髪盛ってるから森姫

LYNXを持つ女子はどれぐらいモテるのか?

»

 時は2010年7月23日。ドコモからAndroidスマートブック「LYNX SH-10B」(以下、LYNX)が発売となった。

 どうやら女性をターゲットにした新しい形のケータイということだったので、調査員・森姫はさっそく購入した。

 余談だが、もちろん予約して発売日に購入。

 使い心地よりもまず先に気になったことがある。

 以前どこか(編注:たぶんコレ)で「iPadはモテるのか?」という趣旨の記事が出ていた。記事ではたしか男性調査員が山手線内で実験していたようである。

 では、女性が持つスマートブックではどうなるのだろうか? そこでさっそく3日間で実験してみることにした。

 LYNXを持って歩いたら、どれぐらいモテるのか? これは、ちょっとモテたいけどモテない奥手な1人の女性による実験である。

◆前準備をする

 実験をするにあたり、まずは「基礎的にモテる」ことを考えた。

 ギャルよりも清楚なお姉さんのほうがモテる。……という独断と偏見のもと、まずは自分の服装とメイクを見直した。

 露出を控え、眼鏡をかけ、知的なイメージを出してみた。

 メイクは普段よりも控えめに。もちろんつけまつげなどは厳禁。シャドーはラメは入れず、少し可愛げにピンクをチョイス。

 どこにでもいる大学生風のお姉さん(とはいえ、調査員は26歳)。若干オタク要素がある。これがポイント。隙のない美人は話しかけづらいのが本音だからだ(森姫調べ)。

 これなら声もかけやすかろうということで、これでいくことにした。

 次に場所である。

 モテるためにはやはり人数が多い場所を選んだ方がよい。絶対数が違いすぎるからだ。

 ゆえに、田舎よりも都会であることがよい。

 このため、場所は大都会東京を選択しようとしたが、「自分のテリトリー以外でモテることに意味はあるのか?」と考え、思い止まる。

 一時のモテよりも永続的なモテが欲しい。素直に自分が住む田舎で実験を行うことにした。

◆1日目:日本Androidの会 中国支部勉強会に行く

 まずは確実にモテそうな場所にいってみた。

 Androidユーザーが集う場所に足を運ぶ。ターゲットはAndroidを愛する男子。

 気合いを入れすぎたわたしは、会場入りが誰よりも早かった。

 会場のロビーにて、さっそうとLYNXを華麗に操作する。用はスタンバイして待ってみたということだ。

 するとどうだろう。最初に会場にはいってきた男性から「あ、LYNXですね」と声をかけていただいた。

 この場所ではどうやらモテるらしい。勉強会にきた男子の半数に声をかけていただいた。

 1日目の結果:モテた

◆2日目:iPhoneユーザーの場所へ行く

 次の日、わたしはWebの勉強会にいってみた。この勉強会、なぜか圧倒的にiPhoneユーザーが多い。

 つまりアウェー戦である。

 ここぞとばかりに自慢気にしてみたが、LYNXを話題に話しかけてくる男性は1人もいなかった。

 皆、わたしよりもiPadに夢中である。勉強会の内容もiPad中心であった。

 しかし、1人のiPhone女子が興味をもったらしく話しかけてくれた。

 「それ、Androidですか?」というところから始まり……話をしていく中で、最終的にその女性は「森姫さんをなんとかiPhoneユーザーにしたい」という結論を出した。

