いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

クラウドに真っ向からいちゃもんをつけてみる

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■クラウドは便利だが、役に立つとは限らない

 "クラウド"自体、言葉が先走り過ぎた感がある。実際は、製品の売り込みのための1つの"キャッチコピー"だったような気がする。今回は、このクラウドにいちゃもんをつけてみたい。

 クラウドという言葉がでてどのくらい経つか。クラウドと名のつくサービスが普及してきた感もあるけど、多くの人が使いこなせているか疑問だ。率直なところ、先進的な人は使いこなせてるが、それ以外は使いこなせてないように思う。

■使いこなされてる基準

 例えば、携帯電話を見てみよう。いっぱい機能がついているが、どの程度の機能を把握しているだろうか。一般的には、簡単なメール機能と電話帳くらいだろう。パソコンで言えば、せいぜいWebページの閲覧と、メールの送受信くらいだろう。

 電化製品、パソコンなどで一般な人が使いこなしてる機能のレベルって、この10年であまり変化がないと思う。エンジニアが、血と汗を流して作り込んだ機能があまり使われていないというのは、けっこう悲しいことかもしれない。

■空に雲が多すぎる事を、人は”曇る”という

 一般の人が、そういう機能の恩恵をあまり得られない理由の1つが、新しい機能を安易につけるからだと考えている。機能を理解する前に新しい機能をつけるので、結局、新しい機能を使わなくなっているように思う。

 もう1つ。機能をつける側があまり練り込みきらずに機能を付けるので、使いこなしている人にとって“蛇足”だったり、不十分だったりしないだろうか。

 そんなことで、最近のクラウドサービスを見て思うのが、新しいサービスの出過ぎて曇ってるように思う。実は先進的な人しか使いこなせてないんじゃなかろうか。

■時代は"クラウド"でなく"プラント"だ。

 "プラント"ってなんだろうか。クラウドに対して勝手に私の作った言葉です。何となく語呂が似てるので、この言葉を選んだ。直訳すれば、"植物"です。つまり、「手の届くところできちんと育てろ!」と言いたい。何かの製品やサービスの形態ではない。考え方です。

 語呂を似せたのは、クラウドへの強い反発のアピールです。クラウドって、一人走りする「新しさ」の象徴のように私の目に映った。そんなことで、真っ向からいちゃもんつけてみました。 物やサービスも、目新しさだけで売るより、地道に育ててほしい。

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