売り場はどうですか?多分、別の意味で声をかけられるでしょうが、"持ってるんですよ。"というと多分喜ぶと思います。電気屋さんの店頭のGALAPAGOSはデモ専用機らしく、遅かったり、実際の電池の持ちとか、充電と盗難防止ケーブルがつながっているので、本当のもち心地もわからないと思います。
メディアタブレットのGALAPAGOSのユーザー情報って少ないので、何でもいいから書いていただけること自体が貴重な情報になるので、1日くらいでめげないでぜひ続けて欲しいです。そのうちきっといいことがくると信じませんか?
/* ヘンな間取り : 雑誌でもなく小説でもない本、面白そうですね。、マドラーという言葉 いっただき~♪ */
yst
森姫さま
IT業界でもなくPMでもなく 行き詰る総務系サラリーマンの脳内妄想水平展開唯我独尊業務理論ネタに(?)
時折読みかじる@ITの某記事のリンクからおじゃましました。
いえまあ:内容云々は他の各論型なみなさまのコメにお任せするとして。
その目線というか
そうやって1日を山手沿線で ある視点軸にはずれてはもどりしながらw
けれど そのデータ検証は あえて主観な秤 にのっていて。
そういう脳内世界を漂える人の可能性って 好きだなあ w とかおもいながら
[うぷぷっw]っと たのしく 読ませて頂きました。
理屈や現実のギミックは実装に不可欠だとしても
ぼくらはしょせん動物であって。そこにデバイスからインスパイアされるものは。
客観でありたい主観のマッチングって 大事なのかもとか こちらも妄想が拡がりました。(w