 あやうくこちらがiPhone 4やiPadを購入してしまうところだった。あやうい。

 2日目の結果:まったくモテなかった

◆3日目:エンジニアの職場という日常で使用する

 昨日までは「週末」という非日常であった。しかし本日は月曜日である。日常の中でLYNXはモテるのか? 実験の本番がはじまった。

 いつもと変わらない表情で職場へ向かい、朝は少し早めに出社し机の上にさりげなくLYNXをおいてスタンバイしてみた。

 1人目の男性が職場にやって来る。

 挨拶をかわし、男性は机に向かった。

 気付いているのかいないのか分からなかったら、LYNXの話題になることはなかった。

 そうか、一般男子はLYNXには興味がないのか。と思いながら仕事をしていると、上司に用事があったお客さまが去り際にわたしの席で立ちどまった。

「まさか森姫さん……LYNX買ったんですか?」

 釣れた。内心、小躍りである。ようやく、ようやく……と嬉しい限りだ。お客さまの一言で、ようやくわたしのLYNXが注目された。

 ざわざわという効果音が似合う光景が職場に広がる。同僚の女子も作業の手を止めて「それ、ケータイだったの?」と聞いてきた。

 注目度は高いようである。その後、お客さまと30分ほどケータイ料金談義をした。

 余談だが、その日の帰り道にバスをまっていたらなんと同じLYNXを持った男性が現れた!!

 勝手に仲間として認定して、こちらから声をかけようとしたが、一歩を踏み出せなかった。小心者なのである。

 軽く視線を投げておいた。気付いてくれただろうか。

 3日目:わりとモテた

◆クライマックス:帰路の電車での熱い視線

 最大の勝負になるであろう、わたしのテリトリー山陽本線下り列車内。

 帰路のサラリーマンをターゲットに電車内でLYNXを広げてみた。もちろん、人々の目に留まりやすいドア付近の席で。

 キーを打ち、知性を出す。時には縦に持ち替えてブラウジング。

 しかし、声をかけてくる男性は1人もいなかった。

 むしろ視線を投げてくる人などいなかった。

 わたしの心は折れる一方。やはり、人の多い場所では男性は声をかけづらいのか? 身内が持っていないとダメなのか?

 電車に乗り、2駅ほど過ぎたときだっただろうか。

 サラリーマン2人組が電車に乗ってきた。視線が合う。

 1人がわたしを見て「あ……」と言ったような気がする。

 気がする……というのはわたしは「普通の人」を装うためにイヤホンで音楽を聞いていたため、周りの声は聞こえないのだ。

 とりあえずにこっと笑い、わたしはLYNXを操作し続けた。

 2人組はこちらを見て、会話をしている。

 勝手な妄想で吹き替えをしてみる。

 A「あれ、LYNXじゃねぇの?」

 B「本当だ……」

 A「すごくね? 買う人いたんだ!!」

 B「本当だ……」

 声を……声をかけてほしい。わたしは心の中で熱く思った。

 心は進まぬまま電車だけが進み、わたしが降りる駅に着いてしまった。

 泣く泣く、わたしはは電車を降りようとした、その時であった。

 サラリーマンが笑いかけてくれた。

 わたしも目を合わせて、にこりと笑って電車を後にした。

◆レポート結果

 顔見知りにはモテる。しかし、遠く離れた位置の人間にはモテない。

 どれぐらいモテるのか? という今回の調査結果としては「ターゲットはLYXNに興味のある男子を選べばモテる!!」というありきたりのものしか出せなかった。

 しかし、興味のある男性は、やはり多いようである。

 今回の3日間では「サラリーマンの笑顔」しか成果がなかったが、堂々としていればいつかは声をかけてもらえる日がくるかもしれない。

 「それ、LYNXですか? 実は僕も興味があって……」

というような出会いを妄想しながら、今日もわたしは白LYNXを片手に街をさまよい歩くのであった。

 ……実際は小心者なので声をかけられたらものすごく警戒しますけど、うれしいですよ。

Comment(3)

コメント

このタイトルをパクって「xxxを持つオヤジはどれぐらいモテるのか?」というコラムを書こうかなぁ・・・なんて思いましたが、なかなかいいアイデアがわきませんでした(笑)

個人的には、親指一本で携帯メールやっている女性のしぐさが可愛いと思ってしまいます。

もっと昔のドラマではキムタクが携帯のアンテナを引き出して通話するシーンなんかカッコいいと思っちゃいました。

時代とともに、カッコよさ、可愛さが変わっていくのでしょうね。

モテレポート面白く読みました。
ってか、かなり面白い。
まー、小心者のぼくは声を掛けられませんが。

コメントありがとうございます。何か光栄。
さてTwitterですが、アカウントがないことをカミングアウトします。
そろそろ作らなくては?と思うこの頃。。。

コメントを投稿する