いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

養鶏所か大空か

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■最近、会社に着くと思うこと

 最近、会社に行くと養鶏所のオーラを感じる。実際に鶏がいるわけではない。そこにいる人の動きや仕草が鶏っぽかったり、キーボードをカタカタ叩く音が、鶏の餌をつつく音に似てたりする。席を立って周りを見渡せば、机の並び方が養鶏所のケージの並びにそっくりだ。

 ついでに言うなら、働き方も鶏っぽい。与えられた仕事を何も考えずにやる。うまくいかないと、コケコケと騒ぐ。ただ、追われているという焦燥感だけで仕事をこなすのもどうだろう。

■ケージは閉ざしてこそ意味がある

 養鶏所のケージにきゅうきゅうに詰まっている鶏を見て、可哀想だと思ったことはないだろうか? そうとも言えない。ケージというのは、鉄壁の檻であると同時に、鉄壁の鎧でもある。固く閉ざされた檻であるほど、外敵が入り込めない。つまり、中にいる限り安全なのだ。

 会社という器の性質が、どうもこのケージという檻にそっくりだ。何か皮肉めいたものを感じてならない。だからと言って、独立とか起業をしたいわけではない。

 この皮肉めいた空気というか、性質というか、そういうのをぶっ壊したい。

■その、ぶっ壊したい何か

 ぶっ壊したいものが不鮮明で、業務内容やら上司、部下に当たることもある。しかし、そんなことじゃ何も変わらない。それよりも大事なのは、己を変えることじゃなかろうか。職場で息苦しさを感じる人が多いようだが、解決策をすんなり出せる人はなかなかいないようだ。乗り越えるのべきものが間近にありすぎるがゆえに見えていないのかもしれない。

 己れの敵は己だ。昔、そんなことを言った人がいたそうな。

 確かにそうだ。ぶっ壊すべき対象が自分であれば、そう簡単にぶっ壊せない。ある意味、最強の強敵だと思う。自分、といってもいろいろある。以前身につけた知識や考え方だったり。恐怖心や不安だったり。時に誘惑だったり。経験上、こういうのを乗り越えたり、覆したりしないで何かを得られた試しがない。

■鶏も飛ぶそうだ

 鶏って飛ぶらしい。野性化した鶏は、数十mほど飛ぶそうだ。(By Wikipeia)本来飛んでたのか、飛べるようになるのか分からない。が、それだけのキャパシティーのある鳥だということは言える。飛べる鶏が、充実感を感じているのか。それは分からない。しかし、ケージ飼いの鶏より元気で活き活きしてるのは確かだ。

 いろいろ理屈はついてまわるが、人間も、本来もつ能力を発揮したいだけなのかもしれない。事実、何か新しい技術を習得したり、自分の思うように事を進めることができると嬉しい。まぁ、自己実現というやつだ。

 望むものが守られたケージと餌か、それとも大空か。それが重要だ。さぁ、己に問うてみようか。

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