地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

考え方の違いとの付き合い方

»

 私は自分の考え方として、人それぞれで色々な考え方を持つのが普通でありこうでなくてはならないという正解はそれほどない、と思っています。例えばそれは技術への取り組み方であったり、仕事に対する考え方であったり、人に対する考え方であったりします。私としてはこう考える、という線は持っていますがそれが正解ではないというのも同じく理解しているつもりです。

 自分の中では、IT エンジニアであるなら多くの技術に通じ顧客の課題を解消するために腕を振るったり知恵を絞ったりするものと考えています。しかし世の中には与えられた仕事だけに取組み、それ以上の成果を生み出そうとはしない考え方もあります。技術者としてどうかと思うところはありますが、ビジネスを行う企業の一員として考えると間違ったものでもありません。

 同じように、日々色々な技術に触れあって学習しようとする考え方もありますが、必要な際に調べるようにし日頃は何も学習しない、と考えることもどちらが正しくどちらが誤りというものでもありません。あくまでも、私が好む考えか好まない考えかでしかないのです。

 ただ、だからと言っても何かしらの方針がなければ、関わる人達それぞれが違う考え方をすることで、ほぼ確実に悪い結果へとまっしぐらになります。そのためにも、まず企業として一つの方針が必要になります。よく言われる社訓だとかもこれに含まれます。

 このようなものを用意することで、まず企業に属する人達の中で方針を統一し、個人の考え方に左右されない体制を作ろうとするのです。この方針と考え方が一致していればよいのですが、それもなかなかないのが実情です。会社の方針に納得がいかないということも、多々起こりえます。そのようなときには自分の考えを一時的にでも変え、会社の方針に合わせるようにすることが多いのではないでしょうか。

 仕方のないところではありますが、このあたりは数少ない正解だとも感じています。自分が代表を務めているとかであれば、企業の方針と自分の方針を一致させることも問題ありませんが、私も含めた多くの人はそうではありません。雇われる側である以上、自分の方針を企業の方針にすり寄らせる必要があります。業界としてどうこう、どいうのもあるかもしれませんが現実的にはやはり企業単位となるものだと考えます。

 そう考えると、エンジニアとしてこうあるべき、という考え方はあまり良くない考え方なのかも知れません。ここの順番をどうとらえるか、というのはありますが、エンジニアである前に企業に勤める立場です。そこで働く以上は、順序として企業を優先せざるを得ません。この企業で働いているのであれば、ここは間違ってはいけないところなのかも知れません。

 そのように自分の方針を会社に合わせていくうちに、ギャップを多く感じるようになります。そのギャップが多くなってきたときが、その企業から離れるタイミングになるのだと思います。

 このように考えることで、考え方の違う他人との付き合い方も変わってきます。相手と自分とでは、考え方やそこにたどり着くまでのロジックも違うのですから、一時的に合わせようと思ってもどこかで辛くなる可能性が高いです。企業との付き合い方と同様に、ギャップを多く感じるようになったのならば、その人とも距離をとるのが一つの方法なのです。自分の考え方や相手の考え方を直そう、とは考えてはいけません。それはかなりの確率で失敗しますし、お互いに良い気分にはなりません。

 そうならないためにも考え方や方針を否定するのではなく、自分に合うか会わないか、その一点で判断するのがよいのではないでしょうか。その相手が人であるか企業であるか、という違いがあるかもしれませんがどちらであろうと同じように対応できるのだと思います。

 どのような考え方であろうと、それが誤りというのはあまりありません。あるのは基準とするべき方針とその考え方にギャップがある、ということです。状況が変われば、務める企業が変われば、向かい合う相手が変われば今まで正解と思っていたものも誤りと感じてしまうことがあります。そうであるならば、誤りではなくギャップがある、このように考えていくのが良いのではないでしょうか。

 何かしらにつけて否定するのは簡単です。自分基準で決めつけるのはもっと簡単なことです。ですがそこを、ギャップがあった、と捉え方を変えることでよい方向へ進みやすくなるのではないか、そのように私は考えます。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する