森健氏との対談
●Web公開のためのまえがき
月刊「Windows Server World」の連載コラム「IT嫌いはまだ早い」の編集前原稿です。もし、このコラムを読んで面白いと思ったら、ぜひバックナンバー(2006年3月号)をお求めください。もっと面白いはずです。
この回は、ノンフィクションライターの森健氏との対談だった。原稿は編集部で書き起こしてもらったので、今回は掲載しないことにする。主な内容は「ITは我々を幸せにできるのか」だった。
森健氏には、筆者の高校時代の同級生である烏賀陽(うがや)氏の紹介で知り合った。初めて会ったのは、烏賀陽氏を含めたノンフィクションライターの勉強会におじゃまさせていただいたときだ。
その後、『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』が出版された。非常に面白い本でみんなに勧めていたところ、担当編集者の取り計らいで対談が実現した。筆者は以前から、IT業界のことを適切に伝えられるライターが少ないと思っていたが、森氏はずいぶん頑張っている。これからも応援していきたい。
このあと2回連続で検索エンジンの話が続くが、これは森氏に触発されたからである。今回を含めれば3回連続で似たような話が続いてしまった。さすがに書きすぎたのではないかと思うが、この分野は面白いことや恐いことがたくさん起きているので、また書くかもしれない。
特に「知らない間に監視されている」ということには注意しないといけない。「政府による監視」に抵抗している人は多いが、対談で触れたような行動追跡については意識していない人が多い。セキュリティを維持しつつ、プライバシーを保護するのは困難なことであるが、必要なことである。
筆者は、この問題を解決する鍵は、暗号化技術にあると予想している。暗号化技術は軍事用途として発達したが、現在はプライバシーを守る重要な技術だ。また、ジャーナリストと連係して論戦を張ることも必要なときが来るかもしれないと思っている。
ところで、「今度森氏と対談をする」と烏賀陽氏に言ったら「世の中狭いなあ」と言われた。自分で紹介したことを忘れているようである。なお、担当編集者(当時)は以前烏賀陽氏と一緒に仕事をしていたという。そっちは本当に「世の中狭い」である。