いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

ファンファーレにドナドナが高らかに響く

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■今日もレベルアップを告げる"ドナドナ"が鳴り響く

 最近はやっていないが、ゲームなんかでレベルが上がると、ファンファーレが鳴る。イメージとしては、何かをやり遂げたときに流す音楽=ファンファーレってイメージがある。

 Yahoo! JAPANの辞書で調べたら、「儀式・競技会・軍隊などで奏される、トランペットなど主として金管楽器による短い簡単な曲」だそうだ。ちなみにドイツ語。

 エンジニアが事を成し遂げた時、なぜかファンファーレにドナドナが鳴り響く。

■荷馬車に揺られるタイプのドナドナ

 今日もTwitterを見てたら、あるエンジニアがぼやいていた。

 「名古屋なう」

 そんな私は大阪在住なんだが、「神奈川なう」。

 このコラムが掲載される頃には、

 「今日は京都」

 なんて言ってるかもしれない。1つ案件が完結すると、どこへやら"ドナドナ"されてしまう。この業界の不思議なんだが、なぜ関東の仕事に大阪や名古屋のエンジニアをしょっ引くのだろうか。隣のデスクでは、インドから“ドナドナ”してきた方々が働いている。

■売られていく意味でのドナドナ

 エンジニアはよく売られる。"単価"って、おい、人間だぞ。失礼な言い方にも程があるぞ!

 有能でも、たまたま正社員じゃないってだけで、えらくお金で動かされる人がいる。2つくらい会社をはさんで、間は何もしていない。なんてことはざらだ。もう21世紀にもなるというのに、まだ人類は人身売買まがいのことをやっているんだろうか。

 まぁ、正社員でも"出向"という形で、実質“ドナドナ”されたりもする。案件の度に仕事場が変わる人もいる。そんな事で、一仕事終える度にどこからかドナドナ聞こえてくる。

■一番、嫌な意味でのドナドナ

 ここは皆さんの想像に任せます。一仕事終えて、場合によっては途中でドナドナしてしまう。

 まぁ、ドナドナした本人は笑えないですが。本当にそういう結末が多い仕事がエンジニアかもしれない。いろんな業種があるが、求められるものが高度な割に替えが利くと思われているのが怖い。

 俺たちは人間なんだ! 時々そんなことを叫びたくなるが、本当にやると職務質問をされるので自粛している。

■個人的には中島みゆき

 私がハーモニカを習ってる先生が、中島みゆきの大ファンだそうです。そんな先生、元IT系の仕事でドナドナしちゃったそうです。

 その先生がハーモニカで吹いた"地上の星"を聞いて、ちょっと泣きそうになったことがある。あの曲の歌詞って、普段そっぽ向かれているものに鋭くスポットを当てている。そんな優しさというのだろうか。「君を見ている」という力強いメッセージが込められているのを、あの曲に感じます。

 そんなことで、エンジニアのファンファーレにはドナドナより、地上の星の方がよく似合う。

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