Windows Serverを中心に、ITプロ向け教育コースを担当

第1回「はじめに」

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 グローバルナレッジネットワーク株式会社というところで、Windows系のトレーニングを担当している横山哲也です。縁あって、この場でブログを始めることになりました。今回は最初ですから、自己紹介と、このブログの趣旨を書いておきましょう。

 私は、1975年に同志社中学に入学し、同志社高校、同志社大学、そして大学院(修士課程)へ進みました。同社中高は、基本方針の一貫性はあるものの、教科教育については一貫教育ではありませんでした。また、同志社中高はいずれも同志社大学の付属学校ではありません。同じ「学校法人同志社」に所属する学校ですが、それぞれが独立して運営されています。最近、中高一貫教育に方針を切り替えるようなことを聞きましたが、私が在籍した頃は入学推薦枠があるくらいで、一部の受験校に見られるような一貫性はありませんでした。3つの(似たような)学校を経験して、一番面白かったのは中学時代です。詳しくは追い追いと書いていくことにしましょう。

 同志社はキリスト教系の学校ですが、ミッションスクール、つまり布教目的の学校ではありません。学校創設者の新島襄は宣教師であり、米国の教会から給料をもらっていたようですが、同志社大学自体は教会とは無関係に運営されていました。ただし、多くの宗教系の学校と同じく、道徳の時間の代わりに宗教(聖書)の時間がありました。

 聖書といっても、中学と高校の1年生は、新島襄の伝記を学びます。同志社で長く過ごした人は「新島襄」と呼ばず「新島先生」と呼ぶ場合が多いようです。大学から入ってきた人にはこの感覚は分からないかもしれません。就職の面接官が同志社のOBで「新島先生をどう思いますか」と聞かれ「私は習っていません」と答えて苦笑されたというエピソードもあります。

 ブログのタイトル “Go, Go, Go, in Peace” は同志社の第1回卒業式のとき、新島先生がおっしゃった言葉から取りました。

 Go, Go, Go, in Peace. Be strong. A mysterious hand will guide you.
(新島襄言志録121ページだそうです)

 意訳すれば「人事を尽くして天命を待つ」ということでしょうか。実際には「平和のうちに(in peace)」と「力強く(be strong)」のバランスはなかなか難しいものです。

 2年生と3年生は「聖書」の授業らしく、基本的なプロテスタントの教義を習います。今回から始まる記事でも、聖書の引用を何度か行いますが、私自身はキリスト教徒ではありません。

 話を戻します。同志社を卒業後、日本DEC(ディジタルイクイップメント)株式会社に入社し、教育部で主にSEやプログラマ向けのトレーニングを担当してきました。主な担当分野は、当時のDECの主力OSであったVAX/VMSやUNIX、CやFortran、C++などの言語教育です。C言語によるX Window Systemのプログラミングなども担当していました。また、当時大流行した人工知能系の教育コースも担当しています。私の修士論文はある種の人工知能システムで、使用言語はLispとPrologの混成システムでした。余談ですが、パターンマッチングによる自然言語自動応答システムを「人工無能」と呼ばれると悲しくなります。いわゆる「人工無能」は、立派な人工知能研究の一分野です。

 1994年頃からはWindows関係の教育を担当しています。最初の仕事はWindows 3.1とWindows NT 3.1でした。1996年には、親会社の米国DECが、教育部門を投資会社に売却しました。その結果できたのが、現在私が所属する「グローバルナレッジネットワーク」です。後に、DEC本体がCompaqに買われ、そのCompaqはHPに買われました。教育部門が売却されるとき、教育部の社員にはDECに残るか新会社に移籍するかの選択権がありました。DECに残った人、別の教育会社に移籍した人、私と同じように新会社に移った人、さまざまな選択がありましたが、今では移って良かったと思っています。

 自己紹介が長くなりました。このブログでは、月刊「Windows Server World」(IDGジャパン)の2005年4月号から連載中のコラム「IT嫌いはまだ早い」の原稿を掲載していく予定です。ただし、Windows Server Worldの編集部とも相談して、以下の2つの制約を付けました。

・雑誌掲載後1年以上たったものに限定

 コラムはまだ連載が継続しています。バックナンバーも販売されていますので、ブログで公開するのは雑誌掲載後1年以上たったものだけに限定します。当面は月2回掲載を目標にしますが、途中から月1回のペースに落とします。新しい記事を読みたい場合はぜひバックナンバーをご購入ください。読みやすさ、論旨の分かりやすさ、展開のテクニックなどは、編集後の作品の方がはるかに上です。

・IDGジャパンの編集が入る前の原稿を掲載

 雑誌記事における編集者の役割は非常に大きく、できあがった文章は編集者との共同作品と呼ぶべきものです。編集後の作品を公開するなら、IDGジャパンの媒体を使うのが筋だと考えています。ただ、古い雑誌は入手が難しく、読みたくても読めない状況があります。私の公開欲求と、商品としての「雑誌記事」のバランスを取った結果が「生原稿の公開」です。

 その他、最近思ったことや感じたことも随時書いていきたいと思っています。

 最後に、私が現在使っているブログを紹介しておきます。

  • 100年Windows…日経ITpro(日経BP)の一部として掲載しています。主にWindowsのことを中心に書いています。
  • 千年Windows…グローバルナレッジネットワーク社員ブログの1つです。
  • 万年Windows…私の個人ブログです。ほとんど書いていません。「IT嫌いはまだ早い」もこちらに掲載していたのですが、順次削除していきます。

 今回のブログのタイトルも、このシリーズにしようかと思ったのですが「100万年Windows」とか「1億年Windows」とかにすると、アニメ「リボンの騎士」のエンディングテーマみたいになるのでやめました。

 それでは、次回からが本題です。どうぞよろしくお願いします。

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