髪盛ってるから森姫

コラムニスト入門

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◆好きです

 コラムを始めてまだ1年半しかたっていない私がこんなタイトルで書くのもどうかと思われるのだが、少し目的があって書いてみることにした。

 最近、コミュニティやセミナーで名刺を出す際に一緒に「コラムニストカード」というものを出すのだが、「@ITで書いていらっしゃるんですか?!」とびっくりされることが多い。

 人によっては「たまに読んでます!」というありがたい言葉をいただく。

 その言葉をいただいて、「“たまに”じゃなくて、“いつも”にしていただけるとありがたいのだけど」と思ったりするのはここだけの秘密。

 いえいえ、読んでいただけるだけでもありがたいです。

 同時に感想もいただけることがあるのだが、これまたありがたい。

 そして必ず言われる言葉がある。

 「コラムが書けるってすごいですね!!」

 すごいというのがどういう意味合いを含んでいるのか……それを考え出すと5分ほど経過してしまい、話題が止まってしまうので、「ブログを書くのとそんなに変わらないですよ」と返しておく。

 そんな素敵な会話ができるのは、コラムを書いているからこそである。

 今年は、秋と冬にコラムニストたちによるLT大会が行われた。

 個人的には楽しくてたまらなかった。普段まじめなことを書いている人たちが、こんなにはじけるなんて!! という面白さがあった。

 同時に、ふとした思いが浮かんだ。

 「もっと多くの人に、この楽しみを味わってもらいたい」

 そんなわけでこんなタイトルでコラムを書いてみることにした。

 ITとはあまり関係のないコラムとなってしまうが、そこは「年末だから、森姫さんの頭のネジが1つ取れてしまった」程度に思っていただきたい。

◆コラムニストになるには?

 応募方法は簡単である。

 エンジニアライフ上の「コラムニスト募集」のページの募集要項をさらっと読み、同意しましたといわんばかりに必要書類に必要事項を書いて、編集部にメールするだけ。

 多少の審査はあるが、だいたい通るはず。編集部から認定されれば、あなたはもう「コラムニスト」である。

◆コラムってなにを書けばいいの?

 コラムに書く内容は「IT関連の何か」であれば基本的にフリーである。

 仕事についてのあれこれを書くのもよし。プログラムのソースコードをあげて解説するのもよし。

 IT企業であるなら、会社の宣伝でもいいだろう。

 勉強会やセミナーの感想でも大丈夫である。変な話だが、妄想をかいてもいいと個人的には思っている。

 「こんなスマートフォンが出たらいいな」という勝手な妄想。

 ただ、注意すべきことが1つ。「個人の中傷・誹謗は書いてはいけない」ということだ。文章で個人を傷つけてしまってはいけない。特に「エンジニアライフ」という極めて大きな媒体に載ってしまうのだから気を付けなければならない(もちろん、いき過ぎた内容に関しては編集者から事前にチェックが入るので、その段階でボツになるのだが)。

◆コラムって原稿料は出るんですか?

 エンジニアライフのコラムニスト募集要項に小さく記載されているが、原稿料は発生しない。

 もちろんだが、何かの勉強会のレポートをかいたとしても、そこまでの交通費が支払われるわけでもない。

 基本的には「ボランティア」としてやっていると思った方がいい。

 ボランティアとすると、少し違和感を覚えてしまうので「コミュニティ」として考える方がいいと思われる。

 原稿料が出ないということが関係しているかは不明だが、コラムには基本的に「締め切り」という概念が存在しない。

 なので「○月○日までに1本書かないと……」という切羽詰った状況に遭遇することはない。好きなときに書いて、提出するというスタンスが取れるのが魅力である。

◆コラムニストになるといいことがあるんですか?

