夫の転勤により正社員歴たった2年のCOBOLプログラマーが、ITコンサルタントになるまでの物語。

バレンタインデーの日に考える、自分に合った会社の選び方

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 皆さま、こんにちは! TKT48プロデューサー/SE女子部部長/産業カウンセラーの奥田美和です。

 前回の投稿で、「自分に合った会社の選び方」を書くつもりが「倒産しない企業の選び方」になってしまったので、今回こそ「自分に合った会社の選び方」を書いてみます。

 

■バレンタインデー、その裏事情

 私が生保のシステム会社に入社して、入社1年目の新人の最初の大仕事が「忘年会の幹事」、次の大仕事が「バレンタインデーの買い出し」でした。

 

 その後、9回転職して9業界13社で働いてきましたが、「バレンタインデー」案件に関する各社の対応は様々でした。

――「うちは、そういう面倒なことはやっていないから」

――「派遣だから、そういうことをやるなんて考えもしなかった」

 

 そうなの?

 男性が多いIT業界だからこそ、楽しめるイベントじゃないの??

 しょうがないので、何回か「バレンタインデー」プロジェクトのマネージャーになりました(笑)

 

 プロジェクトが発足したら、まず大事なのは「予算」です。

 経費持ち出しの、いわばボランティア。どのくらいの予算をかけるか(買うお店のレベル=交通費をかけてまでデパートに行くか?近くのスーパーでいいか?/買う商品のレベル=100円~ゴディバなどブランド品 etc)、割り勘になるので女性社員の総意を取ります。

 次に、メンバー集め。大抵の場合は、新人さんの役目となります。

 さらに、スコープ(範囲)決め。上司以上には、誰まで配るか。チーム内は、誰まで(プロパーだけ?協力会社さんはどこまで?)配るか。

 

■チョコレート1つで変わる、モチベーション

 9回転職しているということは、8回送別会を開いてもらっているのですが、今でも忘れない送別会で言われた一言があります。

 

 「あの時、僕たちにまでチョコレートをくれて、本当に嬉しかったです!!」

 それは、4/1の本稼働に向けて、システムテストの工程に入った頃でした。

 

 官公庁のとあるシステムを丸ごと新規開発するという案件で、プログラムも全てゼロから作成。私も終電まで&休日も残業したけれど、とにかく人手が足りなくて、派遣先の関西支社からも優秀なエンジニア社員がサポートに来るくらいでした。

 当時の私は、4次請けから特定派遣され、1人VB.NETと格闘し、フェーズ(工程)が進むにつれて次から次へと増えていく協力会社SEさんのサポートをしつつ、自分の担当のシステムのサブPLをしていました。

 関西支社のプロパー(正社員)さんは本当に優秀で、1説明すれば10の結果を出す「火消しの神様」。今まで、なかなか進まなくて私のところに回されていた新規プログラム作成が、彼&弟子のおかげでみるみるうちにプログラムが出来上がっていきました。結合テストをしてもバグが少なく、さすがの出来栄えです。

 

 そんな修羅場の中で迎えた、バレンタインデー。

 火消し(=残作業が山積みになってとんでもない状態になっている時に、1つ1つ問題を解決していくこと)してくれたので、他の協力会社さんよりも少しだけバージョンアップしたチョコを、関西のプロパーさんに渡しました。

 

 「まさか、東京でもらえるなんて……」

 えらく感激されて、その効果だったのか、彼は本稼働まで火消しを続けることができました。

 

 

 その1か月後。

 女性社員からは割り勘で「みんなから♪」と配布したのに……。

 男性メンバー1人ずつから、お返しを頂きました。

 

 マシュマロやら、キャンディーやら、ハンカチやら、どれも嬉しいものばかり!

 「この案件が終わったら、辞めてやるー!!!!」と思っていた私のテンションも上がり(笑)、無事、4/1の本稼働を迎えました。

 

■バレンタインデーの日にわかる、職場の人間関係

 今回のテーマの「自分に合った会社の選び方」。

 理想を書くなら「自分がやりたいと思うことをやれる会社」でしょうか。

 正社員として入社する時なら、その条件でもいいと思います。

 

 しかし、非正規社員(特定派遣がメインの正社員を含む)の場合は、「プロパー/協力会社関係なく、1人のエンジニアとして尊重してもらえる案件(チーム)に参画できるかどうか」で、運命が決まると言っても過言ではないでしょう。

 

 厚生労働省の「労働安全衛生に関する調査」(平成25年)の結果を見ると、「強い不安、悩み、ストレスの内容(3つ以内の複数回答)」のうち上位は、「仕事の質・量(65.3%)」「対人関係(33.7)」「仕事の失敗、責任の発生等(36.6%)」。

 

 IT業界の激務状況は、いくらクラウドを導入しても、多重下請け構造など根本的な問題を解決しない限りは、具体的な改善には繋がらないでしょうけれど……。

 対人関係については、「チョコレートをもらえるかどうか」つまり「普段から信頼しサポートし合える関係が作れているかどうか」という具体的な改善策が、今回証明できたのではないかと思います。

 

 ――今年、あなたはチョコレートをどのくらいもらえそうですか?

 

 

 次回のテーマはまだ考えていませんが…次回もお楽しみに!

 

■本日のまとめ:バレンタインデーが休日だと

1.「今年のバレンタインデーは休日だから、あげなくてもいいよね!」という意見が多数。

2.運が良ければ「1日遅れだけど…」ともらえるかもしれない。

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