米国のRuby on Railsエンジニア平均年収が1300万円。このデータを解説するとともに、なぜ米国のエンジニアの給与が高いかも推測してみる
年収の評論家を目指していたわけではないのですが、人事部系のメディアで連載していることもあり、気が付けば「吉政忠志 年収」で検索すると、年収について解説した記事が結構出てくるようになりました。ちなみに本業はITソリューションのB2Bマーケティングコンサルタントです(笑)。最近ではカメラマンの仕事が週3ではいるようになり、いよいよIT業界の便利屋としての地位が確立されてきています。
さて、そんな話はおいておいて、ご存知の方も多いと思うのですが、Ruby on Railsが米国の調査で平均年収が1300万円になり、高額平均給与ランキングで1位になりました。データソースはこちらで す。平均年収は集計の方法によってかなり差が出ます。日本でも複数の平均年収の調査結果が公表されていますが、求人サイトの場合であれば、その求人サイトが高額 の求人を扱っているかどうかにより、かなり差が出てしまいます。例えば、先日HRogで公開されたRubyの求人平均年収が366万円(全体で2位の高額ポジション)のデータが公開されました。このデータを見て、「ふっ意外に俺、高額かも」と安心した人や「業界としてまずいんじゃね」と思った方々もいると思います。 一方でワークポートが2011年2月に公開した調査結果によると、Rubyの求人平均年収は500万円とでています。また、Indeed Japan の2014年5月のデータを見ると、全求人案件4136件のうち年収700万円以上の求人が785件となり、全体の18.9%が年収700万円以上の求人となっています。
このような平均年収の調査結果に違いが生じるのは以下の2つの理由があるからです。
1.調査媒体(特に求人サイト)によって差が出る為
高額年収を多く扱っている媒体は高額になるのです。全プログラマーの平均年収は政府発表で400万円弱ですので、それを基準に考えてみるとよいと思います。
2.「平均年収」と「求人平均年収」は違うため
平均年収はイメージ通り年収の平均ですが、求人平均年収は求人票に書かれている年収の範囲の下限の平均値です。後者は300万円~1000万円と書かれている場合、300万円を集計するという意味です。よって求人系の調査結果はどうしても低くなるのです。
さて話は年収1300万円に話です。今回の米国のRuby on Railsの平均給与1300万円は鵜呑みにしてはいけないかもしれません。但し、ランキングで1位という点と高額案件が多いという評価をしてよいと思っ ています。かねてからRuby on Railsのエンジニアの給与は高額であり、大学教授と同等であるとの話を聞いています。Ruby on Railsエンジニアの平均給与が高い理由は少ない工数で開発ができる開発生産性が一番に上げられます。本当に平均年収が1300万円かはやや疑問が残りますが、結構高額なのは事実だと思っています。
日本では人月と言う考え方があるので、どうしてもエンジニアのコストが年収っぽく見えてしまいます。(人月方式を考えた人、恨みますよ!)米国は人月ではなく総額がズバッと出てきます。それゆえ、開発効率が高い言語のエンジニアの年収が高くなるのです。また日本のプログラマと仕事の範囲が違います。PM兼SE兼PGの仕事がRailsプログラマーのような感じなので、英語をマスターして米国に行っても能力が足りなければ1300万円をもらえません。
話はエンジにライフ的な話になりますが、私たちが年金をもらうときはいつでしょうか?崩壊はしないと思いますが、年金をもらえるのが80歳になったりとか、凄く少なくなることは割と予想ができます。だって労働人口の割合が減るんですもん、仕方ないですよね。で、そうなった時に60歳のエンジニアの方はどうやって食べていくのが効率的でしょうか?恐らくコーディング力を維持しつつもそれ以外の能力で仕事を取っていくでしょう。その能力こそが米国のプログラマーがやっていて日本のプログラマーに足りないことなのです。
将来の自分のために、コミュニケーション力、企画力、チームマネジメント力、営業力などを見つけるのが良いと思います。コーディング力意外にこの4つの能力がないと将来厳しいかもしれません。そう考えると引きこもってゲームしている場合じゃありません。コミュニティや勉強会、コワーキングスペースに足を運んでそういうエンジニアライフを楽しみましょう♪
「えー、人と話すのが嫌いだからエンジニアになったのに」と言う人もいるかもしれません。でも大丈夫です。なれます! 人間嫌いの私が気が付けば1万人以上と名刺交換をし、人付き合いができるように見えたりするのですから。何とかなります。私の場合、飲み会のグダグダ感が嫌いだったり、実力もないのに虚勢を張っている人が大嫌いなので、飲み会に参加せず、付き合う人は厳選しています。そうすれば、それなりにコミュニケーションできるようになります。ちなみにそうなる為の一番の方法は腕を上げることです。腕が上がるとその程度のわがままを言っても生きていけます。
最後に一言。平均年収が高いということは、その年収のエンジニアを雇用してビジネスが成り立つことを意味しており、高単価なビジネスが期待できると言えます。金額は別にして平均年収の上位にあるRuby on Railsの今後のビジネスは有望であると考えます。
そういうと、「えー!最近Ruby元気ないですよね。」と思う人もいるかもしれませんが、マーケティングコンサルタントとして一言いえば、成長のハイプカーブ(凄いと盛り上がって、いやそうでもないよねと幻滅気に入り、やっぱいいかもと成長する曲線理論があります)の谷間に今Ruby on Railsはあるので、まさにこれからという感じです。