ITで生きようと決めた、あなたに贈る言葉
◆6年ぶりの再会
こんにちは。Developers Summit2011で話したことで有名な森姫です。
実はこの日、私の母校から取材がきていました。ありがたすぎます。生きていて、本当によかったと思いました。
約6年ぶりに母校の先生にお会いして、お元気そうな姿に感激しました。ちなみに、母校からの取材は「活躍している卒業生」というテーマでした。そんなありがたいコーナーに乗せていただけるなんて、思わず「生まれてきてすみません」と言ってしまいました(それだと太宰治ですな……)。
登壇後に控室でインタビューをしていただきました。小一時間ほど。その時の自慢話を今回はコラムに書きたいと思います(笑)。
◆私の「ダメな学生時代」は「ちゃんと生きていました」
私の専門学校生時代は、はっきりいってしまうと「好きなことばかりしている」という感じでした。
それまでの「義務教育」とは違い、専門性に特化された授業というものが魅力的でたまりませんでした。
思い切りITの勉強ができる。プログラミングの勉強ができる。そのことがとてもうれしかったです。
高校生時代から「C言語をやってみたい!!」といっていたのですが、高校にはC言語を知っている専門の先生が存在していませんでした。
そこで、本を購入して勉強……をしたのですが、運が悪いのか、私の知識のなさが災いをもたらしたのか、実行環境が作れず、書いても書いても「動かない!!」というある意味欲求不満だらけな高校生活でした。
それが、専門学校という恵まれた環境に行ったのです。ひたすら、C言語の勉強ができるということがありがたくてたまりませんでした。
もちろん、他の教科も「IT揃い」というところがとてもうれしくてたまりませんでした。
本当に、好きなことばかりやらせてもらったという感じです。
同時に私が通っていた専門学校には「プレゼンテーション」の授業がありました。
元来の目立ちたがりの性格がこれまた災いして私はひたすらプレゼンテーションの授業で変な企画を打ち出して笑いをとること、聞いてもらうことに熱心でした。ここでプレゼンに目覚めて、学生生活最後に存在した「卒業研究発表」では司会もやらせていただき、最終的に発表もやらせていただき……と、本当に「好きなことだけ」していました。
はい、いまだからこそ懺悔します。苦手な教科は一切勉強しませんでした……。
ちょっとでも「嫌だ」と感じた授業は睡眠学習。しかし、暗記やら試験の出題傾向を予想するのは得意だったので、テストの点数は良いというだめな学生。
そんな絵に描いたような「好きだなことだけするダメ生徒」でしたが、「ちゃんと生きている」という実感がありました。
◆先生が最後に言った「伝えたいこと」
今回取材にきてくださった先生は、あまり接点がなかった先生でしたがそんなわたしの学生生活をちゃんと見ていてくださったらしく……「相変わらずだねぇ」と一言いってくれました(先生が言うには「君は相当目立っていたよ」とのこと。どういうことなんだか)。
インタビューでは卒業してからこれまでの経歴や今の会社のこと、そして仕事のことやコミュニティ活動のことを聞かれました。
いささかテンションが上がっていた私は、思い切りしゃべってしまいました。主に受け答えしてくださっていたのは取材課の人でした。先生はうなずいてくれていただけでした。
そんな先生が最後に私に聞きました。
「今、在学生に伝えたいことはありますか?」
◆誰かに向けた私の回答
この問いに他の人がどう答えるか分かりません。
おそらく「学業に励んでください」や「バイトに力をいれてください」や「遊びに遊んでください」という、具体性に富んだことを言うと思います。
実際、学校のパンフレットに書いてある人はそういうことをしゃべるものだ、というのは頭の中には入っていたので。
しかし、テンションが上がりきっていた私の頭からは「模範解答」がすっぽり抜けていました。一瞬考えて、出てきた言葉はシンプルなものでした。
「生きてください」
「うまく伝えられないのですけど、こう……ちゃんと、生きてほしいです。ご飯を食べて、ちゃんと寝て、部屋にこもってばかりではなくて、自分が好きなことして、バイトもして、遊んで、たまに嫌いなこともして……とにかくちゃんと生きてください!!」
「自分が決めた道をちゃんと生きてほしいです。ご飯食べて、日の光を浴びて……生きてください」
◆「ちゃんと、ご飯を食べないとだめだよ」という言葉
インタビューはそこで終了しました。
インタビュー終了後に、先生は思いがけない言葉を私に掛けてくださいました。
「ちゃんと、ご飯を食べないとだめだよ」
そして、「お礼」としてお菓子をくださいました。帰宅して、私は久しぶりにお菓子を食べました。
実はこのイベントの直前まで仕事と私生活の重さに精神的にダウンしており、数日間ほぼなにも食べていない状態でした。
食べてはいるけれど、すべて砂をかむような味になっていておいしいと思うようなことが何ひとつなかったのです。
食物を摂取して、かろうじて生きて仕事してます……。
毎日どんよりしています……と言うぐらいです。表面上は「元気っすー!!」と言ってましたが、1人になったら「あぁ、もう恥の多い人生でごめんなさい」というありさま。
こんな状態だったので、打ち上げにも参加せずまっすぐ帰宅。
「ちゃんとご飯を食べないとだめだよ」と言われていただいたお菓子。そのいただいたお菓子を食べました。味がよく分かりました。とてもとても甘く、やわらかいお菓子でした。
数年前、私は将来ITで生きていきたいと思って専門学校に入りました。
そして今、ちゃんとプログラマとして生きようとしているのです。
自分の中で迷っていた気持ちが、その日晴れたような気持ちになれました。
◆好きです
私は、プログラマとしては失格の部分は多いです。適性も、ないかもしれません。
それでも、プログラマとして、プログラムを書けるようになりたい。言語は決まってないけども、どの言語でも勉強すれば書けるように基礎から勉強したい。
在校生に伝えたい言葉は同時に、自分が自分に言いたかった言葉でもあったようです。
自分が決めた道なのだから、ちゃんと自分で道を作って歩いていこうとその日から思い始めたのです。
とはいえ、私は相当不器用なので(人生的に)、すっ転ぶことが多いのですけどね。
寄り道もするし、立ち止まることはある。まぁ、それも一種の道だからいいかなーと楽観的に考えています。
桜が咲くこのシーズン、こんな青春のようなコラムをかいてみました。
「生きてください」
それがあなたに贈る言葉です。
コメント
scrtch
こんにちは。初めまして。
私は、IT技術者ではありません。
自動車の部品メーカーで製品の機能評価や評価方法を考える、いわば実験屋と
言われる技術者です。
コラム内の『生きてください!』
グッときましたっ!!!
これまでは実験したり、評価したりすることが楽しくて、
今の仕事は楽しいっ!と胸を張り続けての15年でした。
この2月から、これまでの技術者の仕事プラス、マネージメントの
仕事も任されるようになり、若干へこたれ気味でした。
新人の頃の不安だけどなんだか楽しいといった気持ちが、
楽しいけど不安に変わり(このニュアンスわかりますかねぇ?)、
ちょっぴりモチベーションが下がっていたのです。
でも、このコラム見て『あぁ、なんかすっきりぃ~』って感じになりました。
兎角、役職が付いたり、ベテランになってくると、純粋な気持ちよりも
なんというか、同調・事なかれ発言・見て見ぬ振り・・・etcと
汚れた面がでてきてしまうものですが、今の気分は殻を剥きたてのプリップリの
ゆで卵みたいになった気分です。
上手く表現できず、申し訳ありません・・・
とにかく元気が出たのは間違いありません!
ありがとうございます!!!