地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

仕事なんかしなくてもいいじゃない

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 タイトルだけ読むと何を言っているんだ感が満載ですが、半分は外れていないと思っています。というのも、日ごろいろいろな目的のために仕事をしていると思いますが、人によっては仕事が目的に入れ替わってしまっているのではないかと思える場面も見受けられます。朝から晩まで仕事だけを一所懸命にこなしていく事ははたから見ると素晴らしいことにも思えるかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか。

 社会人としてはかなり不適切な趣旨になりますが、私としては仕事だけこなしている状態をあまり良く考えていません。反対に適度に仕事以外のことを交えることができる状況がベターだ、と考えています。管理者的な見方をすれば、仕事中に仕事以外をするのはいかがなものか、と怒られてしまうのでしょうが、私は逆に仕事中に仕事以外のことを行うのは、決して悪いことばかりではないと思うのです。

 有名な話でGoogleが勤務時間の2割程度を自分のプロジェクトのために費やせ、というルールがありました。このルールを私は非常に気にいっており、実際に私もそれに近い形で日々を過ごしています。勤務中に今現在携わっているプロジェクトの業務以外のことをやる時間を、状況に合わせて調整しながら毎日用意して、その時に気になっている技術やニュースなどを調査したり、試してみたりといろいろなことに手を出しています。その効果は思っているよりも大きく、そのときは役に立たなそうな技術であっても、まったく違う場面でその話題を出せたり、使いこなすことができるようになった段階で自分の仕事に取り入れられたりと、プラスとなることの方が多かったのです。

 また業務時間中にやることにはもう一つ大きな理由があるとも考えています。それは、自宅に帰るとやりたくなくなることが多いからです。業務時間にがっつりとPCを触っていると、帰宅してからは触りたくない、という人も多いのではと思いますが、そのような人こそ業務時間中に業務外のことをやるのが適していると思います。実際勤務時間中であれば、まだやる気もあるというかそこまでPCを触ることを体が拒否するのも少ないでしょうから、その時にこそ仕事外のことに手を付けるチャンスなのです。日ごろ調べてみたいなと思ったことへ挑戦してみるとか、最近話題になっているニュースを追いかけてみることで知識を増やしたりとか、できることが多々あるのではないでしょうか。

 そうなってくると障害となるのがやはり管理者や上層部です。果たしてこのコラムがそういった層にまで届いているかは分かりませんが、もしこのコラムを見たのであれば、ぜひとも勤務時間中にこういった行動をすることを許してもらえないでしょうか。もちろん主たる仕事をないがしろにしてしまうまで没頭するのは問題がありますが、そうでないのであればこういった行動には目を瞑ってもらいたいのです。
 このコラムでも何回か、自主的に行動することのメリットやその難しさについて取り上げたことがありますが、仕事でないことであれば結構自主的に動かれる方というのは多いと思われます。会社ではおとなしいけれども会社の外では別人のようだ、という人もかなりの割合であなたの会社にもいるのです。そういった方々がもっと活躍できるようになってもらうためにも、業務時間中に業務以外のことを行うのは非常にメリットの高いことだと思われます。

 人間は不思議なもので、興味のあるものごとに関しては行動するためのエネルギーが湧きあがりやすいのですが、興味のないことに関してはものすごく低いというよりもほぼゼロに近いエネルギー量でしかありません。興味を持つことこそがすべての始まりにつながるのです。

 そのきっかけを作るためにも仕事だけをこなしているようではいけないのではないでしょうか。自主的に行っているのであればまだしも、会社で仕事として行う作業にそこまでのエネルギーを発生できる人は少ないです。そして業務を改善していこうといった、そのように行動できる方の数はもっと少ないのです。ですがこういった業務外の事を行うことで、それがきっかけとなることも十分考えらるのです。仕事だけを行っていてはそれはなかなかに得難いのではないでしょうか。

 ぜひ、これを読んだ皆さんも、何か違うことに手を出してみてください。そして興味を持つことを増やしてみてください。それはきっと皆さんの糧になることだと思います。

Comment(6)

コメント

オレンジ

初コメです。

タイトルだけ読むと何と魅力的なことを言っているんだ感が満載です(笑)。

それはともかく、別の側面から趣旨に賛同します。

というのも、個人的な経験談で恐縮ですが、業務において待機時間が発生することがちょいちょいありまして。
(前工程で不具合が発生して、その解消待ちなど)

