いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

君の知らない物語

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■いつも通りのある日の事、君は突然立ち上がり言った。

 「何しとんじゃ、ボケェァァァ!!」

・・・

・・・

 響く怒号の中、黙々と仕事をする。とりあえず隣の部署でトラブルがあったのは分かった。エンジニア間でよくある認識の違いというやつだ。

 エンジニアの扱っている対象が非常に複雑な仕組みだ。お互いの考え方の違いが出やすい。しかも事実は刻、一刻と変化する。エンジニア同士でチームワークを組む難しさというのは、ここにあるのではないだろうか。

■予想できない結末

  エンジニア同士でもめているのを客観的に見ていると、お互い自分の知識の正当性を主張しあっているのをよく聞く。双方共に「自分の知識が正しかった」という結論を望んでいるのだろう。しかし、実際はもっといろいろな結末のパターンが存在する。

 勝負の結末は、単純な勝ち負けだけではない。引き分けにしても両方バッドエンド、双方納得する決着もある。不戦勝、不戦敗、第三者の介入により勝負の続行不能、なんてパターンもある。細かく見ていけば、想像の付かない結末なんていくらでもあり得るのだ。

■仕組まれた結末

 エンジニア同士話していて話が合わない時は、まず自分を疑うようにしている。話のつじつまが合わない時、結果が自分の想像の付かないところにあったりするからだ。また、Yes,Noで答えを求めても、自分と同じ判断基準とは限らないからだ。

 あとは、無意識に自分の望む答えを相手に求めていないか、常に気にしている。予想をたてると、無意識にそれが当たることを望んでしまう。どうも人間にはそういう側面があるようだ。また、状況的に自分の望む答えを相手に答えさせようとしていないだろうか。

 自分の望む答えを相手に望むと話の流れが誘導尋問になってしまう。こうなってしまうと、いかなる相談、議論、報告が意味を成さなくなってしまう。ここから全てがズレていくのだろう。

■ベストを越える結果

 できるビジネスマンというのは、相手の望む結論を導き出すのが上手い。ここまでは一般論だがその先がある。できるビジネスマンは、皺寄せを散らすのが上手いのだ。心やさしいビジネスマンは、回りに負担のかからないように皺寄せを散らす。心無いビジネスマンは最も自分に皺寄せのこない手段を選ぶ。

 ただし間違えてはいけない。相手の望む結論を越えるハッピーエンドはあり得るのだ。現代のビジネスマンは、ベストは尽くすがネクストが無い。ベストとは、今考えうる最良の手段だ。ネクストとは、最良を越える未知への挑戦だ。

 エンジニアとして成功したいと思うなら、知識や経験は必要だ。これが無いとビジネス的なアプローチができない。だが、ここで満足して欲しくない。未知に対してアプローチできる力は鍛えるべきだ。具体的に言うなら、想像力や思考の柔軟さ、発想力だ。エンジニアの目指すべきは、ベストではなくネクストだ。

 ベストを越える結果といってもなかなか想像がつかないと思う。だからこそ、「君の知らない物語」なのだ。

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