キックオフでかかと落としはやめてくれ。
■春と言えば、始まりの季節
さくら咲く歩道を、元気に学生たちが走り抜けていく。私の青春時代は暗かったが、ほのぼのとします。春と言えば、始まりの季節。新たに新人たちが加わり、プロジェクトが発足したりもします。
キックオフ。
爽やかな響きですね。青年が青空に向かってボールを蹴り上げるような、そんな場面を連想させます。しかし、実際は、暗い闘技場で繰り出される、「かかと落とし」のようなキックオフも多いかと思われます。なぜかこっちの方が、キックオフのイメージにしっくりきてしまうのが悲しい。
■蹴っても飛ばない
なんで「かかと落とし」の方がしっくりくるか。まず、同じ蹴るでも、飛ばない点にあります。初めから飛ばないのがわかったりすると、まさしくかかと落としです。だって、名前からして“落とし”ですから。地面に這いずりそうな勢いです。
実際、気軽にできる案件って減りましたよね。少し余力をもって挑めたり、余裕のある工数の用意されたプロジェクトです。逆に増えたのが、「現状、無理!」から始まるプロジェクト。バッド・エンドで終わる小説を、いきなり終わりの10ページ読むような気分です。
■開始というより、決め技
格闘技でいきなり決め技が入ると終わる。事実をいきなり伝えられた衝撃が、あの決め技をもらった時の感覚によく似ています。
営業の顧客への決め技が、エンジニアへのフィニッシュ・ブローであってはいけない。天使の抱擁であれとまではいかないが、せめて冬の日の太陽くらいであってはほしい。案件が決まった時に、ホッコリと「良かったね♪」と、言えるくらいのものであってほしい。
それがささやかな願いだ。
■たまに、リアルに人を蹴る
さすがに、かかと落としを現場でする人を見たことはないが、飛び蹴りなら見たことがある。特に、男性の多いエンジニアの仕事では、蹴りを入れるのをたまに見る。
あと、人は蹴らないにしても、ゴミ箱や机を蹴る人がいる。気持ちはわかるが、物は大切に扱ってほしいものです。
どうも、キックオフの“キック”ばかりが印象に残り、このような場面が思い浮かぶ。
■しかし、蹴られても立ち上がることはできる。
なぜに、こんなネガティブなことを連発するのか。それは、ネガティブなものでも、きちんと来ると分かっていれば構えることができるからだ。目の前にいるのは、「現実」という強敵だ。ぽやーっと立ち向かったら、一瞬でノックアウト。
きちんと構えていれば、一発もらっても踏ん張れる。あわよくば、反撃ができるかもしれない。逃げないためにも、ネガティブなものはネガティブと、きっちり認識していこう!
そんなことで、気を引き締めていきたいと思う。
☆う・ん・ち・く