いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

超高速開発と聞いていろいろつぶやいてみる。

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■超高速開発コミュニティ設立と聞いて

 超高速開発コミュニティが設立したそうだ。記事はこちら。「企業のスピード経営の実現」と「魅力あふれるIT業界への変革」が柱とのことです。注目すべき点は、競合する企業同士で切磋琢磨しようとする姿勢だ。

 競争が単なる潰し合いではなく、フェアに競うのであれば、これは素晴らしいことだと思う。いつものコラムの流れだと、「超高速の反面、リスクがでかくなる」とか「それを実現するには云々……」という流れになるが、今回は別の切り口で書いてみたい。

■超高速を支える基盤

 いつも開発をやってる人を見てちょっとうらやましくなる。勉強会とか活発だし、一つのことを実現するにもいろいろな手法がある。これは私の偏見かもしれないが、コードで動きを組み立てていくので、自分の腕次第でどんなこともできてしまいそうなイメージがある。

 一方インフラ系は、できることが製品に依存してしまう。勘違いが、即手詰まりにつながってしまうことがある。開発が超高速で動くのであれば、超高速に耐えれるだけのインフラ系の技術も必要じゃないかなぁと思ったりする。そういう基盤が、最近話題のAWS等のクラウド系のサービスや仮想化なのかと思う。

■開発だけに好き放題させていいのか?

 開発やってるエンジニアがだけがこういう試みをしても、成功するとは思えない。エンジニアといっても、コードを書くことのないインフラ系のエンジニアや、社内SEのように幅が広く何のエンジニアなのか区別がつきにくいエンジニアもいる。

 幅広く、多くの種類のエンジニアが情報交換ができるような動きになると面白いと思う。インフラ系のエンジニアの扱っている製品も、元は開発のエンジニアが作ったものだ。自分の作ったものを使ってる末端の人と連携が取れたら、今までと違うような製品につながるかもしれない。

 発想の起点を変えることで、開発を高速化できる余地はまだまだあるのではないだろうか。また、製品自体が見直されることで、メイドイン・ジャパンのシステムが登場するかもしれない。そんな可能性を感じます。

■生産性を上げるというアプローチについて

 個人的には、生産性が上がっても誰も幸せにはならないと思う。生産性が上がっても、もっと稼ぎたいと思う人がいれば、そこを基軸に競争が激化するだけだからだ。また、効率のために個人の発想を切り捨てるような、超拘束開発にすり替わってしまうかもしれない。

 ただ、正論を言うにも実力は必要だ。現状を突き崩すにも発想が必要だ。うまくいかないことに苛立ちを募らせるより、今できることがあるはずだ。超高速開発コミュニティが、煮え切らない日本の現状を打開するきっかけになることを期待して、今後の動向を見守りたい。

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