いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

タブレットのもたらす未来

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■ Microsoftのもたらした変化

 この前、Windows8.1が出た。スタートメニューが復活したと話題になったが、コレじゃない感が丸出しだ。iPadやらAndroidに影響されたのか、やたらとタッチパネルを使ったタブレットのスタイルをおしてくる。

 おかげさまで、ノートPC売り場に行くとほとんどの製品がタッチパネル対応になった。ただ、タッチパネルメインで使う事を想定して、複雑な機構が盛り込まれたり、画面部分にバッテリーが搭載され、机に置いた時の安定が悪い製品もけっこうある。

 OSの変化によってノートPCの形が変わったと明確に感じた。ただ、純粋にノートPCという観点から見ると、逆に使いにくくなった。Mac Book Airの方が順当な進化を遂げたと思う。きっと次にノートPCを買う時はMac Book Airだろう。

■タブレットの操作は楽ではない。

 タブレットの利点は、見たまま直感的に操作できることだ。逆に言うと、だから役に立たない。ガリガリとスクリプトを書いたり、キーボードショートカットを連発するような立場からすると、タブレット持つのが重いし、指でなぞるのもおっくうだ。長時間の作業や、文字を大量に入力するにはつくづく向かないデバイスだ。

 操作が直感的でも物理的に運動量が増える。長時間作業するとなると、机に手首をダラーとして、マウスすら握りたくない。悪いが、ホームポジションから手を動かしたくない。ノートPCのタッチバットでカーソルを動かし、キーボードショートカットを駆使して操作している。

■タッチパネルが活きる場面

 今の時代のコンピュータを操作するのに、タッチパネルはむしろ邪魔だ。操作の効率を求めるなら、ショートカットキーでも覚えた方が断然効率が上がる。タッチパネルを使用したソフトは、GUIに操作領域を取られデータの表示領域が制限される。また、文字列を使用した操作では効率が大きく落ちる。データ処理にはタッチパネルは向かない。

 タッチパネルが真価を発揮するのは、リアルタイム性の求められる操作だ。現に、ゲームではキーボードで操作するよりタッチパネルの方がより直感的に操作できる。また、手元が安定しない場面でも操作できるので、ロボットや機械の操作に使うインターフェイスの方が相性が良いのではと思う。

■タブレットの描く違う角度の未来

 タブレットが切り開くのはビジネスシーンではない。活用されるとしたら、せいぜい外回りの営業さんくらいだろう。そんなところより、スポーツの監督、工事現場、戦場(?)の方が活躍するシーンがありそうだ。今のコンピュータに取って変わるのではなく、新たなスタイルを見いだすというスタンスでこそ、タブレットというデバイスは活きると思う。

 さてこれからタブレットはどう進化していくのだろう。最近では、折り曲げる事のできる液晶画面。みたいなものがもうできているらしい。十年後には、本のようにページをめくることのできるコンピュータができるかもしれない。個人的には、水晶玉のような3D映像を移し込めるタッチパネルのデバイスができて欲しい。

 今あるものの延長だけが進化ではない。取って代わるのでなく、使われていない分野への進出というのもありではないだろうか。

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