当然、他に仕事があればそちらに手を付けますが、ホントにその瞬間に手持ち無沙汰になることもあります。
そんなときに何か技術書を読んで勉強したり、@ITなどのサイトを見て興味を引くものを探したり出来たら良いなと常々思っていました。
ところがそうすると往々にして周りから「遊んでる」などと不興を買うわけです。
なので仕方なく勤務表をメンテしたり、コミュニケーションを深めるという名目で雑談したりして時間を潰します。
これはこれで大事なことですが、やはり時間の使い方としては苦しいし、ちょっと勿体ないなと思うこともあります。

こういったことの解消としても、コラムのような方針があればありがたい話だと思いますね。

Ahf

オレンジさんコメントありがとうございます。

書いた本人が言うのもなんですが魅力的ですよね、タイトルだけは(笑

>そんなときに何か技術書を読んで勉強したり、@ITなどのサイトを見て興味を
>引くものを探したり出来たら良いなと常々思っていました。
>ところがそうすると往々にして周りから「遊んでる」などと不興を買うわけです。

そうですね。実際の業務において、空き時間が発生することも多いですし、
そういった時に何かしらの興味のある事に手をつけたりすることは
非常に有意義だと考えています。

職場の空気も関連しますが、もしそういった空き時間になにかやるのが
はばかられる環境であった場合、何かやるにしても大変ですよね。
今回のコラムで書いた方針を色々な会社が参道してくれると、
技術者も更に成長しやすくなる良い環境になると思うのです。

まさぼう

別に、半期なり4半期なりの(成果)目標に、

「業務改善提案をする」や
「技術改善提案をする」

という1文を入れればいいのではないでしょうか?

その具体的実行項目として、
「ニュースをチェックする」や、
「業務に使っていない言語の勉強をする」

など入れておけばよいのだと思います。
もちろん、最終的に結果を求められますが、
どのような結果を作るのかは自分次第だと思います。

頼むから自立的な「改善提案」をしないでくれ!
と頼まれるような職場であれば、どっちみち、
本当に直接関係ないことは、すべて「あそび」に扱われてしまうと思います。
(そのときは、職場と自分の将来のミスマッチなので別な意味で考えるしかないと思います。)

上司の立場から言えば、
本当になんの結果・成果としても見せることができなし、
見込みも立てられない事に足しては「OK」や必要なこととして「見過ごす」事は出来ないと思います。

逆に、目標時に入れているのであれば、
その光景を見せて、逆にアピールするくらいのしたたかさがエンジニア側にあってもよい気がします。

Ahf

まさぼうさんコメント有り難うございます。

>「業務改善提案をする」や
>「技術改善提案をする」
>という1文を入れればいいのではないでしょうか?

そうですね。それができるとやりやすくなると思います。
私は残念ながらそういう立場にいないので難しいところですが・・・

言われているように「したたかさ」がエンジニア側に必要、というのはその通りだと思います。これも技術といっていいかも知れませんね。
環境の中でどううまいことやっていくか、そういう技術というのでしょうか。

オレンジ

Ahfさん
返答ありがとうございます。
いや、すみません。すっかり言い忘れてましたが、内容も魅力的です(笑)。

>技術者も更に成長しやすくなる良い環境になると思うのです。
まさにこれが肝ですね。
人材育成のひとつの手法としても捉えてもらいたいです。

まさぼうさん
全く仰る通りだと思います。
現状でもやれないことはないでしょう。
しかし、こういったことは必ずしも人に見せられるだけの結果・成果に結び付かないこともあるんだと思います。
その前提で、改善提案などの目標として立てるのは、多少なりとも仕事としてのやらされ感があるというか、ちょっとハードルが上がるかなと思いました。
このハードルを下げたらどうだろうか。私はそういう方向で考えました。

「仕事なんてしなくてもいいんじゃない」はまだ表現が甘くて「勤務なんてしなくてもいいんじゃない」(ようするに自宅で自由気ままに働くだけで会社には月1回くらいしかいかない)でいいと思います。

会社にいて、何パーセントの時間を自分のプロジェクトに充てるという考え方は、古くから日本企業の研究所にありました。しかし、全然うまく機能しなかったのです。会社にいる、会社にしばられてるうちは、発想が広がらず、単に自己満足なことしか考えないもんです。

ここの読者は自己のプログラミングテクニックの向上ばかり考えてますが、所詮高度なアルゴリズムを生み出せる天才でもないかぎり、単なる独創性が欠如した頭でっかちになるだけです。

在宅勤務で自由に時間を使って、アルバイトやボランティア活動、スポーツ、遊びなどいろいろなことを経験することで、新しいビジネスモデルを創出する可能性が増えると思います。

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