 「いいこと」というものの指針は人それぞれであるので少し意図が違うかもしれないが、このようなことがある。

1.IT業界で、横のつながりができる

 Twitterでよくコラムニスト同士がやりとりしていたり、読者とのやりとりをしていたりする。

2.勉強会の自己紹介スライドに「コラムニスト」と書ける

 勉強会などの場所(会社での発表で使うかどうかは社風次第)での自己紹介で「@IT自分戦略研究所というところでコラム書いてます!」と名乗ることができる。

 はっきりいって、この破壊力はすごい。@ITという大きな場所でなにか書いているということで「この人、なんとなくすごい」と思わせることができるからだ。

 自己紹介のスライドでも大きく「@IT自分戦略研究所 コラムニスト」と書くことができる。箔がつくのである。

3.コラムニストカードがいただける

 「コラムニストカード」と呼ばれる、名刺の代わりのようなものがいただける(注:強制配布ではないので「ください!」と編集部にいわないといけないのだが)。これを何かの機会に出せば、やはり「この人、なんとなくすごい」と思わせることができる。

4.コラムニストオフ会に参加できる

 今年から始まった「コラムニストオフ会」(通称:リッツパーティー)に参加する権利がもらえる。

 リッツパーティーは基本的にはLTを行うことになっているが、まだできたばかりの会合なのでこれからどのようなものになっていくのかが期待できる場所である。

 また、リッツパーティーに関してはコラムニストが企画・立案して行うことが多いので、自分が立ち上げることもできる(注:@ITの名前を使う場合は編集部に確認する必要はある)。

5.文章力・話題力が上がる

 このあたりは自分が意識しないといけないのだが、意識していればしているほど文章を書く力が上がる。

 文章力は読んで、書いてこそ上がるものである。通常のブログとは違い、エンジニアライフで書くということは、一度編集部に文章を読んもらっているので、そのあたりの緊張感が違ってくる。

 「いいものを書かないといけない」と思ってしまうので、いかにうまく書くかというものを思考している間に文章力が上がってくる。

 また、コラムの話題探しにいろいろなことにチャレンジしていると、話題に困ることはなくなる。

 幅広い世界を見ることも可能である。

 と、5つほどあげてみたが、人によって「いいこと」の定義はかわってくるのでこれらはあくまでも「一般的に考えられるいいこと」の例である。

 コラムニストによって得られるものは違ってくるが、最低上5つは保障されているものだと思われる。

◆コラムニストが失うものとは?

 コラムニストになって、もちろんいいことばかりではない。失うものは多々ある。

 まず第1に「時間」である。

 よほど慣れた人でない限り、コラムを書くのには時間がかかる。

 先述したとおりだが、コラムに原稿料は発生しないので、タスクとしてはどうしても後ろになりがちであり、書くことすら忘れてしまう。

 本業が忙しければ忙しいほど、コラムを書く時間は取りづらくなる(コラムニストさんの中には、本業がとてつもなく忙しいのに無理を押してでも書いている方もいらっしゃることは事実であるが)。

 本業のほかに、家庭などの優先するべき事項などが存在する場合はますます難しい。やはり「時間」が犠牲となってしまう。

◆そこまでしてコラムを書いてうれしいことはなにか?

 冒頭で触れたとおりだが、書けば書くほど……読まれれば読まれるほど得られるものは大きくなっていくのである。

 「いつもコラム読んでます」といわれてうれしくない人などいないだろう。

 そのほかに、こんな言葉をいただいたら、どうなるだろうか。

 「あなたのコラムは、読みやすい」

 「あなたのコラムの内容は、いつも面白い」

 「思わず応援したくなる」

 「考えさせられる」

 いただける言葉は、もちろんいいことばかりではないが、大体の人はいい言葉を、ポジティブな感想をくれる。この達成感はおそらくコラムニストでしか味わえないものだろう。

 「私には、書く勇気もない。書く内容もない。だって、世の中に発信したいことなど何もないし」

 まずは、書いてみてはどうだろうか? 内容など、後からついてくるものである。

 まずは、何かエディタを開いて少しずつ書いていってみよう。別に世の中に発信しなくても、コラムを書くことで自分が何か変われるかもしれない。自分の中の何かが変わるかもしれない。

 世の中への発信など、後でもよいと思う。

◆入門として

 コラムを書くことは、大変ではある。しかし、自分を変えることとして、そして面白い世界へいける手段としては最高のものである。

 さて、あなたも年末にどうですか?

 このコラムを読んで、年明けに編集部宛てにたくさんのメールがきていたら、私は大爆笑する。

Comment(1)

コメント

Anubis

西の果てからこんにちは。
そうですね。書いてみないと考えないような事もたくさんありましたね。
文章って、普段から書く訓練をしたり、人目にさらしてみないとなかなか上手くならないようですね。
このように公開する場所と機会を提供されることは素晴らしい事だと思います。

このコラムを読んで、年明けに森姫様宛てにたくさんのファンレターがきていたら、私は大爆笑する。

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